H、ますます暴走していく-2
男の指先を踏みます。
頭を地面に叩きつけます。
蹴り上げて体を反転させます。
そしてそこへ、拳を振り下ろしたり、踏みつけたりします。
逃げようとしたら膝をねじり上げます。
男の足が血で濡れて滑るので、両腕でしっかり固定します。
この犯罪者が!
このゴミが!
よくも私に上等な口が利けたな!
と、怒鳴り散らしたりもします。
それを何度も繰り返します。馬鹿みたいに繰り返します。
男が両腕で顔を庇い始めました。
それから、時間が経ちました。
私たちがいる道に、車は一台も通ることはありませんでした。
強気だった男は涙ぐみ、私に謝罪の言葉を口にするようになりました。
一方、私はまったく落ち着きそうにありません。
ますます、怒りの度合いが上がっていくようでした。
「ごめ、ごめん、助けて」
「ごめんじゃないだろ!」
「すんません、助けてください。許してください!」
「だまれっ! 貴様、私に何をやったか!」
「強請りです」
「私が言ったとおり、強請りだったんだろ! でも、それだけか! 他にあるだろうが!」
「勘弁してください」
「お前、最初強請りじゃないと言っただろ! それが結局は強請りだったんじゃないか! 他にも何かしているだろ!」
「勘弁してください」
「何が勘弁だ! お前、私どころか、Sさんのことを馬鹿にしたんじゃないのか! ボケが!」
「すんません。この通りです。命だけは」
「ダメだ。お前はここで死ぬんだ。ろくに働きもしないで、あんなにお金持ってて、さぞ楽しい人生だったんだろ?」
既に、男の体は傷だらけでした。
全身に殴打を加えたため、内出血による腫れや変色、それに擦り傷打ち傷。
先ほど上着を破ったため、今はズボンをはいているだけの状態です。
一方、私もボロボロのスーツのまま。
「いやだ、いやだ、命だけは」
「ダメだ! お前さっき殺すぞとか言ったが、私が今からお前を殺してやる! 貴様のように、脅しだけじゃないぞ!」




