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L3 killing of genius "H"  作者: 迫田啓伸
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H、逃走する

 四人の男を殺した後、自分は喜び勇んでワゴン車に乗った。

 この前、自分がレイプされそうになったワンボックスとなんとなく似ている気がするが、気のせいだろう。

「やったー、これで屋根のある寝場所ができたーっ。幸せーっ」

 鍵はついたまま。このまま自分が使って、全国さすらいのたびに出ることもできるわけだ。持ち主は死んだわけだし。

 逃げるのも、徒歩より車があったほうが便利だ。

 当然、死んだ四人の男から金を取ったので、しばらく食うに困らない。

 ところが、ドアを開けると、中に女が一人寝ていた。

 ピンクのポロシャツに、白のショートパンツ。

 特別美人ではないが、肉感的な、男好きするような姿だった。

 もちろん、自分よりもルックスがいいのは言うまでもない。

 彼女を見たとき、車を手に入れたときの喜びは消え去り、かっとなった。

 こいつもあのチンピラの仲間か! と。

 片手で女の口をふさぎ、もう片方で首を絞める。

 女が目をうっすらと開けた。

 自分と目が合ったとき、女は自分の手を振り払おうとする。

 助けを呼ぼうと、声を張り上げようとする。命を奪おうとする自分を排除しようと、両足で蹴ろうとしてくる。

 実際、胸を蹴られたり、腕を爪で引っかかれたりした。

 でも、それでも両腕に力を入れ、首を締め上げる。

 女が上げようとしている悲鳴は、次第に小さくなっていった。

 思ったよりも時間がかかってしまったが、女は抵抗をやめ、白目をむいた。

 手に力を入れ、ねじりあげると首から異音がした。

 女の手足は垂れ下がり、それっきり動かなくなった。

 死んだとわかると、早速服を脱がした。

 ポロシャツは大きかった。しかし、ショートパンツは小さすぎて入らなかった。

 濡れてしまった警察の制服から着替えようかと思っていたのに、とイライラしながら脱ぎ捨てて、婦警のタイトスカートを再び着込んだ。女は金を持っていなかった。

 女の死体を車外に捨て、車を発進させた。

 特に行く当てはなかった。この場から離れて、適当な場所に車を止めて、ちょっと眠ろうとしか考えていなかった。

 眼鏡を落としたのが痛かった。しかも無免許だ。警察に止められて職務質問されたら、大変なことになる。

 エンジンをかけ、彼らが来た方向にUターンし、発進した。


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