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生家で虐げられた令嬢は嫁ぎ先で溺愛スローライフを送ります  作者: 織原深雪


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  そういえば、最近は食事がしっかり取れてるからか親切な果物をくれる方は現れていない。

 本宅で、ご飯を抜かれてひもじい夜は毎回屋根裏の窓に果物が届けられていた。

 それはとっても美味しくて、私の空腹を和らげてくれる大切な物だった。

 この辺り周辺の国はみな、精霊を信仰しており、精霊王を崇めている。

 なので、この果物の贈り物も親切な精霊のおかげだと思って過ごし、日々感謝を伝えていた。

 無くなると少し寂しいけれど、ようやくしっかりご飯が食べられる環境を精霊さんも喜んでくれるのではないかなと思っている。

 もうすぐ、辺境伯領へ嫁入りの引越しだ。

 この皇都ともお別れして、私は新たな場所へと踏み出すのだ。

 結婚も厳しいと思ってたし、家を出て平民として生きるしかないかなと思っていたけれど婚約の打診のおかげで、無事生家から大手を振って出ることが出来る。

 そんな準備に追われ、明日は辺境伯領へ出発という日の夜久しぶりに窓辺に果物が置かれていた。

「まぁ、いつもありがとうございます」

 私は感謝の言葉をかけて果物を手に取ると、そこにふんわりとした丸い明りがあることに気づく。

「どういたしまして、我らの可愛い愛し子」

 精霊様と思われる、光から返事が聞こえて私は驚いた。

「精霊様、今までも助けてくれてありがとうございました。おかげで、なんとか無事に辺境伯領へ行けます」

 私の言葉に、光が実は四つもあってよかった、よかったと声が上がる。

 こんなにも精霊様が近くにいたことに驚く。

「我らの可愛い愛し子、辺境に行ったら教会に行くんだよ。精霊王様、大精霊様、待ってる」

 そんな声と共に、光はサッと消えていった。

 大精霊は五体しかいらっしゃらないのよね?

 風の大精霊、水の大精霊、炎の大精霊、土の大精霊、光の大精霊。

それらを束ねる、それが精霊王様で。

 さらっと、待っていると精霊様は言ったけれどそもそも精霊とコミュニケーションが取れる話は昔の記録にしか残っていなかったような……。

 これが家族に知れると、結婚できなくなりそうなので黙っておくことにする。

 明日には辺境に出発するのだし、大丈夫でしょうと私はいただいたありがたい果物を食べてから寝支度を済ませて就寝した。

『やっと幸せになれるね、我らの愛し子』

 私が就寝すると、部屋にはたくさんの精霊と、妖精たちが集まっていた。

 ある種の神聖な空間にまでなっていたが、それは誰にも気づかれることはなかった。


 そうして、私は翌朝食事を済ませると早々に皇都のフェザーライト侯爵家からアイラザルド辺境伯領に向けて旅立ったのだった。

 見送りは、マーマリナお義姉様とシオン。

 お父様もお兄様も仕事とのことで、昨夜挨拶を済ませていたしそこは問題ない。

 お義母様とお姉様には、離れに移ってから会うことないままの旅立ち。

 会っても、感謝もなにもないし言うこともないので良かった。

 そうして馬車で移動すること一週間。

 南に位置する辺境伯領へと、たどり着くと門衛の方もすでに私のことを知っていて遠いところをよくぞおいでくださいましたと歓迎されて、そしてそのまま領主館へと向かった。



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