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勇者パーティーハーレム!……の荷物番の俺の話  作者: バナナ男さん


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3 ギフト?

若干の気まずさを感じていると、突然その説明してくれていた聖職者?のお兄さんが、ススンッ……!!と凄い勢いで表情を失くす。



あ……これ、リストラを言い渡す時の人事の人と同じ顔だ……。



嫌な予感しかしないその様子のまま、そのお兄さんは事務的な言い方で一気にその理由を喋りだした。



「辛くて険しい旅に出る勇者様。

神はそんな勇者の為に、旅立ちの前にある条件に叶った人物を異世界から呼び寄せます。

要は神からのプレゼント、通常【ギフト】。

それが異世界人です。 」



「は……はぁぁぁぁ────??!!」



異世界人の人権一切なし!な物言いに、流石にびっくりして固まってしまったが、そのお兄さんの説明は続く。



「かつて召喚された異世界人達は、絶世の美女や美少年など見た目が非常に麗しい者達でした。

要は、勇者様の旅の隣に立つに相応しいというか……。」



「へ……へぇ〜……そうなんですか〜。」



無難な返事を返しながら、俺の顔色はサァァァ〜と海色へと変化していった。


さっきから周りの人達に凄い見られているわけだが、何となく変な雰囲気というか……。


要は気まずい感じの雰囲気が漂ってて、何でかな〜?と思っていたのだが、この答えでハッキリ理由が分かってしまった。


要は────。



「今までの美女や美少年と違って、平凡なおじさんが来たから驚いていると……?」



ズバリそう言い当てると、お兄さんは気まずそうにニッコリと微笑んだ。



「ま、まぁ、その……はははっ!

ただ、美少女や美少年ではない方々も召喚された例はあったので、どうか諦めないで下さい!

その方達は勇者様に近いチート能力があったり、やたらユニークな能力があったりしたみたいです。

ちゃんとこれからお調べしますからね!」



最後は言い切った安心感からか、お兄さんは清々しい笑顔に早変わり。


そして他の同じ様な服を着ている聖職者仲間?達に何かを命じてゴソゴソと用意を始めた。


それを言われた俺は────まぁ呆然としちゃったよね。



いや〜……それってさぁ〜つまりさぁ〜……。


異世界人イコール優秀で役に立つ人、もしくは隣に置いてテンションUPUP〜する美形さんって事でしょ??



どちらも当てはまらない自分にギャフン!と心の中で叫んだが、よく考えると『だったら俺、お呼びでない??』と気づく。


チラッと視線を動かすと、その異世界人を貰う予定の勇者様も興味一切なし!な様子なのが見え、帰っても問題ないと判断した。



「でしたら、私は帰りますねぇ〜。

私、『美』など砂上の砂粒程もないオジサンですし〜特技は割り箸を綺麗に割れる事くらいなんで!

ではでは、貴重な体験ありがとうございましたぁ〜さようなら!」



どっこらせ!という年寄臭い掛け声と共に立ち上がり、深々と頭を下げると、お兄さんは、またしてもスンッ!!と表情をなくした。


    

「……()()帰れません……。」



「えっ??ど、どういうことですか??

今はって事は、明日くらいには────。」



『今』というワードに疑問を持って尋ねると、お兄さんは首を横に振り、周りにいる人達も一斉に首を横に振る。



「……異世界人が帰るには、ユニークモンスターを全て倒し終わった時に出現するとされる────【全能杯】という神の杯に勇者様が願いを叶えてもらった後になります。


これに願う事で一つだけ願いを叶えて貰えるのですが、どうもその際に帰るための道ができるとのことです。


異世界人様には、この世界を救うお手伝いをしていただいたお礼として、討伐後には多額の報奨金をプレゼントさせて頂いてます。」



「え、えええええ────!!!??

ちょっ!!それ、めちゃくちゃ困るんですけど!!?

それじゃあ帰るのいつになるか……有給足りないかもしれないじゃないか!

いや、無断欠勤……クビか!!」



予想だにしない新事実に、困ってワーワー叫ぶと、そのお兄さんは突然全てを悟った様な顔でスッ……跪いた。



「全ては神の御心のままに……。」



えっ……逃げた……??



ブツブツと祈りだしてしまったお兄さんにこれ以上文句も言えないと、他の人達も見回したが、全員が汗を掻きながら祈りだす始末。


最後の砦である王様までも祈りだしてしまったので、隣にいる王妃様?に視線を移せば、その顔には凶悪な笑みが浮かぶ。



「早くユニークモンスターを倒せる様祈っております。

異世界人様。」



「ええええ〜…………。」



あまりにも酷い扱いに流石に閉口してしまうと、突然その空気を切り裂く様に現れたのが、輝く様な美貌をお持ちの4人の女の子達だった。


ババ──ン!!


なんと巨大で重そうな扉を、軽々と開けて中に入ってきたのだ。



「お──い!勇者様のギフトが今日届くって神託があったんだろ〜?

見に来たぞ〜!

アタイと勝負だ────!!」



真っ先に駆け出したのは、元気っ子獣人のルーン。


キョロキョロと周囲を見回す。



「……ふんっ!外見だけの女なんて最悪ね!

あんまりにも役に立た無さそうなら、追い出してやるから!」



「フフッ。まぁ、どんなレベルかじっくり見させてもらおうじゃない?

勇者様のパーティーに入れるレベルかしら?」



アイリーンとメルクがフッ……と意地悪満開な笑みを浮かべると、キュアはまぁまぁとそんな二人を嗜める。



「そんな乱暴な言い方は駄目ですよ〜。

でも、これから出発する度は危険な旅……流石に何も出来ない女性を連れて行くのは私も反対ですけどね。

まぁ、じっくり判断させてもらいましょう。」



キラキラ光り輝く様な女性達を見て、俺はポカン……。


そのまま乱暴な足取りで中に入ってくる4人を見ていたのだが、4人は俺の前方の方にいる勇者の姿を見た瞬間、キランッ!と目を輝かせ走り寄って行った。



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