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第五話 新たなる挑戦

智樹は、SNSで広がる感謝のメッセージを目にするたび、施術が犬と飼い主の「二度目の幸せ」を作り出す手助けになっていることを実感していた。


海外のオンライン講座で新たな知識を得た智樹は、日々の施術にその技術を取り入れ、さらなる進化を遂げつつあった。


ある日、智樹の元に動物病院の村上獣医が再び訪れた。

かつては整体に懐疑的だった村上も、智樹の施術を受けた犬たちが健康を取り戻している様子を目にして次第に理解を深め、今ではお互いの知識と技術を補い合う存在として協力するようになっていた。


村上は智樹にある相談を持ちかける。


動物病院でリハビリを続けている老犬のゴールデン・レトリバー「ベル」が、筋力が衰えて歩行が困難になっているという。


飼い主も献身的にケアを続けているが、年齢による筋肉の萎縮が進み、歩くことも辛くなっていた。


村上は、智樹の施術による筋肉へのアプローチがリハビリの一助になるのではないかと考え、共同で治療に取り組みたいと提案する。


「村上さんが私を信頼してくれるなら、精一杯やらせてもらいます」


智樹はその言葉を胸に、ベルの施術に取り組むことを決意した。


数日後、村上獣医の病院で、智樹はベルと飼い主に対面した。


ベルは年齢の影響で後脚が衰え、歩行時には前脚で重心を支えざるを得ない状態だった。


そのため肩や胸の筋肉がこわばり、姿勢も崩れがちだった。

智樹はベルの体の動きをじっくりと観察し、施術の方針を慎重に立てた。


まずはベルの後脚の筋肉にアプローチを始めた。後脚の筋肉は、年齢とともに萎縮して柔軟性を失い、硬くなっていたため、まずは軽く温めるように触れ、ベルの体が緊張を解くのを待った。


ゆっくりとした円を描くようにマッサージを施し、血流を促進させることで、筋肉に再び柔軟性が戻るよう心がける。


次に、智樹はベルの膝関節と股関節の可動域を広げるために、軽いストレッチを取り入れた。


ここでもベルの反応を細かく確認しながら、無理なく関節を伸ばし、後脚全体が少しでも動かしやすくなるように意識して施術を進めた。


ストレッチにより筋肉が解放され、少しずつ柔らかさが戻っていくと、ベルの表情も徐々に穏やかになっていった。


続いて、村上から提案されたリハビリを取り入れた「動的ストレッチ」を試みることにした。


智樹は飼い主と協力し、ベルが軽く動くたびに後脚の筋肉が自然に使われるよう、バランスを取りながら少しずつ歩かせる練習を取り入れた。


少しずつ、後脚がしっかりと地面に着き、前脚だけにかかっていた負担が軽減されていくのが分かる。


最後に、智樹はベルの背骨に軽い矯正を加えた。姿勢が安定することで歩行時のバランスが取りやすくなり、体全体の負担が分散されるようにするためだ。


施術が終わると、ベルは慎重に立ち上がり、一歩一歩ゆっくりと歩き出した。その姿を見た飼い主は目に涙を浮かべ、「もう一度ベルと散歩に行けるかもしれない」と感謝の言葉を智樹に伝えた。


村上獣医も、智樹の施術の効果を目の当たりにし、信頼を深めていた。


「あなたの手技が、リハビリにこんなに効果を発揮するとは思いませんでした。ぜひ、これからも協力させてください」


智樹は村上と握手を交わし、犬の健康を支えるためにお互いの技術と知識を活かし合う決意を固めた。


村上の提案で、今後は動物病院と共同でリハビリプログラムを提供する計画が立てられ、智樹の施術がより多くの犬と飼い主に「二度目の幸せ」を届けるきっかけとなった。


その後、智樹の施術がSNSで再び話題になり、動物病院と共同の取り組みについての投稿が多くの人々にシェアされるようになった。


飼い主たちは「#二度目の幸せ」「#愛犬のリハビリ」などのハッシュタグで感謝のメッセージを次々と投稿し、智樹と村上の取り組みが全国に広まっていく。


智樹の整体院には、リハビリを必要とする犬と飼い主がさらに増え、彼は施術とリハビリを通じて「命の大切さ」を再認識し、日々の施術にますます情熱を注いでいく。 



智樹は、施術を通して自分自身も癒され、救われていることに気づき、改めて「二度目の幸せ」の意味を深く実感するのだった。

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