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造られた世界(仮)  作者: マグ
最終章・世界を超えた刺客
44/44

本物の水神

ーーーーー本物の水神ーーーーー







ーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー








結界は破壊したが、ここから先一人で行く訳にも行かないので拠点に戻ろうとする。すると、そこに突然何処かに行っていた邪神が現れ

「お疲れ〜♪さっすがボクのマグ君だね〜♪」

相変わらずベタベタとくっついてくる邪神を振りほどいて

「今更何の用だ。ってかあの時何してたんだよ」

突然消えたので契約の呪いで死ぬのが怖いのかと思ったが

「あれ、気づいてなかったの?アレ第三者が当たらないようにしてたんだよ、攻撃」

まさか気づいてないとはね〜と言ったような様子で

「...そうだったのか、すまん何もしてないとか逃げたとか言って」

別にこいつに謝る必要とか一切ないが

「ふふん、ボクにかかれば瞬殺だよ〜♪」

自信に満ち溢れた様子でそう言う。

そしてある程度そんなことを続けていると。

「マグ君。話があるんだ」

珍しく真剣な顔をしてマグにそう言う

「...なんだ。珍しいな」

真剣な顔をするのが余程珍しいと思ったのか話を聞こうとして

「...ボクと一緒に、"原初の世界"に来て欲しい」

原初の世界。マグやリリスの現実、黒鎌がいた世界、れいやまみゃ達の世界、この世界全ての元である原初の世界。全てはその世界から派生されていると言われているが...

「それはまたなんで?」

今原初の世界は関係ないと言った様子だ。そもそも原初の世界は遥か昔に絶対安全が確立されて、俺が特に行く必要は無いはずなのだ。というか行っても役に立たないはずだ。何故こんなに原初の世界に詳しいのかと言われれば、そこに知り合いがいるとしか説明ができない。

「...ボクは悔しいことに、あまり大きなことは起こせない。」

マナは歴史が大きく変わるようなことは出来ないので向こうのマグを倒すことが出来ない

「でも、マグ君は大きなことを成す権利がある。」

つまりはこうだ。原初の世界で力をつけろ、と

「あの二人、凄い強かったけど、多分この世界の水神はそれ以上だよ。今のマグ君じゃ、とてもじゃないけど勝てない。」

2人というのは恐らくれいとまみゃだ。それよりも水神が強いのは同感だ。

「じゃあつまり、原初の世界で力をつけろと?」

マグがそう言うとマナは指を鳴らして

「ピンポーン♪そういうこと!」

マナが原初の世界へのゲートを開く

「時間がもったいないし!早速行くよ♪」

マグの手を引っ張ってゲートに入っていった。







そしてそのゲートを出ると至って普通な森に出た。でもその森でさえ幻想的な風景だと感じざるおえない位、綺麗だった。

此方で過ごしてる時間向こうでの時間が気になるところだが、基本的に原初の世界から派生された世界の方が時間の進みが遅い。なので原初の世界での2年は大体れいやまみゃ達の世界で言う2ヶ月程度である。

「初めて来たな...」

話には聞いていたが、実際に来たのは初めてだった。

「うーん、ボクもここに来るのはほとんど初めてみたいなものだよ。」

マナは来ることはあってもほとんど"天界"にいる為、下のことは分からないようだ

「とりあえず森を抜けないとな」

そう言ってから前に歩いていくと物音がして

「は?」

するとマグの背丈2つ分くらいある熊が茂みから出てくる。

「グォォォォォォ」

熊が雄叫びを上げて此方に突進してくる。

「熊かよ驚かせやがって...霊気解放!霊王斬!」

高く飛び上がり霊気を纏わせた剣で熊の頭上から斬りかかろうとするも、熊の皮膚は固く、ビクともぜずにその拳を叩き込まれた

「ァァァァッ!」

「マグくーーーーーん!!」

かなり吹き飛ばされる。爪が出ていたら死んでいた。

「おい逃げるぞマナ!走れ!!」

痛みとかそんなんよりあの熊への恐怖があるようですぐに受身を取ってマナの手を取ると走り出して

「っははは!ばか力熊め!この速度には追いつけまい!!」

超スピードで走る。もちろんマナも走るだけで着いてこれる訳だが

「もう見えないよ?巻いたんじゃない?」

マナが後ろを確認すると居ないので安心したようで止まって

「ふぅ...なんなんだあの熊...化け物すぎるだろ...っあ」

安心して正面に歩き続けてると目の前に熊が居て

「...はぁぁぁぁぁっ!?」

また反対側へ猛ダッシュで走り出す

「おいおいここ何体熊いるんだよ!?」

また同じように爆速で走りながらマナにそういう

「こいつさっきのやつだよ!サイズも何も微塵も変わらない!」

マナも少し疲れてきたのか息を切らしながらそう言って

「じゃあこいつ俺らより早いじゃねぇぇかぁァァァ!?」

さらに速度を上げて走る

「てかマナ!お前この熊殺していいからどうにかしろ!!」

マグがそう言うとマナは「あ、そうすればいいか」と言った様子で立ち止まり

「ごめんね熊ちゃん!アルジェクト・ハイゼルト!」

熊の半径1mに結界を貼り、上空から超エネルギーの塊のレーザーが落ちてくる。クラリスが暴走した際にノアが結晶越しに使ったものと同じである。この結界は例えゼロポイント・アビスが当たっても壊れない。そして直撃し大爆発を結界内で起こす。

「ふふん!これがボクの力!」

どうどう?惚れ直した?と付け足すようにマグの方へ駆け寄る。しかしそのマグの顔は青ざめていて

「へ?」

恐る恐る先程の場所を振り返ってみる。

「グルアゥゥァァァァァ」

「傷1つ付いてなーーーい!!」

またさっきの構図に戻る。2人とも猛ダッシュし始めた。

「おいマナ!今の外したのか!?」

アルジェクト・ハイゼルトが直撃して無傷は想像しがたい。

「外してないよ!結界で囲んでたの見たでしょ!?」

マナは息を切らしながら声を上げてそう言って

「もうボクはダメだぁ...マグ君、ボクを置いて...」

速度が減速しているマナはそう言って

「ばっか!ベタすぎる展開すんな!」

マナを咄嗟に腕に抱えてはそのまま走り続ける

「マグ君ッ...」

マナはわざとらしく涙を浮かべる

「お前走れるなら自分で走れよ!?てか飛べばいいだろ!」

飛べば熊も来ないのに、とか思った。

「さっき試したけど飛べなかった!」

マグに抱えられながら熊との距離を見ながら

「やべぇ森抜ける気しねぇぞ!?死ぬ!死ぬ!こんなところで!熊に!」

マグもそろそろ息が上がってきている。

「熊に殺されるのは恥じゃない。弱肉強食、それが世界の理なのさっ」

「お前マジで置いてってやろうか!?」

「やぁだぁ!」

もうマグもスピードが減速してきている。マナはなんか余裕がありそうだ。

「戦うしかないのか!?」

「無理無理無理ボクのとっておき使っても無傷なんだよ!?」

「なんかねぇのかよもっと凄いやつ!」

「あるにはあるけど...!」

なんか出し惜しみしているようで

「なんでもいいからやってくれ!!」

うーんと唸りながらマナも決意を固めたようで

「わかったよぉ...行くよ!"紫薔薇"!」

マナの背中から薔薇が生え、熊へと伸びていく。これは世界的に破壊不能とされているため絶対に相手を貫けるものだ。

「グルォォォォオ!!」

熊が拳を薙ぎ払うとその薔薇は折れた。

「折れたぁぁぁ!?」

マナは声が掠れるくらい大声で叫んで

「なーにが破壊不能だバカ!熊に折られてんじゃねぇか!」

マグは息を切らしながらそう言う

「もうボク達熊の餌になっちゃうんだぁぁぁ」

マナのわざとっぽいその涙もなんかそれっぽく見えてきて

「いやっ...もうむり...」

走るマグの足が止まる

「マグ君諦めないでぇぇぇいきることぉぉぉぉ!」

ボコスカ背中を叩くマナ

「グルォォォォオ!!!」

2人を潰そうと拳を振り上げる

『あっ...』

その拳が当たる寸前、めちゃくちゃデカイ音が鳴った。骨が砕け散る音だ。しかし、マナもマグも痛みは感じない。

「"なんか魔力乗せたパンチ!!"」

超高速で飛んできたそいつは熊を一撃殴るとそれで仕留めてしまった。

「助かった...」

マグは安堵した様子で膝をつき

「危なかったな。迷い込んだのか?」

その男は此方を見ると驚いたような表情をした

「マグじゃないか!なんでここに?」

そう。原初の世界の知り合いといえばこいつ、伝説となった男。

「助かったよ。んで、今回はなんて呼べばいいんだ?」

毎回何故か呼ばせ方を変えてくるのでそう聞いては

「今回はクロで頼む。」

今回はクロと呼んでくれと頼まれたようで

「おっけークロ。助かった。」

するとマナが二人の間に入って

「えーっと...誰?」

クロをジロジロ見てそう言う

「俺はただの人間だよ」

『ただの人間は熊殴るだけじゃ骨砕けねぇよ!』

ない

同じことを同時に言う2人

「っはは、ツッコミさんきゅー。まぁ、俺のことは後に分かると思うよ。」

マナにそう言っては

「クロはこう見えてすごいやつだからな。失礼のないようにしろよ」

小声でマナに言って

「わかったよ、熊よりも怖いかもだしね」

にひひっと笑うと静かにクロについて行った。



「んで?2人ともこの世界には何しに?」

山をのぼりながら目的を聞くように

「ボクは破壊神に逢いに来たんだ〜♪」

マナの本当の目的を初めて知ったマグ

「聞いてないんだが!?」

「だって言ってないし。別にマグ君に地獄についてきて欲しいだなんて、言ってないよ〜♪」

来たくないなら一人で行くと言ったように

「へぇ地獄に。破壊神って言えば俺も知り合いだけど、なんか用があるの?って聞くのも野暮か。」

クロは少し気を使ってそう言う

「まぁね。ボクにだってプライベートはある。」

強がってるだけでほぼない。

「なら、魔界を通っていくのか?」

魔界はさっきの熊よりも強い魔物がうじゃうじゃしていることをマナに伝える

「うぇっ!?...うーん...」

頭を悩ませるマナ

「っはは、最近霧の大穴から地獄に行けるようになったんだ。暗闇恐怖症でもなければ地獄に直通で行けるぞ」


霧の大穴:数千年前にクロの魂が落ちた事によって形成された巨大な大穴。その底は未だ見えないが途中に地獄と繋がる道が発見される。


「なら大丈夫だね!ボクくらいの大丈夫だし!」

安心してまた強がるように

「んで、マグの方は?」

マグの目的も知りたいようで

「俺は...水神に会いに行こうと思う。」

するとクロは少し固まって

「...水神か。いいんじゃないか」

少し様子が変で

「どうした?なんか変だぞ?水神ってヤバいやつなのか?」

様子が変なので質問して

「うーん...別に心配はしてないんだが...まぁ多分大丈夫だ。」

質問には答えてくれないようだ

「なんかすっげー不安なんだが」

でもまぁ教えてくれないのでは仕方がない。

「ほい、ここが頂上だ。」

その山の頂上には破壊神、死神、蘇生神、天神の像、それと少し離れたところに、クロの像が建っている。

「像が建つほどキミは偉い人なんだね〜♪」

クロに対してそう言って

「あんまりジロジロ見るなよ、似てねーし。」

似てないと本人は言っているが、かなり似ている。

「それよりも見て欲しいのは破壊神だ。見た目が分からないと、見つけづらいだろ?」

破壊神の像を見るも形だけではよく分からない。

「左から破壊神マグジ死神ブラック蘇生神(天使)天神ホワイトだ。」

ブラック以外はあんまり話した記憶が無い。というか四神と話せることがおかしいのだが。

「それで、その先にいるのが、去年降臨なされた水神様だ。」

"去年"クロの心配がよくわかった。まだその神が幼いから心配だったのだろう。

「...なんかマグ君に似てるね?」

マナが像を見上げてそう言う

「見たところ女だろ?似てねーよ」

確かに顔の造形とかなんか似てる気がするが、性別は確実に女だ。

「えぇーでもマグ君可愛いじゃん」

「んなことねーよ」

そもそも可愛いと言われても嬉しくない。

「水神に会いに行くならここに行くといい」

クロに地図を渡され

「あぁ、ありがとう」

感謝して

「破壊神に会う方の奴は俺に着いてきてくれ」

マナを手招きして

「はいはーい。じゃあマグ君♪行ってくるね〜♪」

クロがマナに飛び方を教えて2人共飛んでいってしまった。

「さて、俺も水神様に会いに行きますかね」

そうして俺も山を飛び降りて教えてもらった飛び方で向かっていったのであった。
























人里離れた平原。ここに水神はいると言われたが...

「...居ねぇな。人1人も居ない。」

辺りを見渡すも、誰もいない

「クロのやつまさか間違った地図渡してきたのか?なにもねーぞ?」

地図を見て唸りながら歩いていると誰かにぶつかった。

「キャァッ!?」

声的に少女とぶつかってしまったらしい。

「すまない!」

地図をぐしゃっとしてその少女に声を掛ける。

「いったた...ごめんなさい、私の不注意です!!」

顔を上げる少女

『ってえ?』

2人とも同時に声が出た。

「...あれですね。なんか。」

言いたいことは分かる。

「あぁ...そうだな...」

「なんか私たち...似てますね?」

そう、性別身長以外はほぼ瓜二つだ。偽物とはまた違うもののそれでも似ている。

「えぇっとそうだな...って、そうだ、俺水神様を探してるんだけど、どこにいるか知らないか?」

現地民ならもしかしたら知ってると思い聞いてみて

「水神様...?それは現水神のことですか?」

口ぶり的に旧と現がいるのだろう

「あぁ。現水神様だ」

まぁ去年といえば現水神なのだろう。

「ならそれ私ですねぇ...」

...?

「...え?」

マグはその顔を凝視して

「私が...現水神です...」

なんか申し訳なさそうにする少女

「い、言われてみればたしかに像と一致してる...」

記憶と一致した。

「わ、私に何か用ですか?」

水神ということがバレるとわなわなとしだして

「...単刀直入に言うが、水神の力が欲しい」

「私が欲しいってこと!?」

「ちげぇよ!!」

よく分からない勘違いに即ツッコミを入れるマグ

「じゃ、じゃあどういうこと?」

こてっとした様子で

「旧水神は、水神の心とかいうアーティファクトを残しただろ?あれって水神の力を手に入れられるじゃないか。それみたいなのを授かりたいんだ。」

それを聞くと少女は理解したように

「なるほど...じゃあわかりました。試練は2つ!」

突然水神モードに入ったようだ

「おお急だな!?」

「まずは私と直接戦ってもらう!それで勝てたら2つ目の試験に行ける」

指を1本立ててそう言った。

「じゃあとりあえずまずはそこからか。」

剣を抜いて

「ひゃぅいあ!?け、剣使うんですか!?」

5mくらい離れて

「...ダメなのか?」

てっきり本気でやると思っていて

「いやいやいや死んじゃったらどうすんですかその剣私に刺さって!」

...この水神、とんでもないビビり説が出てきた。

「じゃあわかった。寸止めでなら使っていいか?」

「いや!ちゃんと当ててください!そうしないと認めません!」

「どっちなんだよマジで!」

優柔不断な少女にそう言って。

「さぁいいよ!いつでも!」

マグはその合図を聞くと走り出し単純に切ろうとするが水神が自信あり気な笑みを浮かべた瞬間、何かの波動を感じ取ったようにマグは動けなくなった。

「動けないっ!」

「貰った!」

水神は水の槍を上空に無数出現させるとそれをとんでもない速度でマグに落としてきた。

「お前刺さったらどうするんだよ!」

無理やり体をねじり全て避ける。

「覚悟しろよ!」

超スピードで少女に向かって切りかかろうとすると少女は目の前に水の盾を出して

「喰らえ!」

剣で盾を破壊しようとするが弾かれてしまう。しかし、盾に弾かれるのとは違う音がした。

《ぐぅぅぅ》

その音が鳴ると少女の頬は紅潮した。

「し、試練終わり!」

突然の終わりを告げられ

「もういいのか?まだ一撃も与えてないぞ?」

そもそも試練に落ちたかもしれないとも思って

「当たってないけど!試練2行くよ!!」

マグの腕を引っ張って

「おおぅ力強いな!?」

そうして引っ張られ村まで引っ張られたのであった。






















「あーむっ」

三色団子を頬張る少女

「めちゃくちゃ食べるんだなお前」

もう既に7本食べている。

「まだまだ食べますよ!」

まだまだ食べるみたいです。

「まぁいいけどさ。そういえば名前聞いてなかった。」

自己紹介お互いしてなかったなと

「えっ?私?私は"マg"...じゃないや、今は"マラ"だよ」

"マグ"と言いかけてやめた辺りでマグは察していた。

「..."俺も"マグだ。」

それを聞いた水神は驚いて団子をつまらせ咳き込み

「おい落ち着け」

背中を叩いてやり

「ふぅ...落ち着きました...って名前も見た目も一緒って...」

頭の中で整理しているのか指を頭の横でクルクル回して

「つまり、俺もこの世界の派生で生まれた...?」

自分が現実だったと思っていた場所はどうやら俺にとって本当は"現実じゃなかったらしい"

「ってことは私は君のお姉ちゃん、ってことですか?」

ぽわーんとした様子でマグを見て

「そういうことになる...のか?」

するとマラは目を輝かせ

「我が弟よ〜!!」

「わっ!?」

マグの頭を抱き抱えるようにして髪をわしゃわしゃとする。

「私弟欲しかったんだよね!お姉ちゃんはいるんだけど!」

撫でながらそういう

「やめっ、ちょっ...」

自分に撫でられている、という事実を再認識すると何も感じなくなった。

「可愛いねぇぇ」

自分に言われている。自分が自分に可愛いって言っている。これは何も感じなくなるとかじゃなくてなんか嫌だ。キャラ崩壊まっしぐらだ。

「あれ?マグ君と...マラちゃん!会えたんだね〜♪」

2人をまとめて抱きしめるマナ

「やめっ!離れろ!」

マナを押し返す

「はぁぁぁ!?えぇ!?どういうこと!?さっきまでマラちゃんの腕に抱かれてたよね!?ボクはダメなの!?お姉ちゃんよりマラちゃんのがいいの!?」

マナは焦ったように信じられないと言った様子でそう言って、マグはマナとマラを1回ずつみる。

「...マラ姉さんのがいい。」

マラと目を合わせて言う。

「"姉さん"!?ボクのことは1回も姉として呼んでくれたこと無かったのに!?」

その場に項垂れるマナ

「お姉ちゃん、マグ君に嫌われてるの?」

こてっとした様子で項垂れてるマナを見て

「許さない!ボクはマラちゃんをゆるさないからぁぁぁぁぁぁぁ〜!」

ぼこぼこぼこと軽く肩を叩く。

「ってか、お前地獄はどうしたの?」

マナがここにいるにしては早いなと

「いやー...ちょっとー...」

叩くのを辞めては目を逸らして

「怖くて?」

「やっぱり怖いんじゃねぇか!!」

「いや地獄とか怖いし!」

もはや茶番である。

「あれ、2人とも地獄に行くの?」

団子を食べながらそう首を傾げて言って

「うん。行くよ〜♪」

行くよね?みたいな視線がマグに送られる。

「はいはい。」

一応そう返事すると、マラが

「...お姉ちゃん心配だなぁ...」

ボソッとそう呟く

「...ダメ」

マグもそう呟く

今俺は自分を可愛いと思ったのか?いや、俺であって俺じゃないけど俺だよな?...なんか悔しい

「何がダメなの!?」

マラはそのつぶやきに対してそう言って

「いや...なんでもない」

目を逸らして誤魔化すように

「まぁいいけど、お姉ちゃんは付いてけないからね?マナお姉ちゃんと二人で仲良くできる?」

「母親かお前は」

「お姉ちゃんです!」

「あぁはいはい」

もうこんなやり取りがここに来てから何回目だろうか。

「でも、地獄に行くなら、というか試練クリアってことで〜!水神の力をマグ君に授けるよ!」

キラッと目を閉じて笑顔を作る

「っ......いいのか?ただ団子食べさせただけだぞ?」

ちょっと戦って力の差を見せつけられて団子を奢っただけだ。

「まぁまぁ細かいことは気にしないの!ほら目閉じて!」

その勢いに押され目を閉じると額に指が当てられて

「えーっと、「私の力、ここに授ける」っと」

「なんかダサくない?」

「まだ考えてないの!」

目を開けてそう言う。

「でもまぁ、ありがとう。姉さん。」

そう呼ぶ度にマナが唸り出す。

「ボクだって...ボクだって...」

なんか超小声でボソボソ言っているが聞いてないふりをして

「んじゃ、行くか地獄。姉さんもありがとう。向こうに帰る前に、また会いに来るよ」

するとマラの頬がまだも紅潮して

「...私ベタなのダメなんだよね」

ベタな展開がどうとか言う割には普通に好きなのも、俺に似ている。

「ボクの所には自分から来てくれないくせに〜!」

ブーブー言っている邪神は放っておいて地獄に先に歩いて向かっていくのであった。





























次回: 『マグ 覚醒』










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