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L3 killing of genius "H"  作者: 迫田啓伸
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作者、テープリライターをやってしまう-2

 Hはどんな人物だったのですか?

「おとなしい子でした。私たち夫婦の言うことも聞いて、たまにいやな顔をするけれど、基本的には素直ないい子でした」

 とても殺人を犯す子供ではなかったと?

「はい。あの子は運動がダメで……学校の成績もそれほどでもなかったのですけれど……規則を破って罰を受けたという話は聞いたことがありません。ただ」

 ただ、なんです?

「もうご存知かと思いますが、あの子は引きこもり……いわゆるニートだったんです」

 最近では珍しくありませんが。

「私は教師でした。今の主人と結婚してから仕事をやめましたが、ですから、HとHの姉にもそれなりの教育を施してきたし。そのおかげでそれなりの成績を上げていたんです。あの子が子供だった頃は、まだ昔のいい大学へ入ることが幸せな人生を送ることができる、という価値観が残っていましたから」

 そんな価値観は知りませんし、学校でも家でも先生がいるなんて、疲れると思いませんか?

「確かにそうでしょう。でも、仕事が忙しいさなか、あの子達のために……HとHの姉ですけど……勉強を見ていたんです。姉は私たちの期待に応え、九州でも難関の大学に合格し、就職難のときに福岡県の職員になりました。でも」

 期待をかけすぎたのではないですか?

「そんなことはありません。親というものは子供に期待するものです。期待しているから、うるさく言いたくなるのです。今は学歴社会です。勉強しないと仕事も出来ないし、幸せな人生を送れません」

 学歴のない人でも、いい人はいますよ?

「そうかもしれませんが、世間はそうは見てくれないのです」

 Hは、大学に行っていないようですけれど?

「それは、夫がリストラにあって。時期が悪かったとはいえ、あの子にはかわいそうなことをしました。再就職がいつになるかわからないし、Hにも助けて欲しかったのです。高卒でも仕事できるし、しばらくはアルバイトでもいいと思っていました。高校卒業後、仕事に就けましたが、そこはすぐに倒産。その後、大学にいけなかったことで、あの子が反抗してきて。それ以来部屋に閉じ困ってしまって」


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