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カラカラと馬車が走る音に耳を澄ましながら私はぶっすとした顔を隠せない。

私は今、お母様、お父様と一緒に王都へ向かう馬車の中にいた。


「全く、あいつはいつもこちらを驚かす」


お父様は呆れたような、戸惑うような複雑な感情を込めたため息をつく。


「あらあら、でもおめでたいことですわ。塞ぎ込んでいたあの子がやっと前を向いたのですから」


お母様はにこにこと楽しそうに手を叩いている。


「まぁ、そうだな。………あれからもう、五年経つのだからな。もうあいつも未来を見つめてもいい頃だ」


「ええ」


ほのぼのと微笑みあう万年新婚夫婦。………子供の前で堂々と口付けを交わすのはおやめください。目のやり場に困ります。こちとら普通の十歳よりも精神が発達しているので非常に居た溜まれないのですが。


なにこれ?両親のラブラブをなぜに見せ付けられなければならないの?


「あの………おとうさま?おかあさま………」


「あなた………」


「ふっ………おまえは可愛いらしいな………」


「そんな、あなたこそ格好良すぎで惚れ直してしまいますわ」


駄目だ!周囲なんぞ目に入らないほど二人の世界になっちゃってる!!


イチャイチャラブラブうふふあははは。馬車の中はピンクな空気一色。


正直に言おう。辛い。いたたまれない。はずかしぃぃぃぃぃぃぃぃ!!


目的地に着くまでこの苦行は続いた…………。耐え切った私はとても偉いと思う!

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