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作者、テープリライターをやってしまう-4
この後、Hの母は里緒に、なんとかHを助けてもらえないかと頼み込んでいた。
だが、前巻でも書いたように里緒は非常に難しいと答えた。
その答え方が、俺にはほとんど「不可能」と言っているように聞こえた。
それでもHの母は泣きそうな声で、お願いします、と繰り返していた。
俺が聞いていて、しつこいなぁと思ってしまうくらいだ。で、頭にきた里緒が怒鳴り返したのも、前巻と同じ。
強く言われて黙り込むHの母に対し、里緒は再び静かに声をかけた。
「それでは、この辺でいったん終りましょう」
「はい」
「後ほど、ご主人といっしょにHの話を聞かせてください。弁護に立つ以上、話を聞いておく必要がありますし、Hを逮捕するための情報もいるのです」
「……主人も、私と同じことを言うと思います」
「そうでしょうか。ご主人しか知らないHのエピソードがあるかもしれないし、事件に関する見解も聞いてみたいのです」
「分かりました。主人と相談してみます」
これでMDは終った。




