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プロローグ
もう既に私は限界でした。
これ以上堪えることは出来ません。
戦略的撤退とさせて頂きたいと思います。
書き置きを残して窓から飛び立ち、目指すのはこの世界に古くから存在している遺跡。
やり方は何度も禁書を読み返したので知っております。
遺跡の大広間にある魔方陣に捧げるのは、対価。
そして―――。
後から考えても、
この時の選択は最善だったに違いありません。
何故ならば、私はそのおかげで最愛の方に巡り合えたのですから。
今思えうと、あそこから逃げ出したことも必然であったのでしょう。
そう言いましたら、笑いながら同意して下さいました。
『違いない』