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異世界に召喚されましたが、国王陛下が頭を下げてお願いしてきます!

作者: 瀬尾 桜

ご覧頂きありがとうございます。

よくある異世界召喚ものからの展開です。

楽しんでいただけたら嬉しいです♡

「もう打つ手は打った。最終手段を使うしかない」


ここ王城では国の重鎮達が毎日と言っていいほどの頻度で集まり会議をしていた。

毎度行われるのはとある一人の男について。

その男の名はシュバルツ。マンジュラ公爵家当主である。彼は幼い頃、両親を事故で失ったと同時に公爵家を引き継いだ。魔力量が高く、その上魔法の才能もある。きっと彼が本気を出せば国一つは灰と化すだろう。

魔法の才能がありその上、公爵家当主ともおかれる人をなぜ問題視し、会議の議題に出すのか。それは彼の5年前からの行いにあった。5年前のとある日突然公爵邸で暴れ出し、いつもは抑えていたはずの魔力を解放し屋敷を灰にした。それ以来何度も暴れ出し屋敷を灰にするまではいかないが屋敷をぼろぼろにする。周りの領民に被害が出らことはないが、彼を止めるために王宮から遣わされた魔術師は皆、怪我を負い帰ってくる。

また、時に美しい娘を見繕い公爵邸に送ったこともあった。だが、結果はいつもと同じく彼は収まらなかった。なんならいつもより強い魔力で攻撃してきた。その魔力を受けてしまったご令嬢は大事には至らなかったがその恐ろしさから数ヶ月間領地に引っ込み寝込んでしまった。

王国一の魔導士でも彼の魔力は封印できない。そこで王はこの国の成り立ちにも関わっている聖女なら彼の魔力を封印できるのではと考えた。

この国は異界から召喚された聖女が魔王をやっつけ、作られたとされている。魔王を倒せるほどだ、きっと彼の魔力を封印することもできる。

聖女を召喚するための儀式に使う魔力を貯めるのに4年ほどかかったが、それも今日で終わり。

今、玉座の間に転移の魔法陣が描かれていく。

古語でできている呪文を唱えてあとは転移を待つだけ。


「マンジュー・サックラモチー、マンジュー・サックラモチー、ワープワープー…」


ピカっと僅かな光が見えたと思った瞬間、城全体が光に包まれ一人の少女が姿を現した。


「きゃっ、まぶしっ。な、なにっ?!」


「おぉー!!!成功だー!聖女様がお見えになられた!」


「えっ、えっ?ここどこ?」


「聖女殿、突然で驚いていられることでしょう。少し説明させて頂きたく。その前に名前をお聞きしても?」


「ええっと聖女ですか?私が?あっ、すみません、私の名前はモチヅキサクラと申します。えっとこれって異世界召喚的なやつですか?」


「そうです!これはお話が早い!実は我がスウィーティー王国では、「えっ!!ここってスウィーティー王国?!じゃあ、もしかしてシュバルツもいる?!」」


つい先程まで困惑していた少女が前のめり気味になり、驚いた国王は一瞬フリーズしてしまったが少女が読んだ名前にこの場にいる全員が同じことを思っただろう。


「シュバルツ公爵を知っておるのか!!!彼は5年前から暴走し始め世界を脅かす存在になってしまったのだ!頼む、聖女殿彼をどうにかしてくれー!」


「あのぅ、もしかして、もしかしてなんですが、5年前と言うと第1王子殿下が立太子された年でしょうか?」


「ん?そうだな。やはり聖女殿は我が国を知っているのか?」


どうしてそんなことを聞くのだ?とでも言いたそうな顔で国王は尋ねた。


「あぁー!やっぱり、やっぱりね!」


「やっぱり?どういうこ「ごめんなさーい!!!」」


「ちゃんと、責任を持って対処させていただく所存です!!」


「そうか!聖女殿には策がおありなのだな!心強い!」


なんだかよくわからない国王だが、すぐにでも公爵をどうにかして欲しいので後回しにすることにした。


それからすぐに王宮の馬車で公爵邸まで向かうことになった。まさかの国王陛下もついて来た。


マンジュラ公爵邸は今日も今日とて荒れていた。公爵は人が近づくとさらに暴れる。聖女殿のサポーター要員として数多くの魔術師を連れて来たためこれまで以上に危険だ。


「聖女様、あちらに見えるのがマンジュラ公爵邸です。公爵邸につきましたら、私たち魔導士が準備を整えるまで馬車の中で待機していてください。」


一緒に乗っているのは女性の王宮魔術師二人。どこか、緊張した面持ちで恐怖を隠そうと必死だ。


「んー、それはお断りかな。シュバルツ、もう近くまで来てるし、このままじゃみんな危ないから私がいくね。」


「えっ?!それはいけません、聖女様!!待ってください!」


まっすぐ走っていく少女の動向に皆が釘付けになる。

暴れていた公爵に近寄り、サクラは後ろから飛び、抱きついた。

皆がまたもや同じことを思っただろう。終わった、世界が壊れる、と。女の顔を見るだけで余計暴れたのに触れられて何も起きないはずがない。


「シュバルツ!ストーップ!!」


そう言いながら飛びついてきた桜に気づきすぐさま振り向いたシュバルツは桜と激突した。

ゴンッ!


「……っ!!ごめんシュバルツ、大丈夫?!」


「サクラ!サクラだよな!」


「あっうん!サクラだよ?私のこと忘れちゃっ「忘れてない!サクラのこと一瞬足りとも忘れたことなんかない!ごめんね、サクラ。俺が悪かったんだ。もう二度とあんなことはしないから…もう俺の前から居なくならないで…」」


「シュバルツ…確かに貴方が悪かったけど紛らわしいことをした私も悪いわ。ごめんなさい…だからおあいこにしましょ?」


「そうだね、君はそういう人だ。ありがとう、サクラ。」


そのまま甘ーい雰囲気になり、2人の影が近づいて…


「ちょっと待ってくれ!!」


国王陛下に邪魔された。

我に返ったサクラは周りにはたくさんの人達がいるのを思い出し恥ずかしくなってシュバルツの胸に顔を埋めた。邪魔されて最悪だが、照れた桜も愛おしいシュバルツは普段の様子からは想像もできないほどの満面の笑みだ。


「それで、なんですか?俺たちの感動の再会を邪魔して。」


公爵にギロリと睨まれた国王はたじたじになりながらも喋り始めた。


「どういうことなのだ?サク…聖女殿と再会というのは…」


「それは「私からお話しましょう。」」


「サクラ?俺から言うよ?」


「いいえ、ここは私が。シュバルツは絶対話を偽りますわ。運命とか付け足すつもりでしょ?」


「えっ。そんなつもりは…少しだけ…」


「ほらね。では、私から。

私は6年前、急にこの国に来たのです。転移という形でしょう。それもマンジュラ公爵家に。それから色々あってシュバルツと恋人になりました。そこは割愛させていただきますね。そして、1年経ったある日私はシュバルツの誕生プレゼントを選ぶために色んな方に質問して回っていたんです。それがダメだったんです。シュバルツが1部だけ見て私が他の男と密会をしているように見えてしまったんです。それで…」


「ここからは俺が話そう。サクラには辛いだろうから。

部分的に見て勘違いした俺は嫉妬に駆られてその男を魔法でを殺そうとした。近くにいたサクラに当たりそうになっていたことにも気づかないくらい俺は周りが見えていなかった。そしたら、サクラは魔法を跳ね返したんだ。今なら分かる。あれはサクラが聖女だったから防御魔法が発動したんだろう。でも耐えられなかったのか、サクラはこの世界から居なくなってしまった。それからは陛下の知っている通りサクラが居なくなってどうすればいいか分からなくて物に当たる毎日です。」


「な、なるほど。では、今は仲良しということであってるか?」


「もちろん。俺たちはずっと仲良しですよ。」


隣では顔を赤くしながら頷く桜。

今照れるところあったか?そう言いかけて公爵にギロリと睨まれやめた。


「そ、そうだな。では、聖女殿は公爵に保護を頼むことにしよう。」


「何言ってるんですか陛下。保護だなんて。俺たちは結婚しますよ。今すぐにでも。」




追伸

桜side

シュバルツは宣言通りすぐに私と結婚しました。私の補助をするために来ていた中には大司教もいたのでその場で行いました。

なんでも聖女と結婚したい人は多いので、1日でも早くしないと私が取られるかもと心配だったみたいです。

シュバルツのこと、大好きなのにまだ心配する?

「まぁ、そんな貴方も好きだけれど。」

ボソッと呟いたのにシュバルツには聞こえていたみたいです。勢いよく抱きつかれました。

重いですよ。私がつぶれちゃいます。

これからはずっと隣にいさせてくださいね。

ほかの女の所に行ったりしたら許さないんだから。

私も貴方に負けず愛が重いんですから。



「ねぇ、シュバルツ。さっき一緒にいた人だれ?もしかして浮気…」

「違う!さっきのはこの前君に治療して貰ってお礼を言いたいけど、直接は恥ずかしいから手紙を渡してくれと言われただけだ!」

「あっ、そういうこと。ごめんね疑って。最近小さなことでも気になるようになっちゃって。」

「そうなの?大丈夫?疲れてたら休みなよ?」

「違うの、実は私たちに家族ができるのよ!」

「…え!……っサクラ!ありがとう!愛してるよ!」

「あら、私も愛してるわ。旦那様。」



「異世界に召喚されましたが、国王陛下が頭を下げてお願いしてきます!」完

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