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初心者から始める竜の飼い方  作者: 木常あめ
2/2

2日目

王国竜騎士団で所属する竜達は500体を超え、竜種も20を超える大所帯である。


その飼育、調教、繁殖を一手に引き受けるのが第四部隊、育成課。

他の部隊、特に戦闘を専門とする隊からは〝雑用係〟との蔑称で呼ばれる事もある。


彼らは戦場には赴く事はなく、日がな一日、竜と共に生き、竜の世話をする事を職務としている。


だが、竜の中には夜行性の種族もあり、実際の戦場には行かないが、彼らの日常もまた、一日中が戦場なのだ。


そんな第四部隊育成課に所属しながらも、前任の飼育係の痕跡を探る事。それがクリムトの任務である。


では、ここで王国竜騎士団、第四部隊の日常を覗いていこう。



竜舎の朝は早い。


空が白み出すより先に、竜達は目覚める。


第四部隊の朝は、まずは朝食の用意からはじまる。


草食竜、肉食竜、雑食と、多種多様な竜種の生育や好みに合わせて食事を提供していく。


そして竜舎の清掃、竜達の体調管理、水龍達の沐浴までを行い、一息つく頃には、既に太陽が真上に来ている。


息つく間もなく昼食を与えて、運動をさせる。

戦闘用の竜には個別に設けられた訓練メニューがあるので、散歩や運動、戦闘訓練を行う。


その際にも調子を見て、成長度合いを確認しなくてはならない。


性格に難のある竜は、調教や矯正もメニューに組み込まれる。


訓練を終える頃には、すっかり日が暮れているが、まだ彼らの一日は終わらない。


今一度、竜舎の清掃と夕食の準備である。


竜達の夜の営みを管理するのも仕事の一つ。

より良い竜種を生み出すために、優れた竜の交配、繁殖も仕事に入る。

逆に増えすぎても良くない。

繁殖期を見極め、相性のよいパートナーと同じ竜舎にするのだ。


と、一日の流れを見てもらっただけでも分かると思うが、まともに寝る暇もない〝雑用係〟である。


望んでこの隊に配属される者は少なく、望まない者も当然いる。


多くは、元は戦闘部隊で活躍していたが、肉体的、精神的に戦闘ができなくなってしまった者や、そもそも戦闘に不向きな者。

家業で畜産を行なっていた者なども優先して配属される。


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