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L3 killing of genius "H"  作者: 迫田啓伸
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H、回想に苦しめられるー2

 男は私に馬乗りになり、顔を殴る。

 両腕で顔を防ごうとしたら、腹に拳が食い込んでくる。

 息が詰まり、体が半分に折れるような痛みが走る。

 私の腕は押さえられ、スーツのボタンが外された。

「あっ……」

「おとなしくしとったら、調子に乗りくさって」

 男が私の両足の隙間に体を割り込ませてくる。

 ブラウスに男の手がかかり、ボタンが引きちぎられそうになる。

 そのとき、男の顔が近づいてきた。

 私に強引にキスをしようというつもりなのだろう。

 だが、私は逆に男の鼻に噛み付いた。

 男が悲鳴を上げ、体を起こす。

 押さえられていた腕が自由になる。

 警棒を取り出し、男の側頭部を殴打する。


 私がSさんとキスしたのは、コンビニを出ようとする少し前だった。

 自分はこれから死刑になるだろうから、と私を拝み倒してきた……そうだったか?

 どう表現したらいいかわからないが、とにかく私はSさんから、お願いされたのだった。

 もちろん。こんなお願いされるのは、生まれて初めてだ。

 これからも二度とないだろう。

 Sさんは震える手で私の肩をつかみ、ためらいながらも実行した。

 私は心臓の音が相手に聞こえないかと心配になった。

 だが、Sさんのほうが私以上に緊張していたようだ。

 ちなみに、この映像はコンビニの防犯カメラに映っていて、テレビで流された。

 Sさんが私に強制的に猥褻な行為をしたという証拠として、放送された。

 私の顔にはモザイクがかけられていた。


 警棒が男の頭に当たり、男はアスファルトに突っ伏す。

 私は立ち上がり、背中に警棒で一撃。

 そして肩口を蹴飛ばし、拳で顔を殴る。

 しかし男も私の服をつかみ返す。

 私と男はもつれ合ってアスファルトに転がる。


 居間で父がテレビを見ていた。

 教育テレビで、教育の問題を取り上げた番組を見ていた。

「部活か。くだらないことに必死になって……。どうせ一生続けていく気もないくせに」

 部活に時間を割くより、勉強すべきだと続けた。

 そのすぐ後、父は私を見つけた。

「何をしている!」

 私はすぐに自室に戻った。

 この前のテストのことで、まだ怒っているのだとわかった。

 数日前に返ってきたテストの平均点は85点ほどだった。

 他の人たちはどう思うか分からないが、父は開口一番

「何だ、この点数は! この点でいけるところがあると思うか!学校で何かあったとしても、普段から勉強していないから、こうなるんだ! 順位だって下がっただろ! 問題が簡単になって、回りも必死になってやっているのに、怠けているからだ!お前の姉を見ろ! こんな点を取ってきたことはないぞ! もっと欲を出せ! 結果が出なければ、頑張ったことにはならないんだ!」


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