7年前の想いを乗せて
ーーーーー7年前の思いを乗せてーーーーー
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そして時が過ぎて遂にれいが目を覚ます。
その目はれいの元の瞳だった。
れい)ん...私...
頭に片手をやり起き上がり
まみゃ)おはようれい。体調に異常はない?
トキ)あったら私と入院しようね!
家が病院のようなトキは家に誘うかのような当たり前さでそういう
れい)ううん、大丈夫よ。少し頭が痛いだけ。
するとれいは立ち上がって
れい)それと、状況はどうなっているの?
そう聞かれたので私は説明することにした。
そして長々と説明が終わりれいがおかしくなっていたことなども全て伝えた。
れい)悪魔...ねぇ。...心当たりがない訳でもないけど...
少し苦笑しながられいがそう言い
まみゃ)心当たり?
首を傾げそう聞く
れい)...ほら、"殺戮の悪魔"とか...
完全に忘れていたがそういえばそんな2つ名があったような気がする。
トキ)私はそれ知らないけどつまりマグのことでしょ?じゃあつまりれいはマグへのその1部の恨みが強くされて感情的に暴れてたってこと?
トキが考察してそう言う
れい)うん...多分そういうことだと思う。
と長々と話していると近い場所に強い光が放たれる。どうやらもう1人の誰かが暴れだしたようだ。
まみゃ)起きたばかりで悪いけど時間はないよ!行くよ!!
そうしてその光の方向へ走り出した。
そしてまた1人、建物の前に立っている人を見つけた。
それは遠目からも見てわかる。...ウィアリさんだ。
いつもと違いフードを外しており、少し俯いてるようにも見える。その姿は眺める分には可愛く思えた。しかしある程度近づくとウィアリさんもこちらに気づいたようだ。
その視線はれいと同じように私達を見ていない。
するとウィアリから途端に重い空気が放たれる。"制御不能"の衰弱ウイルスだ。
しかしまみゃとれいに耐性があることは分かっているがトキはどうだろうか。まみゃは確認するためにトキの方を見るがトキは当たり前かのようにそのまま歩いていた。
効かないことを理解したのかウィアリは何処からか鎌を取り出すと構える。その1連の動作には魅せられるものがあり、歴戦の猛者の雰囲気を醸し出している。
その後姿勢を低くし地を蹴ってこちらへ突進をしかけてくる。
ここは1番前を走っていたまみゃが防ぐことにする。
れいと違って武器自体が強い訳では無いのでナイフで受け止められる。
その時に聞き取れた。
ウィアリ)悪魔がいなければ私は...!!
それを聞き取ると同時に鎌を弾き飛ばしナイフをウィアリに向ける。
しかしその腕は捕まれ投げられてしまう。
れい)まみゃ!!
遠距離から弓を構えていたれいは矢を放つとまみゃに駆け寄り
まみゃ)大丈夫...!それにれい達はウィアリさんに手を出さないで...!私がやる...!!
その目にはウィアリただ一つを映し出し
トキ)...わかった。無理しないでね!
そして再度まみゃはナイフを前に突き出して
まみゃ)ウィアリさんは絶対に私が取り戻すよ
自信に溢れた笑顔を作ると再度突進する。
しかしウィアリは動かない。まみゃとの距離が10mを切った時にウィアリは術式を発動させた。
世界が毒々しい紫色で包まれる。
ここがウィアリさんの空間だと言うのは考えずともわかった。
そこに佇んでいるウィアリは禍々しいオーラを纏っており、目からは血が流れていた。
恐らくルマもこの空間に引きずり込まれたのだろう。
ウィアリは再度鎌を持ち直すと回転させ上空へ投げる。
その上空に投げられた鎌は巨大な魔力を纏うとこちらに向けて回転しながら飛んできた。
まみゃはそれを難なく回避するがしかしそれは実際はその鎌はトキに向けて放たれていた。トキもそれを難なく回避するがしかしそれには追尾性能が着いていたようで戻ってくる。
トキ)どうやら新技を試すチャンスみたいだね
トキは魔法を発動させる。今まで使わなかったのは使えないからじゃない。必要としていなかったからだ。しかし別に今回は攻撃魔法とかそんなのじゃない。物理と相性が良さそうだったから修得した魔法だ。それはつまり"反射板"ゾルリナが使っていた魔法だ。
1枚貼って上空に飛び勢いが落ちればもう一度貼って飛ぶことを繰り返し無限に続く空間の中超上空まで飛び上がり見えないところまで上がると斜め下に反射板を向け、鎌を跳ね返す。
その鎌はウィアリに向けて飛んでいく。
ウィアリはトキのことなど既に見ておらずその鎌は直撃こそしなかったものの頬を抉った。
ウィアリの頬から血が飛び出すとウィアリは手で頬を触り血が出ていることを目視する。
するとなにかに気づいたのか上空を見上げる。
すると上空からは拳を構えたトキが落ちてきていて。
ウィアリは鎌を手繰り寄せると上空で回しトキの攻撃を防ぐ。
まみゃ)ウィアリさんの相手は私だよ!!
トキが下がった後に再度ウィアリに向けて突進する。
ウィアリは鎌を再度持ち直すとまみゃのナイフと鍔迫り合いの形になる。
ウィアリ)私は...ネザーの王...!
先程まで無表情だったウィアリは睨みつけるような表情になり。
そしてウィアリさんの力に押し負け吹き飛ばされてしまう。
そして次にまみゃが瞬きした時にはウィアリはその場には居らず。
ハッとして後ろを見ると巨大な死神が鎌を振りかぶっており
まみゃ)必中攻撃...!
少しでも抵抗しようと上空へ飛び上がろうとするが無理なことは理解しており
れい)まみゃ!!ここは私がどうにかするから避けて!!
まみゃの前に出てそう言う
するとまみゃに有無を言わさずトキが手を引っ張り反射板で上空へ上がっていった。
その死神が振りかざした鎌は巨大で、未だまみゃとトキの位置にも届くくらいだった。れいはまだ克服の力を使えるほど回復していないが刀を生成しその鎌にぶつける。
重い。流石大技と言ったところか簡単に押し退けられる程ではなかった。れいが克服の力を使えていれば簡単に押し返せるのだがそうもいかない。だかられいは半覚醒状態なら使用できると考え刀だけに力を集中させその鎌を弾き飛ばそうとする。
れい)やぁぁぁぁ!!
なんとか押し返すことに成功した。しかし直ぐに鎌はれいの方へ再度戻ってくる。れいはまみゃ達が当たらないであろう場所まで飛んだことを確認すると光となって上空へ飛んだ。
一方その下では巨大な鎌が凄い音を立てて真下を通過しており
まみゃ)トキちゃん!!
まみゃはトキに合図を送るとトキはまみゃを勢いよく下へ放り投げる。
ウィアリの巨大化が解かれると真下に現れまみゃはそこに向けて急降下する。
落下中に術式を唱え、発動させる。
背後には巨大な深紅の魔法陣を生成し、それは時を刻むように回り出す。
まみゃ)"ネザーの王"は...私だよ!!
叫ぶようにそう言うと魔法陣が輝き、消えるとウィアリの足元に現れ、地獄の業火でウィアリを焼きつくそうと燃やし尽くす。
ネザーの王に伝わる大魔術で1度使えば硬直で最低でも30秒は動けない。
これでもしウィアリが倒れていなければ確実に殺られてしまう。
それから10秒が経過するが影は見えない。
私は一時も、炎の渦から目を離さなかった。
その30秒は何よりも長く、体感では既に2分以上経過しているようにも感じた。
25秒が経過する。最悪動けるようになってしまえばウィアリが立ち上がってきてもまだ戦える。
しかし、その時炎の渦の中に影が現れた。
まみゃ)まず...っ!
影ことウィアリは鎌を大きく振り炎を払うと右下に低く構え姿勢を低くしてまみゃに向けて走る。
目を瞑った。
硬直はまだ解けていないし、そもそもこの距離では避けられない。
しかし次の瞬間、痛みより先に言葉が聞こえた。
ウィアリ)...お主も成長したな...
その言葉が聞こえたと同時にまみゃの背中に地面に倒れた時のような痛みが走った。
それと同時に何かに抱きしめられるような、そんな感覚もあった。
ウィアリ)じゃが...わしの勝ちじゃ
まみゃがゆっくり目を開けるとウィアリは傷だらけの顔で笑顔を作りそう言った。
まみゃ)ウィアリ...さん...
するとウィアリは離れ
ウィアリ)...わしのせいで3人にはかなり大変なことをさせてしまったな。本当はこの罪を償うためにも一緒に戦いたいところじゃが...どうやらわしの魔力は底を尽きてしまったようでな...少しの間休ませてもらう...ぞ...
消えるようにまみゃの中へ戻る。
全員疲れ果てたように地面に寝転ぶといつの間にか空間が消えていて、元の世界に戻ってきていた。
それからどのくらいの時が過ぎただろうか。景色の変わらぬ牢屋の中では時間を確認する術もない。きっと3日も経っていないのだろうがその牢屋に閉じ込められてる時間は、明らかに長く感じた。時間が経つにつれ景色が変わらぬここでは精神が崩壊していく。傍から見れば今の俺は"死んでいる"
いっそ"死ねたら"楽だった。
俺がいなければこの世界は何も不幸が訪れなかったのかもしれない。
だからその罪を償って、"ここで終わりになればよかった"
しかしそんなことは叶わない。
足音が聞こえる。
またルマがやってくる。
もう声なんて出ず視線だけを向けて。
ルマ)...?どうしたの?マグ、最近元気ないように見えるよ?
知ってか知らぬかそう言って近づくルマ。
ルマ)...ぁあ、わかった、過去のこと、思い出しちゃった?
その声は狂気に満ちている。確かに過去を思い出してはいたが別にそれが原因では無い...
ルマ)私、マグのことならなんでも知ってるから、怖いこととか、悲しかったこととか、私になら遠慮なく話していいんだよ?
何を言っているのか理解ができない。
ルマ)お姉ちゃんは、そんなこと出来ないよ?
...別に求めていない
視線でそう伝える。きっと伝わっている。するとルマは嫌な笑みを浮かべる。
ルマ)...どうしても、振り向いてくれないんだ。
すると仕方がない、といった様子で目を合わせると一息置き話し出す。
ルマ)マグは"この世界の人間じゃない"事、私知ってるんだよ?
マグ)...!?
目を大きく見開く。
するとルマは手応えあり、といった様子で微笑みながら話を続ける。
ルマ)...マグは、沢山の世界を救ってきたんだよね。
...なんで
ルマ)...世界は救ってきたけど、その中ではやっぱり悲しい出来事とか、沢山あったよね。
......お前はそんな事知っちゃいない...俺以外に理解者なんて居ない......
ルマ)"リリスさん"だっけ?...悲しかったよね、仲間は全員倒れ、最後の最後に信頼してた仲間も、目の前で倒れていってしまった。随分と仲良くしてたみたいだし、相当辛かったんでしょ?
...なんでこいつがリリスのことを知っている...
ルマ)...それに、"ルカさん"も、目の前で死んじゃったんだよね。
ルカの事まで...なんで...
ルマ)今でも思ってるんでしょ?"あの時"自分がルカの言う事を聞かなかったから。言っていることを聞いていればもしかしたら死ななかったかもって。
なんで...
ルマ)可哀想だよね。私なら耐えられないな。
そう言って微笑むと次はといった様子で一息置いて
ルマ)...大切な仲間を守るために、魔王になって、そしてネットからの侵略を停めた。凄いことだと思うよ。
もう...やめてくれ...
ルマ).......でもさ。それからすぐに人間はマグのことを敵対視するようになって、大切な仲間でさえ、マグの事を敵対視したんだよね。自分が守りたかったはずの仲間が、人々が全員自分ことを敵だと認識しちゃったんだもんね。
頭が...おかしくなる...
ルマ)しかもその世界では1人でセゼルに挑んで、情けなく負けて、禁忌、つまり自分自身の魂と引替えにセゼルを殺して、その後の崩壊しかけた世界に現れた1人の勇者を...
...殺した。
ルマ)"殺した"んだよね。
...
マグの目からは涙が流れ、その体からは力が抜け、震えていた。
ルマ)まだまだ沢山、マグが経験してきた辛いこと知ってるよ?
なんで...
ルマ)そんな辛いことも全部、私なら受け止めてあげられるよ?
やめろ...
ルマ)誰にも知りえない過去を、私なら分かりあってあげれるよ?
それ以上は...
ルマ)怖かったよね。辛かったよね。でも大丈夫だよ。私が...
それ以上...言葉を発すな...
人の弱い所に付け込んで...最後に終わりの言葉を告ぐ。
ルマ)私が...守ってあげるから。
随分と早い到着だ。
もっと時間がかかると思っていたがそうでもなかったらしい。
私の方へ既に3人が歩いてきている。
まだ"準備"が終わっていないのに。
まみゃ)最後の一人は...ノア...なのかな?
回復魔法等を駆使し素早く体制をたち治した3人は最後の光へと向かう。
れい)そうね...でもノアが相手なら恐らく魔法を1度使えばもう何も出来ないはず...よね?
その一撃さえ防げればどうにかなると考え
まみゃ)でも私達7年前に3対1で負けてるんだよ?弱体化をくらったと言えど侮れないよ?
尽くボコボコにされた過去を思い出しながらそう言い。
れい)まぁ私達も強くなっているし、大丈夫よ。
そして人影が見えるところまで着いた。
れい)...いた。
最後の相手は予想通りノアだった。思ったより魔力が溢れ出ていない。重さを、感じない。
ノアもこちらに目を合わせてくるがまだ仕掛けてくる様子はない。
おかしい。ウィアリやれいの時なら既に仕掛けられていてもおかしくないのに...
するとノアが、口を開いた。
ノア)随分と、早い到着だね。
そう、それは冷静に、話し出した。
もしかしたらノアは操られていないのかもしれないと、希望を持った。
ノア)"悪魔"の仲間共
その言葉にハッとし、後ろに下がると先程までたっていた場所は燃え盛っていた。
"魔法を発動させた"つまりノアはもう魔法を使えない。
しかし次は上空から氷の槍が降ってきた。
れいの結界で何とか防ぐが、ノアが"2回"魔法を使ったことが異常事態だ。しかも結界も貼られている。
次に魔力弾が炎を突き破ってれい達を襲う。
その時に一瞬見えた。
ノアが手に持っているのは"魔石"だ。
予め魔法を閉じ込めて、発動させているのだ。
そんなことを考えていると魔力弾に被弾してしまい、魔力症を発症し魔法を使えなくなってしまう。
ノア)もっと本気で来ないと、すぐに終わる。
れいは次の瞬間弓をかまえ光の矢を放つ。
それは強い光を放ち輝いて、ノアの体を貫こうと光となり飛んでいくがノアの魔石による地形変動によって防がれてしまう。
まみゃ)こ、これ弱体化前とあんま変わらないんじゃ...
トキ)えーっと...私その弱体化前?って言うのとは戦ったことないから分からないけど...
そんな会話を交わしてる間にもれいは1人で走り回っていた。
そう、ノアのヘイトは何故かれいにしか向かない。
正しくはまみゃやトキが攻撃してこなければだが。
つまりノアはれいとの1体1を望んでいると、れいはそう解釈した。
そしてれいは気づく。左手に持っている魔石をずっと使っていないと。
先程から両手を使って素早く魔石を投げているのかと思っていたが実際は右手しか使っていないようで、左手は何かの魔石をずっと持っている。
克服の力が使えない今れいがまともに使える武器は弓くらいしかなく、あらゆる場所から光速で矢を放つがどれもノアの体に常時発動している"結界"を突破することが出来ない。
れい)ルミナスストライク...!!
ホーリーアローの派生技で、発動のディレイは少し長いが威力がかなり上がった弓技だ。
それは結界を覆うほどの光を放ってノアに放たれるがノアはそれに対して多重結界を貼り、自分の結界に届かせないようにした。
れい)守りが...強すぎる...!
次の瞬間れいの横をとてつもないスピードでトキが横切り拳をかまえノアに突進する。
結界を破壊すれば後はれいが何とかしてくれるはず。
これがまみゃとトキの考えだった。魔石には上限があるし、この調子でもし結界がなければ、持久戦で勝てると考えたからだ。
トキとノアの間が2m程になるとノアは少し嫌な笑みを浮かべると
トキのスピードが"果てしなく遅く"いや、"止まった"
トキ)しまっt...
トキの腹部にノアが蹴りを入れる。結界の反発力もあり、かなり吹き飛んだ。
周辺の時間操作の魔石を使用したようだ。
まみゃ)トキちゃん!!
ノア)...この程度。
れい)ノア!!
矢を手で持ちそれをナイフのようにしノアに攻撃する。
威力は確かだが一撃では結界を破壊できない。
しかしその矢を結界に刺すと
れい)ルミナスバースト!!
矢の先端から高火力の光属性の爆発を発動させ結界に重点的にダメージを与えた。
ノア)...!!
結界が破壊されノアは怯みながら下がる
れい)よし...!
次の攻撃をするために弓を構えたがついにノアの左手の魔石が上空に投げられた。
結界の貼り直しの魔石の可能性を考えたが、それは明らかに違った。
それは禍々しい魔力の光を放ち、この結界内の空気を重くした。
"頭が割れるような痛みが走る"
高濃度の魔力が結界内に充満し、その中にいる生物はまるで深海に生身でやってきた人間のように、水圧に押しつぶされるような感覚を味わうことになる。
耐性が一切ないまみゃとトキはその場に倒れ込み、れいだけが立っていると言った状況だった。
ノア)...私は落ちこぼれなんかじゃない。
私は理解した。この"魔石"の"意味"も。
何故今、ノアが魔石を使わずに魔法を発動させようとしているのかも。
あの魔石は......"魔力タンク"だったんだ。
無限の魔力を吸収し続け、無限を無限とぶつけそれを調和する。
それは長時間続けることによって、いずれその"呪い"は解かれる。
マグとノアがこんな話をしていたことを思い出した。
つまり今のノアは、"7年前と同じ"だ。
れい)...随分と乱暴なやり方ね
放たれた魔法を矢で貫きつつそう言う。
れい)たとえ今のノアがあの時と同じ強さだったとしても、今の私なら勝てる...!
れいは手を大きく振り上げ
れい)超破輪廻!!
結界を覆い尽くす術式を発動させる
ノアは結界で防ごうとするが高密度の魔力の塊には流石に対応できずに被弾。
ノア)手短に終わらせよう。
するとノアは何事も無かったかのように立ち上がり
ノア)影の真実
更に空気が重くなる。ノアの髪は黒く染まり、これもそう、7年前のノアの力だ。
つまり...つまり...
足が影に掴まれる。
そしてノアが魔力を込めた拳でれいの腹部に拳を叩き込む。
れい)ぐっ......
つまりめっちゃ強いということだ。
手も足も出ない。実際には何も成長していないでは無いか。
精霊の力に頼り、自分の力は一切成長していない?...そんなわけない。
結局このノアには勝てないのか?
でもここで負けてしまえば、王都も、何もかも全てが滅んでしまう。
背負ってるものが重すぎて、逃げ出したくなるほど...
"私はこの世界に必要だ"
ノアは虚空の終焉を発動させると辺りが闇に包まれる。
集中しろ...次にくる技は7年前と変わっていないなら...
ノア)冥夜の断罪
防御貫通の激痛がれいを襲う
れい)っ...!!
集中しろ...絶対に仕掛けがある...!
静かに刀だけを生成する。
ノア)冥夜の断罪
...ここだ!
真上に素早く振り払うと何かとぶつかった音がした。小さなナイフの形をした魔力だった。
ノア)っ!?虚無の咆哮!
周囲の虚空を振り払いれいに精神的なダメージを与えつつ大ダメージを与える。
れい)ノア!
半覚醒状態を維持しているれいは刀をノアに向けて振る。
ノア)そうだよ...私は"その"れいと戦いたかった...!
紫色に光る魔力の剣で防ぎ
ノア)誰よりも才能があって!天才の人間、れいと!
大声でノアはそう叫ぶ
ノア)天聖剣気!!
十字型に発動させる。れいはそれを剣で受け止めるが高密度のエネルギーの前では押し返すことも消すことも出来ない。
れい)...絶対に勝つ...!
防ぎながらもそう呟く
もう避けることも出来ない。
れい)天聖剣気は...!こうやって使うんだよ!!
れいの刀の刃は天聖剣気そのもののエネルギーとなり、その刃でノアの天聖剣気を弾き返すとその巨大な刀を右上から左下に振りかざした。
その時のノアの表情は笑顔だった。
そして勝敗が着いた。
しかし何事も無かったかのように全員の傷は消えている。
ノアも、そこに立っている。
ノア)勝てると思ったんだけどね。
その言動から、操られていないことがわかった。
れい)あれ...?ノアも悪魔への恨みを強くされて操られてたんじゃ...?
首を傾げそう問う
ノア)...私はマグに恨みなんかないよ。むしろ私は...ううん、なんでもない。
れいやウィアリには明確な恨みがあってあんなふうになっていたがノアは違ったようだ。
れい)じゃあなんでこんなことを...?
ノア)心のどこかではまだきっと、聖女になるべきだったのは私だって思ってたのかも。ここで戦ってしっかりと負ければ、その事実を完全に飲み込めると思ったんだ。
笑顔を浮かべてそう言った。
れい)...そっか。
ノア)だってこういう機会がないと、れいは本気出してくれないでしょ?
ノアは笑いながらそう言って、本気で戦ってくれたことに感謝した後
ノア)あとは正真正銘ラスボスだけだよ。マグと、そしてルトラを助けに行こう。きっと2人共無事で待ってる。
最後の敵の場所をノアが指さすと、そこに向けて歩き出した。
?)今日はやけに、騒がしい。
次回 "俺と俺"




