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一章♢ ありがちな前世の記憶? 05

「ええ。ですから、私たちの償いなのです。自己満足と言われても仕方のないこと。」


「こうして五柱揃えたのも、儂らが集まるように五月蠅く言うたせいじゃ。」


「アタシは面白そうだったから来てやっただけ! あとほら、アンタの魂の異変に気付いちゃったのはアタシだし?」


「僕はこの騒動の結末を見たかっただけだよ。」


「私はぁ、アクアエリオスに五月蠅く言われたからぁ……じゃなくてぇ! ほらぁ、サラちゃんは可愛いし? で、でもなくてぇ……ちゃぁんとお詫びしなくちゃってぇ。」


言葉の途中でアクアエリオスにギロリと睨まれたエーテルコラが慌てて言い直すが、今更だと思う。このエセ女神がまともではないことは前世からもう分かりきっている。

ふぅと思わず溜息をついてしまうと、エーテルコラがビクッと肩を竦ませてしょんぼりと首を垂れた。


「サラちゃんに嫌われちゃうの、嫌だわぁ……。ライラちゃん、怒らないかしらぁ。」


「お母様が知ればまぁキレるでしょうね……お父様は、それ以上に。」


ライラ、とは私「サラ」の母のことだ。母はとても美しい人で、なんとこの神様──エーテルコラの加護を持つ。

エーテルコラは美しいものが好きらしく、母のことをとても気に入っているのだ。母から聞かされる話では、かなり優遇された加護なのだとか。


「クロウドちゃんもぉ!? うぅ、どうしましょう……」


あわあわと身悶えするエーテルコラを、アクアエリオスがいい気味だとばかりに鼻で笑った。父、クロウドもかなり容姿端麗なので、エーテルコラはかなり焦っているようだ。

ここまで面白い反応だとすると、文献にあった「空を司る神エーテルコラは主に加護を与える際女性体で出現し、美しく聡明であるものに加護を与える。その加護は光魔法の物が多く……」と言う言葉通り、本当に美しいものが好きなのだろうな。


「んん、失礼しました。記憶の定着は終わりました?」


「あ、はい。もう痛みもありません。でも、大丈夫なんですか? 魂に情報を残しすぎると、次の自我が崩壊する事が……って、さっきフレイア様が仰っていましたが……。」


「あ、そこはダイジョーブ! ほんとに必要最低限だけ残したから、もう『丸ごと』は思い出せないでしょ?」


自身の発言を取り上げられた事が嬉しいのか、にこにこっとしたフレイアが答えてくれる。神様なのに、喜怒哀楽が分かりやすい方だな、なんて。不信心だろうか。


「特に前々世は、零れ落ちたモノを掻き集めたものですし……かなり、大雑把なところしか残っていないはずです。前世も、細かなところは忘れてしまったかと。」


アクアエリオスにそう言われ、前々世について思い出そうとしてみる……と、なるほど。死んだ理由やその直前の事、風景や思い出が残っているようで、その中身はすかすかだった。

かなり久々の更新になってしまいました、、気長にお付き合いいただけると幸いです。

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