第11話 SIDE:ミニア 街で
私はミニアで元奴隷。
ウィザのために魔法の情報、頑張って集めるぞ。おー。
まずは服をなんとかしないと。
私は婦人服専門店に入った。
私ぐらいだと子供服専門店なんだけど、許して。
背伸びしたい今日この頃。
婦人服の専門店には背の低い人用の服が並んでいた。
黒っぽい色のシャツに豹柄のロングスカート。
そして、グレーのカーディガン。
大人っぽく決めたつもりなんだけど、ウィザ気にいってくれるかな。
これで私にメロメロって。ないわね。
ウィザが猪を獲って振舞ってくれた時にズギューンって来たわ。
初めての恋は報われないって言うけど、私、大きくなったらウィザのお嫁さんになるって決めたんだ。
どうやったらドラゴンと結婚できるかな。
やっぱり魔法かな。
魔法でドラゴンに変身。
がおー。
ふざけていないで野外活動用の服を買ったら次に行きましょ。
魔法の知識を得るなら魔法ギルドよ。
魔法ギルドは街の真ん中の大通りに面した所に建っていた。
盗賊に売られる前に一度来た事があった。
門番に会釈。
余裕の表情で分厚い木のドアを開け中に入る。
でも内心はビクビクものよ。
カウンターのそばに寄り話し掛ける。
「魔法。習いたい」
「初心者でしたら、ちょうど講習をやってます。銀貨三枚です」
「よろしく」
お金を払い教室に入る。
中は冒険者でごったがえしていた。
「さぁ、座って。授業を始めます」
講義が始まった。
「魔法の起源についてお話します。魔法の起源は分かっていません。俗説では古代王国が発祥とされています。今皆さんが使っている魔法は古代王国の遺跡から出土したものです」
なぜか眠くなってきたわ。
催眠の魔法を使っているんじゃないわよね。
話が魔法の注意事項に移る。
起きなきゃ。
「魔法には魔法コストがあります。無理に持っている魔力以上の魔法を唱えると気絶です。最悪の場合、死にます。注意して下さい」
うん、覚えた。
説明は続き。
「魔法改造は禁忌と言われるほど危険になっています。なぜか分かりますか。そこの人答えて下さい」
教師が指を差した人が立ち上がり答える。
「暴走の危険があるからです」
「そうです。ファイヤーボールの射程を延ばそうとしてランダムに動き自爆したなんて話がよくあります。絶対しないように」
教師の話は続く。
「禁忌はまだあります。許諾なき隷属魔法は禁忌です。研究するのも極刑です。覚えておくように」
帰ったらウィザに注意しましょ。
ウィザが危ない事をしないように私がしっかりしないと。
お話を聞いていたら、また眠くなってきたわ。
おやすみなさい。
「以上で講義は終わりです」
終わりの合図で目が覚めた。
少しだけどウィザにお土産が出来たわね。
教室から出ると壁に魔法コストの一覧が載っているのに気がついた。
攻撃力の少ないファイヤーボールと極大魔法だけ覚えればいいわよね。
うん、覚えた。
突然知らない女の人に話し掛けられる。
話し掛けた人は長い金髪で胸はない。
勝った気がする。
剣を持っていないからきっと魔法使いだわ。
「あなた、ドラゴンの子よね」
失礼なウィザの子供ではなく友達よ、友達。
「違う。友達」
「どっちでも良いわ。私は『光輪の鋭刃』の『連撃のリタリー』よ」
「ミニア」
「ドラゴンにとっても興味があるのよ。会わせてくれない」
むっ、ライバルか。
ここは断るか。
いやいや嫉妬深い女は嫌われるって奴隷仲間が言ってた。
「都合。連絡」
「あなたの魔法名は」
「モニミニチ」
「よろしくね。一応私の魔法名も教えておくわ。『スニカカイスン』よ」
『スニカカイスン』、『スニカカイスン』、覚えた。
私は出来る女。
リタリーは去って行き、私はお腹が空いたので、露店を巡る。
そうだわ、ウィザにも食べ物を持っていってあげましょ。
ついでに毛布も買ってウィザと一緒に添い寝したいわ。
ウィザの元に戻る。
ウィザは服の事を褒めてくれない。
まったく女心が分からないんだから、失礼しちゃうわ。
「宿に泊まらなくていいのか」
「うん。ウィザ、友達。一緒」
一緒に寝ると宣言した。
顔が火照ったのが分かる。
きゃ、恥ずかしい。
ウィザが丸まったのでその中にすっぽり入る。
大胆すぎたかしら。
串肉をウィザの口の中に入れてあげる。
あなた。あーんなんて。きゃ。
肉を気にいってくれたみたい。
やっぱり男なんて色気より食い気よね。
胃袋を掴むと良いなんて奴隷仲間が言っていたわ。
また、美味しい物を買ってきましょ。
突然、ウィザの雄叫び。
照れ隠しかしら。
「なあ、何がしたい」
会話の魔法でウィザが話しかけてきた。
お嫁さんて答えたいけど、ぐいぐい行くと嫌われるから。
ここは無難に。
「ひょうけんひゃ」
あら、やだ。私としたことが。
「食べ終わってからで良いぞ」
やさしいのね。
ではさっきの事はなかった事にして。
「冒険者」
お腹が一杯で眠くなってきたわ。
魔法の事を早く伝えないと。
頑張れ私。
お、や、す、……。




