作者、テープリライターを続けてしまう-5
Hとはいつ同じクラスだったのですか?
「高校二年、三年でした」
当時のHはどういう人でした?
「そうですね、おとなしくて、いつも一人でいるような子でした。クラスで友達同士のグループが出来るものなんですけれど、どこにも属さず、いつも一人で椅子に座っていました。自分から何かしようというタイプではなかったです」
学校の成績は良かったと聞きましたが。
「はい、良かったです。20から30番辺りにいたような気がします。でも、いつも暗い顔していました。どうしたの、と聞いたら、こんな成績では怒られる、と言っていました。私が『いい成績だよ』とか『頑張ったよ』と励ましても『親が納得しない』と首を振りました」
Hは親の愚痴をこぼしていましたか?
「いいえ、そのとき以外、全く聞きませんでした。私も聞いたのですけれど、答えてくれませんでした。そういえば、三年になってから、進学希望から就職に進路変更しまして、そのときは私に事情を話してくれました」
六人目の女性は高校のクラスでも、比較的Hと仲の良かった方らしい。
とはいえ、友達づきあいはせず、同じグループにHは入らなかった。
女性が時々Hに話しかけ、Hが答えるというパターンが多かったそうだ。




