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自分のご飯をすっかり平らげて、満足そうに毛づくろいまで済ませたルーシーはその後眠そうにしたので抱っこすると、すっかり腕の中で寝始めた。
ここが安心できる場所だと認識できた様子に一安心する。
「すっかりシエラの腕の中が定位置になりそうだが、それも短い間だろうな。大きくなるというし」
私たちの様子を見て話すクロムス様に私も同意する。
「そうですね、きっと一年経たずに私より大きくなるのではないかと思います。半年後にはきちんと話も出来るかも?妖精だから、普通の猫とは違いそうですし」
「そうだろうな。どちらにしろここも魔獣の発生が落ち着いて、穏やかになった証だろう。家族が増えるのはいいことだ」
クロムス様の言葉に胸が温かくなる。
クロムス様も、ソフィア様もクロイスト様も家族。
リルも、ルーシーも加わって、そこに精霊さんや妖精、ワイバーンのアイラも居るから大家族だなぁとのほほんと考えていると、サラサが言う。
「あとは、旦那様と奥様にお子様が出来れば、もっとにぎやかですね。うちの孫も居るし、リルやルーシーも立派な子守になりましょう。いつでも歓迎ですわ」
サラサの発言に、私とクロムス様は顔を見合わせてしまう。
ようやく一緒の寝室で寝るようにはなったし、いい雰囲気にもなるのですが。
クロムス様が急がなくていいと言って、まだ実は最後までは出来ていなく……。
結婚からすでに五か月になるのに、まだなんてと私も気にしているのだけれど……。
サラサの発言もあるし、今日こそは‼
私の気合にリルはちょっと心配そうに、クロムス様はややきまり悪そうにしていたが、私は自分でいっぱいいっぱいなのでその様子には気づいていなかったのだった。
その夜、最近一緒に過ごすようになった夫婦の寝室でクロムス様を待っていた。
あのあとイジェンヌに相談したら、あとは旦那様が頑張るだけですがね。
ちょっとお手伝いいたしましょうとニッコリ笑って湯あみの後目いっぱい磨かれて、今までにないセクシーなネグリジェを着せてくれました。
これでダメだったら、ちょっと泣いちゃうかもしれない……。
「シエラ、これは……。イジェンヌか」
部屋に入って、私の格好に気づいたクロムス様はちょっと困った様子を見せる。
やはり、私ではダメなのかもしれないと落ち込みかけたところクロムス様は私を抱き上げてベッドに座った。
「ただでさえ、俺のシエラは可愛くて仕方ないのに。こんな状態で我慢できるはずがない……」
「クロムス様。我慢してほしくありません。私、名実ともにクロムス様のきちんとした妻になりたいのです」
私の言葉に答えるように、優しく甘いキスがたくさん降り注ぐとこの日私はようやくクロムス様と夫婦になりました。
お邸も、リルもルーシーも精霊たちも実に満足な感じで見守られていて、私もクロムス様も少し恥ずかしかったけれど、みんなが喜んでくれたので良かったのかなと思う。
本当に、ここにお嫁に来られて私は幸せだ。




