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第七話『拡がる希望の輪』

「二度目の幸せプロジェクト」は、智樹の整体院と村上獣医の動物病院との連携により、保護犬たちが新しい家族とともに幸せな生活を送る手助けをする活動として、少しずつ地域に浸透していた。


SNSではプロジェクトの影響で、多くの飼い主が自身の体験談をシェアし、保護犬に対する関心も高まっていった。



智樹はこれまでの活動が軌道に乗ってきたことを実感し、さらなる発展のために日本全国の保護団体や動物病院と提携し、遠方の保護犬にも施術を提供できるネットワークの構築を目指すことにした。


この取り組みが実現すれば、地域を超えて多くの保護犬が新たな生活を手に入れる希望を持つことができる。



そんなある日、智樹の整体院に一通の手紙が届く。


それは、以前智樹の施術を受けた保護犬「ルナ」の新しい飼い主からの手紙だった。

手紙には、ルナが家族と共に幸せに過ごし、散歩や遊びを楽しんでいる様子が詳細に書かれていた。


そして、ルナが初めて智樹に会ったときの不安げな顔から、今ではすっかり信頼を取り戻した表情を見せるようになったこと、そしてその笑顔が家族にとって何よりの宝物になっているという感謝の言葉が添えられていた。



「あなたの施術が、私たち家族に新たな幸せを届けてくれました。本当にありがとうございます。」



手紙を読みながら、智樹の胸に熱いものがこみ上げる。

自身の手技が、犬たちとその家族に「二度目の幸せ」を届けているという実感が、ますます深まっていく。



プロジェクト拡大に向けた新たな挑戦


智樹は、プロジェクトを全国規模に拡大するため、まずは近隣の動物病院や保護団体に直接連絡を取り、ネットワークを広げ始めた。


また、プロジェクトに賛同するボランティアの整体師や、施術に興味を持つ獣医師たちとの協力体制も整えていく。



智樹は、彼らに「二度目の幸せプロジェクト」の理念と、犬と飼い主に幸せな時間を届ける施術の重要性を説明し、ボランティアの整体師たちには保護犬の整体に必要な技術を指導することにした。


特に、犬の骨格や筋肉の構造、リハビリのための施術技術、そして犬がリラックスしやすい施術の流れについて、丁寧に教えていく。



全国の保護団体や動物病院と連携することによって、智樹の施術がより多くの犬たちに届くようになり、プロジェクトの活動がさらに認知されていく。


特に、保護犬たちが心身の健康を取り戻し、飼い主との絆が深まる姿がSNSや地元ニュースで取り上げられると、プロジェクトは広く注目され、多くの支援が集まるようになった。


ある日、智樹の元に訪れたのは、重度の障害を抱えた保護犬「リリー」だった。


リリーは過去の事故で骨盤を損傷し、後脚の動きに制約があるため、歩行が困難な状態だった。


リリーの飼い主は、何度もリハビリを試みたが、うまくいかず、智樹の施術に最後の希望をかけていた。


智樹はリリーの体の状態を確認し、まずは骨盤の損傷により不自然な姿勢を強いられている筋肉をゆっくりとほぐしていくことにした。


骨盤の周囲に張り付いている筋肉は、損傷から守るために硬直し、周囲の筋肉とのバランスが崩れているため、施術を通して少しずつ整えていく。



まずは骨盤周りの筋肉を温め、緊張をほぐしながら、後脚の筋肉の可動域を徐々に広げていく。


リリーは最初、少し痛がる様子を見せたが、智樹の穏やかな手の動きに次第に安心し、体をゆだねるようになっていった。


さらに、歩行を補助するために、智樹は飼い主に自宅での簡単なストレッチ方法も教えた。




施術を繰り返すことで、リリーは次第に自分の力で立ち上がり、飼い主のもとへゆっくりと歩いて行けるようになっていった。

その様子に飼い主は涙を流し、「リリーとまた歩ける日が来るなんて…」と智樹に感謝の言葉を伝えた。



プロジェクトがもたらす「二度目の幸せ」


「二度目の幸せプロジェクト」は、智樹の想像を超えるほどの反響を呼び、全国から多くの感謝のメッセージや支援が集まるようになっていた。


保護犬の施術によって救われた飼い主たちがSNSに投稿するたびに、プロジェクトの活動はさらに広がりを見せ、犬と人との絆を結び直す場として、多くの人々に感動を届けていた。



そして、智樹は自らの手で築いたプロジェクトが、多くの犬と飼い主に「二度目の幸せ」を届けていることに改めて感謝し、自分の施術が果たしている役割に誇りを感じていた。



「施術を通じて、一匹でも多くの犬が幸せな生活を送れるように…」



智樹の夢はますます大きくなり、彼の施術はこれからも犬と飼い主にとっての「二度目の幸せ」を届けるものとして、拡がり続けていくのだった。



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