詩っぽい 箱 作者: 井坂 鮎 掲載日:2015/07/26 僕は黒い服と白い服に囲まれていた。 誰も僕のことはみてくれない。 存在していないと錯覚してしまうくらいだ。 鉄の箱がいつも通りにやって来る。 暗い地面や明るい地面から目をはなし その箱を見る。 箱に穴が開き、みな歩を進める。 こうやって、人は収容されていき、遠いどこかへと運ばれていくのだ。 行き先はどこだろうか。 僕はひとりぼっちになった。 当たり前のように、 乗っていた箱が、 円を描いて滑っていくのを 久しぶりに見送った。