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転生ドラゴンの魔法使い~魔法はガチでプログラムだった~  作者: 喰寝丸太
第7章 国境のドラゴン

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第44話 時計魔法

 俺は街の外壁の外でお留守番だ。

 ミニア達は街で宿を取っている。

 ミニアは俺と寝たがったが、空模様が少し怪しい。

 一雨きそうだ。

 俺は街の外で寝そべっていた。

 鞍はもちろん着けたままだ。

 ドラゴンは基本、腹ばいで寝る。

 背中には翼があるもんでな。

 道行く人は必ず俺を一瞥してから通り過ぎる。

 鞍が付いているのを見るとなぜか安心する。

 飼われているという事が重要なのだろう。


「おう、小麦また値上がりだってな」

「何なんだろうね。最近の物価は」


 夫婦連れが通り過ぎた。


「荷がまた奪われたらしいぞ」

「聞いたよ『幻影盗賊団』の仕業だってよ」

「姿が見えないらしいよ」

「それじゃ討伐もままならないだろう」

「困ったもんだ」


 商人の一向が通り過ぎた。


「手はず通りに」

「ああ、分かっている。リトワースの名の下に」

「しいっ。誰が聞いているか分からないんだ。その名前は出すな」


 覆面をした三人組が通り過ぎた。

 あの三人は見覚えというか臭いに嗅ぎ覚えがある。

 教習を受けた時に一緒だった。


 こんな遠くまで依頼を受けて来たのかな。

 ご苦労な事だ。

 そう言えばリトワースの名前が出ていたな。

 完全治癒の呪文を書いた人がそこの宮廷魔法使いだったな。


 妙な縁だ。


 隣国の名前はトナークだったな。

 隣国のスパイという訳ではないんだな。


 見えない盗賊団ねぇ。

 認識阻害を使っているのかな。

 打ち破る方法も編み出しておかないとな。


 まずは俺を認識阻害して。

 組み立てた魔法のイメージはこれだ。


void main(void)

{

 system("dir /AH > 魔法名"); /*認識阻害の魔法名鑑定*/

}


 簡単な魔法だ。

 『/AH』に対する魔法文字を総当りで割り出す。


 一人で過ごす暇つぶしとしては最適だろう。

 夜になり雨が降り出す。

 雷が近くに落ちた時に俺の魔法名が伝言として送られてきた。


 分かった『/AH』に対する魔法文字は『メチク』だ。

 これで認識阻害を丸裸に出来る。

 俺は認識阻害を解き丸まって眠りに入いろうとした。

 雨が俺の身体を洗い流す。

 今日も沢山魔法をコレクションしたな。

 ドラゴンとしての本能が満足感を伝えてくる。

 幸せな気持ちで眠りに入った。


 朝になり辺りはすっかり晴れ渡っていた。

 今何時だ。

 そう言えば実行出来ない魔法の中に時計と思われる物があったな。

 いっちょやってみますか。


char *timeget(void)

{

char s[256]; /*データを連結する領域*/


s[0]='\0';

strcat(s,get_hour()); /*時間を連結*/

strcat(s,":"); /*:を連結*/

strcat(s,get_min()); /*分を連結*/

strcat(s,":");

strcat(s,get_sec()); /*秒を連結*/


return(s); /*データを連結した領域を出力*/

}


 おお『strcat』、魔法語だと『トカスソチカ』これは使える。

 でもこの人はなんでこんな面倒な事をしたのかな。


void main(void)

{

 printf("%s:%s:%s",get_hour(),get_min(),get_sec());

}


 とこうすれば良かったのに。

 時間データを何か他の事に使いたかったのかな。

 確かにタイムスタンプを入れるのはたまに発生する処理だ。

 まあ良いや。

 良い物が判明した。


 なんで喜んでいるのかというと。


void main(int argc,char *argv[])

{

 char s[256]="dir > "; /*データを連結する領域*/

 strcat(s,argv[1]); /*外部入力した魔法名を連結*/

 system(s); /*魔法名の鑑定結果を送る*/

}


 魔法名鑑定のイメージはこのように進化する。

 前の知識だとオーダーメイドでないと魔法名鑑定の魔道具は作れない。

 つまり今回のは誰にでも使える魔法名鑑定の魔道具が作れるって事だ。

 これなら売り捌いても売り逃げすれば捕まる危険性は少ない。

 まあやらないけど。



 俺の所にミニアが来た。

 何でも穀物を輸送する依頼を受けたとか。

 タルコットがこの依頼を強烈にプッシュしたらしい。

 領主の覚えがめでたくなるから、やっておいて損はないと。

 いや、ここに定住するつもりはないのだけど。

 ブライシー騎士団の情報を領主なら持っているかもしれない。

 やっておいて確かに損はない。


 輸送作業はあっと言う間に終わった。

 アイテムボックス様々だ。

 街道脇で佇んでいるとミニアと偉い人の一団がやって来た。


「おお、これが噂のドラゴンか。雄々しい出で立ちだな」

「無敵」


 偉い人にミニアが説明する。

 失礼な事をしないかひやひやする。


「ここだけの話だが。秘密裡に輸送依頼を受けてくれないか。もちろん今度は陸を馬車でだ」

「なぜ」

「『幻影盗賊団』をおびき寄せたい」


 伝言魔法でどうするって聞かれたので、受けろと返した。


「受ける」

「そうか、そうか。頼んだぞ。なに、失敗しても構わない。空荷でいくからな。その替わり兵隊は積んでもらおう」

「分かった」


 今度は護衛依頼か。

 これで報酬に情報が聞ければいいのだけど。


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