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生家で虐げられた令嬢は嫁ぎ先で溺愛スローライフを送ります  作者: 織原深雪


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「実は、侯爵家ではよくて一日一食の生活で。だから、最近三食食べるようになったのだけれど、まだ量をたくさん食べられないんです」

 お父様も手紙で現状を伝えたと言っていたので、話しても大丈夫だと思って伝える。

 すると、私付きのイジェンヌが声をかけてくれる。

「では、少しづつでも食べやすくて体にいいものをご用意いたします。シエラ様はお好きなものはありますか?」

 イジェンヌの質問に、私は精霊様の贈り物の果物を思い浮かべて答える。

「私、イチゴやリンゴ、柑橘が好きよ。お肉は最近食べるようになって、美味しいけれど少しでいっぱいになってしまうの」

 私の返事に、頷いてイジェンヌはであればと提案してくれる。

「それでは果物はお菓子やお茶に、お肉はしつこくない味付けで食べやすいものをライドにお願いしましょう」

 そんなお願いをしてもいいのだろうか?

 私の疑問は顔に出ていたようで、クロムス様の後ろに控えていたドルツがにこやかに言う。

「シエラ様は、クロムス様の奥方様になられるお方。食べたいものをお願いして良いのですよ」

 そうか、私はこの方と結婚してこの城の女主人になるのね。

 いまだ、結婚するという実感は湧かないけれどここの人たちは私を受け入れてくれている。

 穏やかで心地よいこのお城も、人々もとても好ましいと感じる。

「分かりました。では、イジェンヌが言ったようなお料理で今日はお願いしていいかしら?」

 こういった話し方も、まだまだ慣れていないけれどマーマリナお義姉様に習ったようにお願いすると、ドルツもサラサもイジェンヌもかしこまりましたと答えてくれた。


 再び、柑橘のお茶を飲んで顔をほころばせるシエラをサロンにいるみんなで見守る。

 食が細いのは、それまでの生活が原因なのでここで過ごすうちに少しづつ食べる量も増えていくだろう。

 十七歳には見えない細さと小柄さに、胸を痛めたのは使用人たちだけではない。

 クロムスは三か月前にフェザーライト侯爵家に行った際に、シエラを見かけた。

 魔の森に魔獣退治に行くからこそ、辺境伯家の者は代々精霊を身近に感じ、その力の恩恵を受けているものが多くクロムスもそうだった。

 シエラの周りには精霊がたくさんいた、みなシエラを気にかけているのだがシエラが万全でないために気づけていないだろうことは明らかだった。

 あんなに精霊と妖精に好かれている人間は見たことがない。

 辺境伯家の書庫にある書物の中で読んだ一文をこの時、クロムスは思い出した。

 精霊と妖精に愛されし、愛し子。

 愛し子の幸せこそが精霊の喜び、愛し子に多くの幸があれば土地もまた栄えし。

 皇都の自然が減り、精霊や妖精が減っていたのはまさにシエラが万全でなかったから。

 それでもシエラの周りは精霊と妖精でキラキラとしていた。

 なんとかしたい、そう思った時には知り合いでフェザーライト次期侯爵夫人のマーマリナ夫人に伝えていた。

 彼女に婚約を申し込みたいと。

 そうして、無事婚約が叶うと早々に領地へ来てもらうことにも成功し、クロムスはあの時より顔色の良くなったシエラを迎えて一つ安心したのだった。

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