46話 ジェットコースターのような怖さ
夜、バイトを終えた高穂と広瀬、そして店長は店を閉めた。
「さてと、その86に乗せてご自慢の場所に連れていけよ」
「分かりましたよ、けど責任は負いませんので」
高穂は少々だるそうにしていた、理由は40そこらの人間が助手席に乗っていたらテンションが下がるどころか萎える。
(めんどくさいなぁ……)
高穂は取上峠の上にある道の駅に向かった、そして数十分後、未だ秋元や鈴木がいない場所に着いた。
「ここはな、ここの走り屋が集っていた場所だ、今も集っているのか?」
「集ってますね、僕はそのメンバーじゃないですが」
「どうしてチームに入らないんだ?」
「チームに興味がないのでね」
そう言って86はダウンヒルを始めた。
「今の車ってのはこんなにスムーズに走り出すんだな」
「だってこの車足回りしかチューンしてないですし」
「へぇ、エンジンは純正って言ったが細かいところは見てないし、ここまで純正にこだわるとは」
「……純正にはこだわってないんですけどね」
86は右のコーナー、続けて左のコーナーを抜けていった、だが店長は秋元のように気絶していなかった。
「店長、怖がってます?」
「いや、最近の若者のドライブはこうなってるんだなってしみじみと感じてるだけだ……続けてくれ」
「分かりました、ならかっ飛ばします」
高穂はアクセルをベタ踏みし、どんどんと86の速度が上がっていく。
「ってこれ速くないか!?」
「大体の直線はこの速度でかけていますけど?」
「うげぇ」
緩いコーナーでかかるGに店長は耐えれそうにもなかった。
「さっきまで余裕みたいなこと言っていましたが、どうなんでしょうね」
「う……うるさい!」
そして桜坂に差し掛かった時、店長が怖くて叫んでいた。
「高穂!!!ブレーキ!!ブレーキ!!!!!」
高穂はフルブレーキをしてからドリフトをした。
「うわぁぁぁぁぁ!!!!」
すぐに第二ヘアピンが見え、それもブレーキングドリフトで駆け抜けていった。
「ひぃ……もうやめてくれぇぇ!!!!」
そして86は普通じゃ考えられないスピードでコーナーを駆け抜けていき、ゴール地点に着いた時にはもう店長は足がガクガクで生まれたての小鹿のようだった。
「どうですか?僕の運転技術は」
「さ……さいこうだったよ……ぐお」
店長はその言葉を言い残し、気絶した。
「ありゃ、もう終わり?」
高穂はこのおっさんをどうしようかと考えていた。
(道のど真ん中に放置するのもアレだし、一度警察に届けてもいいな)
高穂は派出所まで車を走らせ、警官に店長を預けて帰った。
「ただいまー」
「おう、おかえり」
海人は必死に灯油を灯油缶に入れていた。
「じゃ、今日も頼む」
「はーい」
高穂は今日も灯油を旅館に運ぶために山を登る。旅館側は今灯油を持ってこいって言っているが理由はこの時期に灯油を買い置きしておこうと考えているらしい。この時期の灯油は安い、だから買い時なのだ。そして冬になれば備蓄分が無くなれば灯油屋からその都度買い足しているという。
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