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L3 killing of genius "H"  作者: 迫田啓伸
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H、逃走中-2

 Sさんの実家はいわゆる自営業で、冬になると仕事が忙しくなるから、家族総出で働いていたそうです。

 そのとき、冬場はストーブで温めていたおでんを食べていたそうです。

 コンビニで、Sさんが話してくれました。

 とうじ、私たちはカウンター越しに座り、店のビールなどを飲んでいたりしていました。

 途中、Sさんが食べたものを吐くためにトイレに駆け込むこともありました。

 逃亡生活の間に、Sさんはあまり食べられない体になっていたのです。

 私も心配になって、Sさんの背中を擦ったりしました。

 青い顔をして、Sさんは苦笑していました。

 吐くだけ吐いて、顔を洗った後は私が肩を貸してカウンターに戻ったわけです。

 それから、子供の頃から色々な通信教育をさせられ、受験のために無理矢理塾に行かされ、受験があるからと野球部に入りたかったのに諦めさせられたりと、Sさんは自分のこれまでの事を話してくれました。

 時々、私が軽く冗談めいたことを言っても、あの人は笑っていました。

 これまでは、私が軽口を叩いたら、相手はにらみ、厳しい声で

「そんなことを言われる筋合いはない!」

 どうしてこんなことを言われなければならないのか、私は理解できませんでした。

 Sさんだけです。

 そのSさんはSATに射殺された。そのSATを指揮していたのは田中という刑事。


 私がレイプ犯の一人に警察に通報させたのも、わざと逮捕され、警察官を何人か殺したかったからかもしれません。私を助けたつもりになっていた田中刑事も、私に殺されるとは思わなかったに違いないでしょう。

 でも、今はどうして通報させ、そして、わざと逮捕されたのか分かりません。まったく理由が浮かんでこないのです。


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