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外から来た人  作者: 八代 一二三
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外から来た人たち

「変な出来事」


兄貴!


どうした?


仕掛け罠が壊されて、誰かが俺たちの獲物を持っていったようですぜ…


そんなはずはない。決まり事を破る奴はいないよ…


でも、この罠の仕掛けを壊してる跡と獲物の血や毛なんかが散らばってるやありませんか?


うん…(助蔵の言う通りだ…おかしい⁈、ちょっと隣村の長老たちに伺いに行こう…)

とにかくだ、このことは公にせんどいてくれ。くれぐれもな。


へい…(皆、不服そうにうなずく)


そうして、銀一族はその場を去り、村へ帰った。


猟帰りの助蔵は家について直ぐに怪訝そうに、大きな声で、おい、キヌ!、おっかぁー!聞いてみろよ!最近、山が変だで…獣がおらんくなったようだし、仕掛けも荒らされとる。


あの新しい人たちが来てから、全くおかしくなりましたね…


キヌ、それは言っちゃいかんよ。わしりゃ、同じ人間だて、あの人たちもそうだて…そんなことする訳がねー!


でもね、あんた、山里のこっちでも変なことあるよ。


あ〜


わしらの畑から育ち盛りの野菜がほられおんねん。隣のマキさんなんかは、大事なニワトリやブタがいなくなったでよ…ねー、おっかさん。


あ〜!マキさんとこはこの村の代々の獣の肉をやってなさんじゃ、そんなことあるのか⁇


だからさ、あの新しい人たちの仕業じゃないかって…


どういう意味だね?


あんたも分からない人だねー…盗みだよ、盗み!


待て?お人様をそんな風に疑ったちゃいけねーよ。この村、また隣村、群でそんなことあった試しなかろーが!わしら助け合って代々、平和に生きてきたんや!同じ人間がそんなことする訳ねっ!


でもねぇ…あんた…そんな話もあるって事だよ!


おっかー、どうなんじゃ?


(無言)


キヌ、おっかぁー、もういい!


助蔵は考えた…女の食い物関する、いやいやそんなもんじゃなくて、村の生き方の丸っこく囲まれた狭い土地の流言というやつが、流言じゃなく、重くずっしりと漂い、それが大事に至ることがあるってことを…ましてや、おっかーのあの無言の表情には説得力がありすぎた。明日、銀兄に聞いてみようか?いや、そんなこと聞いたら、人として…やめとこう。




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