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僕らはみにくいアヒルの子
みにくいアヒルの子という物語を知っているだろうか?
アヒルの巣に産み落とされた白鳥の雛が兄弟のいじめに耐え、やがては美しい白鳥へと成長する過程を描いた作品なのだが、僕はこの物語が大嫌いだった。
誰にも理解されず、親にまで苛まれて、それでも懸命に生きた白鳥は聞きようによっては美談かもしれないが、あの物語において白鳥は本当に報われたわけではない。
理解されない苦しみは僕にも覚えがあり、結局は報われない結末を迎える白鳥のように自分も同じ末路を辿るのではないだろうかという不安から、当時の僕は絶対にああなりたくないと強く決意した。
あれから時は流れ、僕はもう一羽のみにくいアヒルの子に出会った。
まったく正反対の性格をした二羽の白鳥が苦悩し、それぞれの生き方を探していく。
――これは、そのスタートラインに立った二人の物語である。