表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/12

木にのぼって降りられなくなっていた仔ネコをコボルトの少年が救助~~~樹歴375年、9月19日

樹歴じゅれき375年、9月19日となりました。

本日も、ワタクシが異世界ニュースをお届けいたします。


解説はみなさまもお馴染みの


「俺だ」


よろしくお願いします。


では、トップニュースです。



~~~木にのぼって降りられなくなっていた仔ネコをコボルトの少年が救助~~~



コボルト族の少年が、木にのぼって降りられなくなっていた仔ネコを救助したという、たいへん心温まるニュースです。


「チっ」


あの? 今、舌打ちしましたか?


「な~~~にが心温まるニュースだ。そもそも何でコボルトの領内テリトリーに猫が居るんだ? 連中は50年に及ぶケットシーとの戦争で、領内テリトリーの猫という猫をケットシーどもに送りつけたはずだろう?」


そういえば、そうでしたね。

おかげで、コボルト族の領内テリトリーではネズミが大繁殖していると聞いたおぼえがあります。


「う~ん? なにか引っかかるな」



るんるん気分でお散歩をする。


コボルトの街っておもしろい!

ワタシたちケットシーの街とはぜんぜん違う!


楽しくて嬉しくて、尻尾がピンと垂直に立ってしまう。


ばあやや護衛と一緒だったら、こんな風に自由に街を歩けなかったわね。


ワタシは館を抜け出して来たのだ。

口うるさいばあやは、まだワタシがベッドに寝てると思い込んでるだろう。


コボルトの女の人たちが井戸端でお喋りをしている。


こういうところはケットシーと同じなのね。


興味深く観察していると、逆に女の人たちに注目されていることに気がついた。


あら? まさか、ワタシがケットシーの姫だってばれた?


そんなはずないか。


疑念を笑い飛ばす。

だって、今のワタシは服を着てないんでもの。


ケットシーは10歳までは、普通の猫と見た目が変わらない。

服を脱いでいるワタシは、コボルトには何処にでもいる猫に見えているはずなのだ。


気のせい、気のせい。


お散歩を再開する。


グルルルル!


通りの角から、野良犬が飛び出した。


ぎゃあ!


ダッシュで逃げる。

野良犬がヨダレを垂らしながら追って来る。


にゃあああああああ!


ワタシは間一髪、大きな木に登った。


野良犬が気の周りをウロウロしてる。


バーカ! バーカ!

おし―リ、ペンペンなんだから!


しばらくすると、野良犬は諦めたのか何処かへ行ってしまった。


ふう。

危なかったわ。


と、ワタシは気づいた。


地面が遠いのだ。


これ…どうやって降りよう



樹歴375年、9月某日


長らくの戦争に疲弊しきっていたコボルト族とケットシー族は、休戦協定を締結するため、コボルト族の交易都市で交渉を重ねていた。


その都市には両族の交渉役のほかに、敵意がないことを示すためにもコボルト族は王子を、ケットシー族は姫を同行させていた。


同年、9月20日


難航していた休戦協定が、電撃的に成立。


そして平和のままに10年が過ぎた、ある日。


コボルト族の王子とケットシー族の姫が密会を重ねていることが両族の王室にもたらされる。


誰が。

どのようにして。

何を目的に。


いまだ両族の不和は根深い。

そんな折のスキャンダルだった。


王子と姫は聴取され、事実が確認されると、大急ぎで2人の仲は裂かれたのだ。


間もなく。

コボルトの王子は、公爵家の娘をもらった。

ケットシーの姫は、子爵家へと降嫁された。


そして、長い長い年月が経った。


樹歴425年


コボルト族とケットシー族は親密だった。

既に戦争を体験していた世代はほとんどが世を去っていた。


とある街がある。


初めてコボルト族とケットシー族が力を合わせて拓いた街だった。


そんな街の外れに、仲のいい老夫婦が住んでいる。


とても仲のいい。

コボルトのお爺さんと。

ケットシーのお婆さん。


2人は寄り添うようにして、小さな家に住んでいた。

まるで、長らく会えずにいた恋人同士のように、むつまじく。

すみません、火曜日に投稿できませんでした。

ちょっーと、持病を患ってしまいまして。

我ながら面倒くさいことになったもんだと思ってます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ