カゾク
カゾク
ーーー
ーーー
?)兄様
そいつがそう告げると俺の思考は突如停止した。そもそも俺に家族なんていない。この世界にも...元の世界にも...
マグ)俺には家族なんかいないぞ。お前も知ってるとおり、人造人間だからな
?)察しが悪いね兄様。
マグ)良い悪い関係なく事実だ。
相手に一瞬の隙が出来たので攻撃を仕掛ける
マグ)霊気解放!霊気弾!!
目の前に白い球体を作り出し?に向けて飛ばす
?)霊気解放改 霊線
?の指先から白い光線のような物が飛び出し霊気弾を破壊した
マグ)!?お前も霊気を扱えるのか...?
?)そうだよ。“家族“何だから兄様に出来て私に出来ない事なんて無いよ
マグ)だとしても信用できないな。
今こいつが使った技は俺には使えない。つまりこいつのが霊気力が強いんだ。だから恐らく俺の使用できるテンプレの霊気技は全て対策も使用も出来るだろう。ならば俺のオリジナルスキルを発動させれば一撃は決まるはずだ
俺は再度剣を構え直し
マグ)霊王斬!!
かなりの速度で突進し飛び上がり斬りかかる
しかしそいつは
?)霊気“変換“ 恨霊・呪
そいつが技を使用すると俺は空中に浮いたまま動けなくなった。
マグ)!?なんだこの技はっ...!?
?)兄様の実力なんてたかが知れてるよ。あくまで“初期型“何だから。
マグに近づき
?)霊気変換 炎霊 焼
マグの顔に人差し指で触れるとマグの体全体が燃え出す
マグ)っ!?
それと同時に拘束は解け地面に落ちるが体全体が燃えてる為HPが常に減り続けている。能力を発動させなんとか火を消すが手負いの状態で勝てる相手ではないのがわかる。それに逃げることも不可能だ。
?)兄様。今ここで諦めてくれたらこれ以上苦しい思いをしなくてすむよ
あくまでそいつは無表情で、俺に近づいてくる
どうせ何しても変わらないなら博打に出るしかない!
俺はゆっくりと立ち上がるとなにもない場所で弓を引くような形を作り
深呼吸をする
冷静に、少しでも手元が狂えば自分も殺しかねない。
?が6m辺りまで来た瞬間に叫ぶ
マグ)ホーリーアロー!!
叫ぶと何もなかった場所に光の弓が現れ既に弦を引いている状態になり放つ
この博打は聖女のDNAを俺しか持ってないという考えだ。この距離ならホーリーアローは必中。もしDNAが組み込まれていないならこの距離でこの威力なら確実に即死、運が良くても致命傷は避けられない。
?に矢が当たるまでの時間は通常の何倍にも遅く思えた。
?)なるほどね。つまり最後まで抵抗するんだ
いや、時間が長く感じたんじゃない。こいつは自分以外の時間を本当に遅くしていたんだ。
?)霊気解放改 結界
結界が半径15mで展開されるとホーリーアローは消え去り
マグ)っ!?
霊気に溢れた結界。これが何を意味しているかはすぐに理解した。この霊気は全てこいつの物であり自分の体からだけでなくどこからでも霊気技を発動させられるのだ。例えば俺の周りに複数の霊気弾を一気に出したり...とか。考えるだけで恐ろしい。しかし霊気には霊気をだ。ここが霊気で溢れているなら奪ってしまえば良い
相手と間合いを計るために一度距離を取ろうとする
マグ)霊気解放!超スピード!!
しかし発動しない
?)無駄だよ。ここは私の霊気で満ちあふれてる。兄様の霊気は私の霊気によって飲み込まれる。つまりここでは兄様は霊気技を使用できない
俺を絶望させるためか丁寧に説明する。
?)面白い物を見せてあげるよ
?がそう言うとマグの周りに白い小さい球体が大量に現れる
マグ)...そういうことだな
俺は神器 アルンソードを取り出す
?)そういうことだよ。大丈夫。殺しはしないから
告げ終わると白い球体から霊線が大量に飛び出してくる
俺はそれをアルンソードで全て切った
?)その剣凄いね。今の一瞬の攻撃を全部斬ったんだ。
あくまで剣を評価する?。
?)面倒だし、もう終わらせるよ
両手を上空に向けると
?)霊気変換 亡霊・呪
唱えると結界内全体が紫色に染まりマグの足下を見ると人の腕が大量にありマグの足やら手やらを掴んでいる
マグ)っ...動きにくい...
この霊気の結界内ではこいつの霊気変換は恐らく必中なのだろう。この結界内でなければ飛んでいればこんなものは当たらない。
?)あまり動かない方が身のためだよ
警告してくるが最後まで抵抗を続ける
?)...霊線
その言葉を最後に俺の意識は途絶えた
...っ
意識が戻ってきた。
目をゆっくりと開ける
そこに広がっていた光景は見たことない床に壁だった。
?)起きたみたいだね、兄様。
俺の顔をのぞき込むようにして言う
マグ)...お前は...
意識が完全に戻るとはっ!としすぐに逃げだそうとするが手足が椅子に縛られているため動けなかった
?)そんなに暴れないでよ。兄様はそんなに私のことが嫌?
マグ)嫌だな。一回も会った事ねぇ奴に対して家族だなんか言ってくる奴とは関わりたくない
あまり刺激しない方が身のためだがこの際もうどうでもいい。詰んでいる
?)酷いこと言うんだね。でもまぁ実際初対面だし、自己紹介くらいするよ
何か情報が掴めるんじゃないかとしっかり聞くことにする
?)私の名前はアルファルド
アルファルド...名前の意味は...なるほどね。
アルファルド)型番は自立思考スカルクセンサー02。兄様の一つ下だよ
俺の後継機らしいそいつは俺の一つ後に作られたらしい。
アルファルド)兄様の事はお父様から聞いていたから。
おそらくは俺達を作ったウォーデンの事だろう
と自己紹介をしている途中に部屋の扉があいた
シズムが助けに来てくれたのか?なんて希望は無かった。
クラリス)たっだいま~!
入ってきたのは化け物少女だった。
アルファルド)おかえりクラリス。ちゃんと兄様は捕まえたよ
クラリス)さっすが姉ちゃん!
駆け寄って俺のことをじろじろみる
クラリス)うんうん!やっぱりお兄さんがそうだったんだね!
こいつは一見ただの人間に見えるが...
マグ)...お前も人造人間なのか?
恐る恐る聞いてみる
クラリス)そうだよ、自立思考スカルクセンサー03。私のもでる?とかきばん?って言うのは人間に出来るだけ似せたらしいよ。よくわかんないけどね
通りで人間に見えるわけだ。そんなこと言ったらアルファルドも人間に見えるが...わかる人はわかるんだろうな...
アルファルド)兄様、一緒に地下都市に帰りましょう?
地下都市、と言うのはれい達と前に行った場所だろう。あそこには二度と行きたくない。
マグ)断る
クラリス)えー!?即答!?お兄さんの体のあっぷでーと?も出来るんだよ!?
マグ)興味ないな。何されるかわかったもんじゃない
アルファルド)まぁまぁクラリス、落ち着いて。兄様もそんな急に言われてもって事だよ
お前ら頭の中ハッピーセットか?
クラリス)なるほど~まぁお兄さんを連れてくのは戦争を終わらせてからでも良いしね~
アルファルド)そう。だからまずはあの国を滅ぼしましょう
マグ)俺を手に入れたんだから滅ぼす必要なんて無いんじゃ...
クラリスが困った顔をし
クラリス)ホントはそのつもりだったんだけど~。
少し困った顔を続けた後満面の笑みで
クラリス)あの白髪のお姉さんが邪魔してきそうだからそのまま国ごと滅ぼそう!って話になったんだ~
お姉さんと言うのはルトラの事だろう。確かにクラリスはルトラに一泡吹かされてる訳だが
マグ)...ルトラは関係ないだろ
アルファルド)あの女がいるから、私達に付いてこないんでしょ?
別にそういう訳でも...ないが...
マグ)ルトラは関係ないって言ってるだろ
クラリス)大丈夫だよ。お姉さんを殺すのは私達じゃないから
言っていることの意味がわからない。この感じだと恐らくルトラ以上の強さを持っているのはこの二人だけ、なら誰に殺させるって言うんだ?
アルファルド)とりあえず、兄様は私達の事が嫌いって事でいい?
マグ)あぁそうだ大嫌いだ
即答し
クラリス)ありゃりゃ、ダメそうだね、姉ちゃん。もうやって良いよ
少しクラリスが離れると
アルファルド)ありがとうクラリス。元々こうなることは予想できていたしね
今度はアルファルドが近づいてくる
マグ)...何する気だ...
アルファルド)付いてくる気がないなら、その気にさせるだけ
マグに向けて右手を伸ばし
アルファルド)霊気変換 操霊・催
唱え終わるとマグの目から光が消えた。
クラリス)気分はどう?お兄さん。
問いかけても何も返さない
クラリス)じゃあ~。前線に出てきてる敵軍の人間。全員殺してきて?
そう命令されると同時に縄が切られマグは外に出て戦場に向かった
れい)...マグ達の帰りが遅いから全員で来たものの...
まみゃ)敵軍の数が圧倒的に多いね
兵士の数も相手の方が多いため王国騎士だけで戦うのは難しかったようだ
トキ)私西の方加勢してくる
飛び出し
れい)トキなら問題ないわね
東にはシズムがいるため問題ない。一番の問題点は中央だ。私達はそこを固める
同じ事を考えていたのか敵軍側からも中央に加勢が来る...
あれ?
その人影には見覚えがあった
まるで生気を失ったように、操られているように覚束ない足取りで歩いているが服装などに絶対的な見覚えがあった。
そいつは前線にやってくると両手を上に突き上げ、両手に一本ずつ剣を召喚する
そして次に瞬きするときには王国騎士達は皆殺しにされていた。
まみゃ)なに...あれ...
あまりの早業、それが“その人物“だと完全に紐付けた
ルトラ)マグ!!
ルトラも少し震えていた。だからこそ飛び出さずに皆の元を離れなかった。
れいとマグの目が合ったような気がした。次の瞬間れいの目の前に両手に剣を持ったマグが現れ斬りかかる
瞬時にルトラが斧で防ぐ
マグ?)...!
ルトラ)マグ!!何があったの!?
マグは一度剣先で斧を押し切り後ろに下がると体制を立ち直し
れい)次の攻撃がどこから来るかわからない!備えて!!
れいは弓を取り出すと狙いを定める
しかし早すぎて狙いが定まらない
攻撃が来たのはまみゃの背後だった。
反応できずまみゃはダメージを負ってしまう
まみゃ)っ...大丈夫...かすり傷だよ
持ってきていたポーションを使い回復し
マグ?)霊気解放改...剣線
剣先から斬撃が飛び出し
ノア)れい!!
ノアがれいをかばって防ぐ
ノア)私は攻撃出来ないから盾になる...!
先程までマグがいた場所にはもう何もなく
れい)後ろ!?
しかしれいに届く前にノアが防ぐ
ノア)っ...結界ありでもこの威力...!
次の攻撃に備えるが全員何かに気づいたのか動かなかった。
マグが恐らく周りを走り回っている。下手に動けば斬られてしまう
そしてついに攻撃を仕掛けてくる
仕掛けられたのはルトラだった
ルトラ)っ!!
斧でガードするも二本目の剣で攻撃を食らってしまう
ダメージを与えるとマグは下がり
まみゃ)マグ!!どう言うつもり!?
マグ?)...
ルトラ)マグ...
マグがまた剣先を向ける
斬撃が飛んでくると思ったが違った。
マグ?)霊気変換...斬霊・撃
唱えると何もなかったはずのれい達の場所に斬撃が起こった。ノアの結界も突破され全員致命傷を負う。この技はマグが先程走り回った時の斬撃を再現した技だ。つまり過去に斬って未来を斬る事が出来るのだ。
全員が倒れ込む。もう体力はない。転べば死んでしまうほどに、瀕死だった。
マグはゆっくりとこちらに近づいてくる
しかし私達はそのまま暗闇に意識が堕ちた
次に目覚めたのは王都の病院だった。
王国騎士の生き残りが助けてくれたらしい。
王国騎士)れい様...無茶をなさるから...
あれは無茶などではない。圧倒的な力の差があった。もうマグではない。あの強さは異常だ。
れい)大丈夫...他の皆は...?
王国騎士)れい様のお仲間様達に死人は出ていません...しかしトキ様とシズム様がかなりの重傷に負われておりまして...
そう...前線で戦っていた二人はあの一瞬の攻撃に巻き込まれてしまったのだ
もう戦える兵も残っていない。このままではもう...
?)こんばんわ
病室に一人の青年が入ってきた。見覚えがなくもないような気がする。
れい)貴方は...?
カリマ)お久しぶりですね。カリマですよ。
名前を聞いて思い出した。エンドシップでエリトラをくれた子だ。
れい)どうして...ここに?
カリマ)わr...じゃなくて、僕も戦えるしそこらの兵士達よりも強いかられいさんに挨拶をしておこうかなと
れい)...なんで私に?
そういうとカリマはニコッとした顔で
カリマ)れいさんにはきっとわからないでしょうけど、れいさんが苦しんでいる原因は僕のせいでもあるんです。
れい)どういうこと?
カリマ)詳しいことは言えませんよ。僕が間違ってた、と言うことしか、ね。それに、僕が死んだら誰も覚えていてくれないじゃないですか。だかられいさんに挨拶しに来たんですよ
れい)...死にに行く気なの?
それならやめなさいと言うつもりだったが
カリマ)せめてもの罪滅ぼしですよ。僕がしてきたことは許されて良いことじゃない。だから、命を持って償うんです。
それだけいうとカリマは外に出て行ってしまった。
カリマ)...
...
カリマ)成長したな。れい
幼少期から過酷なことをさせてきた。ノアと言う一人の友人すらも殺し、記憶も無くさせた。全て我の理想に過ぎなかった。自分の完璧を求めすぎていつしか本当の目的を忘れていた。本当はれいにしっかりと伝えるべきだった。でも我のプライドの高さがそれを許さなかった。
前線は壊滅、死体の山になっていた。そしてその死体を蹴って遊んでいる少女。
クラリス)あれ~?まだ生き残りがいたんだ~
その少女は蹴るのを止めて我の方を見る
返り血で紅くなった服や髪は恐怖を強調させる
カリマ)かなり酷いことをするね。僕、そういう人嫌いだから殺しちゃうかもよ
挑発するとそいつは乗ってきて
クラリス)殺せる物なら殺して見てよ、私、今まで退屈だったんだぁ
クラリスは武器を使わず、カリマは剣を構えた
カリマ)じゃあ、行くぞ
と言うとカリマに黒い翼が生え
クラリス)へー!ドラゴンか!まるで“終焉の龍“みたいだね
カリマ)不名誉なあだ名だな
空中から急接近しクラリスに斬りかかる
それをクラリスは避けた。
しかし
クラリス)!?
クラリスは腕にダメージを受けた
クラリスは完全に避けたはずだ。しかし斬撃はクラリスの腕に命中した
クラリス)なんで!?
カリマ)くくっ、お前は確かに避けた。だがな。僕が“当てた“ことにしたんだよ
クラリス)当てたことにした...だって...?
カリマ)あぁ、そうだ。もう一度見せてやろうか?今度は見逃さないように
カリマはその場で回転切りをするとクラリスの腹部に斬撃が走った
クラリス)っ!?こんなの!?
カリマ)あり得ない、なんて言うのか?
我の力は強力だ。絶対的な権限を持っている。例え何が起きても、無かったことにすることが出来る。だって我は...この世界の“守護者“だから...!!
カリマ)この程度で負けたつもりでいるのか?
クラリス)なんの...!
クラリスは急接近し殴る。
確実に当たったがそれも当たらなかったことにされ
カリマ)小娘が、これだから調子に乗った“ゴミ“は困る
クラリス)あ”?ゴミっつったか?
雰囲気が変わり
カリマ)あぁ、言ったぞ?それがどうした
クラリス)誰が...ゴミだって?
威圧感が凄い。しかしカリマは屈っしず
カリマ)お前が、ゴミって、言ったの
クラリス)後悔させてやるよ!その言葉ァ!!
目が紅く染まると見えない何かを手で握るようにしカリマに斬りかかる
カリマ)何度やっても同じこt...ん?
当たらなかったことにしたはずなのに、ダメージを負った
クラリス)これは防げないみたいだなぁ
カリマ)まさか!?
この世界にはシステムが認識できない物がある。きっと見えないがクラリスの手には...武器が握られている...その武器は認識できないを当たり前とし、しかも実態を持たないと言うことになる。つまりこいつは...
カリマ)へぇ、舐めてたけどやるじゃないか
再度適当に剣を振り当たったことにするがシステムがクラリス自体を認識できないようにしているのか当たったことにならない
カリマ)ダメか!!
クラリスとの距離はもう1mもない。その見えない何かをカリマの腹部に突きつける
カリマ)...?
痛みは来なかったしかしその後にクラリスが告げる
クラリス)何か言い残すことは?ないな
言い終わるとその見えない“ナニカ“が実体化しカリマの体を貫いた...
最後まで我は醜かった。結局慢心から敗北を招いた。あの時から何も成長していない。
?)くく、まぁよい。後は任せようじゃないか。この世界の運命と、最後の聖女に
アルファルド)あら、おかえりクラリス...ってどうしたの?その血
クラリス)私達を馬鹿にする奴がいたから殺しただけ。
クラリスはその場に倒れ込むようにして寝に落ちる
アルファルド)かなり侮辱されたようね...兄様、クラリスの看病お願い。恐らく寝ていても一人じゃ寂しいだろうから
マグ?)わかった。
クラリスを持ち上げベッドに寝かせる。
アルファルドはどこかに出かけたようだ
クラリスはかなり疲れているようで体全体が少し震えていた
マグ?)頑張りすぎた証拠だな
とクラリスの頭を撫でてやる
何か大切なことを忘れている気がするがそんなことはどうでも良かった。俺は家族と入れる今を楽しんでいる。辛い事なんて忘れて...
クラリスが起きたのはそれから5時間後のことだった。時間的にはちょうど明け方だろうか。(作者もテスト当日なのに勉強放りだして夜中に書いてる時点で終わってるよね)。
クラリス)あ...お兄さん...近くにいてくれてたんだ...
マグ?)あぁ、妹が倒れているのに放っておけるわけないだろ
クラリス)えへへ...やっぱりお兄さんは優しいね...
少し照れた様子を見せるクラリス
マグ?)今日は別にやることはないんだろう?疲れているだろうしもう少し寝てたらどうだ?
とクラリスの体を心配し
クラリス)大丈夫だよって痛っ!?
マグ?)ちょ、大丈夫か?
クラリス)だ、大丈夫...だけど...
マグ?)...傷口が痛むか...
人間にできる限り似せたモデルで作られたクラリスは痛みも人間と同じようにするらしい。俺とアルファルドは人間の30%程しか痛みを感じない。
クラリス)お兄さんが近くにいてくれてるから大丈夫...
マグ?)なんだそれ、あんま関係ないだろ
苦笑交じりに言い
クラリス)関係あるよ。安心感が違うもん。もし私に何かあったら、助けてくれるでしょ?
マグ?)それはもちろんだよ、アルファルドもクラリスも大事な妹だからな
優しく微笑み
クラリス)また故郷で元の生活に戻りたいよね...早く戦争が終われば良いのに...
マグ?)だな...敵国も敵国だよな。この国のが少し土地が広いからって戦争を仕掛けてくるなんてな...
クラリス)ほんと、王国の名が廃るよねぇ。特に私、ルトラってお姉さん嫌いなんだ~...
マグ?)なんで?
クラリス)お兄さんを奪っちゃいそうだから。私達のお兄さんなのに
マグ?)そんなことないだろ。俺も戦場で戦ったことはあるがそこまで強くもないし
クラリス)それなら、良いんだけどね
と日常的な会話をしていると
アルファルド)ただいま、クラリスの調子は?
マグ?)おかえりアルファルド。目が覚めて会話できるくらいには回復したよ。ただ傷口が痛むみたいで...
アルファルド)それなら良かった。一応人間モデルといえど人造人間だから傷口もすぐ塞がるよ
何か買ってきたのか荷物を置き
アルファルド)久しぶりに私が料理しようかなって思って。食材を買ってきたんだ
マグ?)何を作るんだ?
アルファルド)シチューだよ。兄様昔よく作ってくれたよね
マグ?)そういえばそんな事もあったような...
記憶が交差する。
クラリス)まだ記憶が曖昧なの?
マグ?)うーん...なんでかなぁ...
アルファルド)余計な記憶は消去すればいいの。必要ない物に容量を食わせたくないでしょ
マグ?)それもそうだなぁ...
でもこれを消せば取り返しの付かないことになる気がする。念のため俺は消さないで置いた
マグ?)うん、おいしい。料理の腕を上げたな。
クラリス)ねー!昔までは下手だったのに
アルファルド)私だって努力くらいするよ。努力は裏切らないからね
普段見せない笑顔を見せるアルファルド
マグ?)アルファルドも可愛いんだからもっと笑顔を作れるようにした方が良いぞ。きっとすぐに町の人なんか惚れるだろうよ
クラリス)えー?私はー?
マグ?)クラリスは笑顔が上手だからな、目の前で披露されたら気絶しちゃうんじゃないか?
アルファルド)そんなこと言ったら兄様だって...
マグ?)俺はそういうのいいの、お前達と過ごせれば他には何もいらないよ
クラリス)へぇ?でも私達に彼氏が出来ちゃったら離れちゃうかもよ~?
からかうクラリス
マグ?)それはダメだな。よし。そいつ殺すか
アルファルド)兄様、どこでそんなメンヘラ用語覚えたの
マグ?)え?元々...いや...誰かに聞いたような...まぁ思い出せないしいいや
クラリス)思い出さない方が良い物もあるよ
この家族は会話が途切れない。毎日一緒にいるはずなのに。
マグ?)ご馳走様でした。
アルファルド)じゃあ皿洗いは私がやるよ
マグ?)いや、料理を振る舞ってくれたんだし、俺がやるよ
アルファルド)ほんと?じゃあ任せようかな
そして俺は食器洗いを済ませ
マグ?)クラリス、傷の痛みは大丈夫か?
クラリス)大丈夫だよ、姉ちゃんの料理食べたら良くなった。
マグ?)それは良かったな。
戦争が続く限り妹達は苦しい思いをするかもしれない。だから俺は一刻も早くこの戦争を終わらせたかった。でも大切な何かを忘れているような気がする、それが怖くてなかなか実行に移せなかった。
クラリス)お兄さん?
マグ?)...ん?なんだ?
クラリス)すっごい顔してたよ。何か悩み事でもあるの?
マグ?)ちょっとな...大切な何かを...忘れてるんだ...
それを聞くとクラリスは少し目を細め
クラリス)お兄さんっ!
クラリスはマグに抱きつき
クラリス)いいんだよ、そんなの忘れて。
マグ?)で、でも...
クラリス)家族以上に、大切な物があるの?
マグ?)それは...
クラリスは優しく微笑むと
クラリス)忘れてしまえば楽になるんだよ。大丈夫、私達が付いてるから。もしそれが本当に大切なことだったとして、それを思い出してお兄さんがまた辛くなるんだったら、私は、忘れて欲しいな
優しく俺を説得するクラリスの言葉で俺は涙が出てきてしまった。
クラリス)...泣いて良いんだよ、辛かったよね。もう大丈夫だから...
優しく背中を摩ってくれた
マグ?)クラリス...
クラリス)大丈夫だよ、何も怖くない。さぁ、忘れよう?
少しの間泣いた後
マグ?)わかった。
そういうと俺はその大切な記憶を
消去した




