61
オーロが進んだ先の小さな泉のある森の中の開けた空間。
その泉の側に丸まる、大きな龍。
古龍と呼ばれる、エンシェントドラゴンは私たちの到着に気づき丸まっていた身体を起こし、オーロの着地スペースを開けてくれた様子。
オーロもしっかりそれを見ていたので、開けてくれたスペースにしっかり着地した。
『やぁ、よく来たね。今代の愛し子。まぁ、すごい加護の量だこと。愛されとるなぁ』
なんと、古龍さんは伝達スキルがあるようでお話が聞こえてくる。
しかも、声が若々しいのだけど‼
『おやまぁ、優しいねぇ。声が若いと思ってもらえることの嬉しいこと。もう、すっかり古龍は私一人になってしまったからね』
どうやら、若々しいお声だけれどおばあちゃんな古龍さんは会話を楽しんでくれている様子。
まぁ、私考えてるだけで声には出していないのだけれども。
『古龍にはテレパシー能力があるから、考えるだけで脳内で会話ができるのさ。便利よぉ』
「森の奥に一人って、寂しくないの?」
私は思わず、そう聞いていた。
『そうさねぇ。もうここ千年は一人だからねぇ。でも、お前さんがちょこちょこ遊びに来て話し相手になってくれたら嬉しいねぇ。先代は怖がって話せなかったから。三代前の子以来、お話しできる子は久しぶりだよ』
お話してみれば落ち着いたおばあちゃんドラゴンさんだってわかるけれど、まずビジュアルが巨大なドラゴンだもんね。
鱗な生き物が苦手ですって人もいるし、こればっかりは仕方ないのかも……。
『そうなんよぉ。先々代も先代の子も鱗で巨大なドラゴンは苦手だったみたいでねぇ。話す前に気絶しちゃって。わたしゃ、ちょっと、悲しかったんよぉ』
大きな古龍がしょんぼりうなだれる姿はある意味シュール……。
『だから、たまにでいいの。遊びに来てくれんかね?』
孫にお願いするおばあちゃんのようで、私は自然と頷いていた。
「ウィンガルム様かフェンリルのリルだけでもここに来れると思うの。だから、会いに来るね」
私の答えに、本当にわかりやすいくらい嬉しそうになるから私は笑って古龍の首筋を撫でた。
「ちゃんと遊びに来るからね。ちなみに古龍さんは何が好きなの?」
すると古龍はお茶目に答えた。
『私はお酒と甘いものが大好きなんよぉ。両方あると最高よのぉ』
おばあちゃん龍は甘いもの食べながらお酒が飲める、そんな龍みたいだ。
「とりあえず、今お酒はないけど。クッキーと飴なら持てるよ。食べる?」
私が持っていたのは、バターがたっぷりのクッキーに、オレンジの飴だった。
『あぁぁぁぁぁぁぁ!!久々の、人間作製の甘味!!』
ものすごい雄たけびで、とっても喜ぶので私はもちろん即差し出して、食べさせてあげた。
それはそれは、喜んで食べる姿が見れたので今後甘味は絶対持って遊びに来ようと誓った。




