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 そんな話をしているとあっという間に城の裏の雑木林に着いた。

 前のように念のため樹の陰に隠れながら、王子より先に行くかどうかを相談していた。

 昨夜は場所をつきとめるために後をついて行ったが、今夜は場所も知っているし、その必要はないのではないか、とジャックは言う。

「もしかしたらここで待っているオレらを探すかもしれないし」

 その可能性は否定できない。昼間のミナへの態度を見れば、尾行されるのを阻止しようとするはずだ。

「そうだね。すでに城内で私たちのこと探してて、いないって気づいてご立腹かも」

「だとすると、ここにいるのは得策じゃねーな」

 そんなわけで二人はさっさとその場をあとにし、昨夜と同じクラブの前に来ていた。そして頭を悩ませていた。扉の前にはまたあの門番の大男がいる。

 あの人に密告されたのだから、できれば彼には見つからずに突破したい。また告げ口されて、最悪怒り狂った王子……いや女官に解雇されたらたまったもんじゃない。せめてクスリの正体を暴いてからでないと。

 そしてなるべく正攻法でいきたい。騎士の娘と騎士見習いが賄賂とか脅しとか卑怯な方法は使いたくない。今回はジャックもそう思っているらしく、二人で考え込みながら反対側の歩道の植え込みの陰に身を隠していた。

 すると、クラブと隣の建物の間に、ひと一人が通れる程度の隙間があることにジャックが気がついた。あの道を入って、別の出口、あるいは窓から侵入できないだろうか、と提案される。

「う~ん……」ミナは迷った。

 もし別の出口が無かった場合、窓から室内へ入ることになる。が、見た目ほどお転婆ではないミナはそんなことしたことがないので少し不安に感じ、躊躇ってしまう。

 しかし今のところ他に方法がないし、ジャックが先導してくれるのなら大丈夫かもしれないと思った。うん、それならなんとかなりそうだ。ミナは不安は残るものの、了承した。

 是非早速その案を実行したいのだが、そのためにはまず男の目を逸らす必要がある。

 何かないかと周りを見回していると、ふと、男が動いた。彼は周囲を一瞥すると建物の中へ入っていった。

 ――!

 チャンスだ。

 二人は顔を見合わせ頷くと全力で走って道を横切り、例の暗く細いわき道に入った。第一段階は成功。大きな樽や割れた瓶、ボロボロになった革靴やほこりまみれの雑誌などによって足場は障害物だらけで前に進むのには苦労したけれども。幾度もバランスを崩しそうになり、壁に手をつくと、昼間の老婆女官を思い出してしまい、ミナは苦笑した。

 夜に紛れ、慣れた調子でサクサクと先を行くジャックが角を曲がった。一メートルほど後ろにいるミナは、早足になって後を追おうとした。しかし、あと少しで曲がるすんでで、姿が見えなくなったジャックの「おわっ!?」という声が響いてミナの歩が止まった。

「……ジャック? どうしたの?」

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