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L3 killing of genius "H"  作者: 迫田啓伸
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0話

福岡県宗像市に住む迫田啓伸は自動車工場で働く一方、趣味の小説を書いて暮らしていた。

迫田には友人は少なく、当然彼女なんてできたことがない。小説も最近ではネタ切れらしく、原稿用紙の前で、頭を抱える日々が続く。

そんなある日、迫田の住む『蓮華荘102号室』の隣に若い女性が引っ越してきた。

彼女は氷高里緒といい、弁護士だった。

そして、迫田の幼馴染であった。迫田自身は彼女のことをすっかり忘れていたのだが……。

里緒は引っ越してきた当日に持ち込まれた依頼を解決した。

そして、迫田は里緒をネタに小説を書くことにした。


この話は迫田そして氷高里緒、そしてその他大勢の客員による法律を使ったコメディ、あるいは、活劇である。


 今年の一月、とある殺人鬼が射殺された。

 テレビの報道によると、その殺人鬼はコンビニ強盗に入り、店員一人を人質にした。

 最初は店員と店の客の計五人だったが、客は解放された。その後、殺人鬼と店員は二人きりでコンビニの中にいた。

 テレビはその様子をつぶさに中継していた。膠着状態になって、何の進展もないときには殺人鬼のこれまでの犯罪歴を流していた。

 犯人と警察が連絡を取りあったときなどは、新たな情報として流れた。

 事件が解決したのは、その日の夜だった。俺は明日の朝が早かったため、早く寝なければならなかった。

 しかし、その時には間に合った。

 殺人鬼は人質の店員と一緒に出てきた。

 警察は殺人鬼に一斉に銃を向けた。殺人鬼は拳銃を投げ捨てた。そして、店員を後ろから抱くと、解放し、警察の前に歩かせた。

 これで全て終るのか、と誰もが思ったことだろう。しかし、殺人鬼は背中にもう一丁の銃を隠し持っていた。しかもそれは、かなり大きな銃だった。テレビカメラから遠めに映したものでも、よくわかる大きさだった。

 あとでこの銃が『S&W・M500』という名称だとテレビの報道でわかった。

 殺人鬼がその銃を出したとき、警察隊……いわゆるSATは発砲した。

 初弾は殺人鬼の頭に当たった。

 殺人鬼が倒れても、撃ち終らなかった。コンビニのガラスはすべて割られてしまい、テレビからはしばらくマスコミ関係等の悲鳴と、銃声しか聞こえなかった。

 店員の女の子は腰をぬかし、アスファルトに座り込んで震えていた。殺人鬼の肉体は次々と弾丸で貫かれ、ぼろ雑巾のようになって、地面に横たわった。

 それが殺人鬼の最後だった。

 その殺人鬼は俺の地元、福岡県宗像市で大きな事件を起こしていた。

 しかも、その場所は俺の実家のすぐ近くだ。実家には何の被害もなかったのでほっとしたが、彼個人が起こした犯罪の規模の大きさに、俺はあっけにとられてしまった。

 とはいえ、殺人鬼が死んだことで、安心したのは変わりない。

 号外の配布がテレビに映っていた。街頭インタビューでは殺人鬼の死に、市民は喜んでいた。

 彼がいかに稀代の極悪人であるかを証明するみたいに、数日間、テレビで特集が組まれた。

 彼は『殺しの天才、S』と呼ばれていた。

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