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時給1200円の思い出

作者: したらなっ

 求人雑誌。それは高校生の頃はウッキウキで読めるものであった。

 今回のお話はその頃の体験談。


 田舎に住む私達高校生のバイト探しの基準は、自分の行動範囲探しである

働く以上出来る限り賃金は高いほうが良い。当然だ。

 が、しかし。移動手段は自転車か徒歩、電車もあるが駅まで徒歩30分自転車で10分弱

そして電車は一時間に1本だからだ。


 となると必然アルバイト候補は近いところになる。


 コンビニでいいじゃん?確か当時時給600円ですよ?更には同級生などから色々な話を聞くと

時給に対して金額がちょっちねーとか思っちゃってた。


 今考えてみれば働くこと舐めんじゃねえ、と一喝してしまいそうな考えだが

接客業はちょっとなぁ…安いし。などと舐めたことを考えていた。


 当時の候補を並べてみよう


・コンビニ時給600円 自転車で30分


・牛丼屋時給650円(入社1週間でワンオペ有・同級生がいた)自転車で40分


・無名のハンバーガー店時給650円自転車で40分


 高校生になりたての候補としてはこんなものだった。


 さて高校生になりたて実質中学生みたいなものなガキであった自分

当然時給は高いほうが良い、出来れば楽な方が良い。

600円はちょっとなぁ、などと思いながらあるものを見つける、そう無料の求人雑誌。


 私の住む場所から1駅行くと繁華街があるのだが、求人雑誌に載る求人は当然そこばかりだ

だがしかし、さすが繁華街シャッター降りまくってるが金額が違う、さすがの繁華街だ。

時給800円代がゴロゴロしている、そんな中に私は見つけてしまった。


 時給 1 2 0 0 円 


 1200円ですよ1200円みなさんわかります?1200円言うたら5時間働いただけで6000円になるんですよ?

おっと1200円と聞いて皆さんも食いついて来ちゃいましたね。わかりますわかります。


 え?内容、そうお察しの方もいらっしゃるでしょうテレフォンアポインターです。


 もうね当時(今も)の私は馬鹿だから迷わず電話しました。


 するすると面接が決まり気合を入れTシャツにジーパンという人生舐めた格好でいざ面接。


 面接の内容ですが、今思えば面接というより仕事内容の説明でした。


「電話帳のここからここまで電話して、話を聞いてもらえそうだったら…あーそうそう

あの子みたいに立って貰えれば社員さんが対応するから」


 指差す方を見ればキレイなお姉さんが電話片手に立ち上がっていた。


「はい!わかりました! 」


「じゃあ明日から来れる? 」


「はい!大丈夫です! 」


 凄いですね面接するってレベルじゃねーぞ。

あ、一応ですが会話端折ってます出勤の際の格好であったり指示はありました。

 印象に残っているのは履歴書をスっと出したら見ずにスっと横にずらして話し始めた事でしょうか

見ないんかーい。


 さてそんなこんなで初出勤です。


「おはようございます!今日からお世話になる屑太郎です! 」


「お、来たね。えーっとじゃあこっち来て」


「はい! 」


 言われるまま付いていくと電話帳と電話だけが置いてある机の前へ。


「やって貰うことはこの電話帳を上から順に電話して貰うんだけど…

まず商品知らないとお勧めできないよね」


 何やらカタログを持ってくる。


「これをお客様に勧めてるんだけど、何とね!この水晶を玄関に置くと金運が上がっちゃう! 」


ファッ!!??


 おっと落ち着けそうクールに行こうぜ。うさんくさいけど


「す、凄いっすね」


 慌てず落ち着いてそう返した自分は偉いと思う今でも思う。


「でしょ!でさ、そんな凄い商品をお客様にお届けして皆幸せにしたいわけよ

そこで君たちの出番!この電話帳の上から電話していって。あ、このマニュアル通りに

話してくれればいいから、お客様が話しを聞いてくれそうだなーって思ったら立ち上がって

そしたら社員さんが来て電話変わるから。じゃ!頑張ってね」


 もう内心うわぁ…うわぁ…としか思っていませんでした。

ですが1200円ですやるしかないです。


 凄く売れる気はしませんが、駅前のビルにオフィスを構える会社です。

そう当時の私はビル+オフィス=スゲー です。

きっとこの商品もガチ目な幸運を引き寄せるスゲー品なのでしょう

きっと購入したら宝くじが当たったり、札束風呂に入れちゃったりするのでしょう。


 そうとなったらさっそく電話です。会話マニュアルをじっくりと読みいざいざ


「あ、もしもし。私幸運堂の屑ともうしm」

「結構です! 」ガチャ!


 oh…思ったより激しいですな…


 いやいやまだ一軒目電話帳には目がしょぼしょぼするほどの番号が!これからこれから


「あ、もしもし。私幸運堂の屑と申します」

「はい?何の御用でしょうか? 」

「この度ですね、我社の誇る幸運を呼ぶ水晶のご紹介のお電話をしていましt」

「あ、はい間に合ってます」ガチャ


 まあ大凡この2パターンで撃沈して初日は終了しました。

いやー凄いですね。売れる気がまったくしねーハハハ。


 そんな電話を一週間ほど続けた時にですね、多分かけてはいけない番号に私はかけてしまったのです…


「もしもし。私幸運堂の屑ともうします」

「あぁ!?テメーおらぁ!二度とかけてくんじゃねえつっただろうが!!おぉ! 」


 あ、やばいご職業の方だ。


「てめぇ!いい加減にせんと若い衆いかすぞゴラァ!! 」

「あ、あ、はい!すみません! 」

「おうてめぇ名前なんつった? 」

「あ、あの、屑と申します」

「屑だなてめえ名前回すからな舐めんじゃねえぞおらぁ!! 」

「あ、あ、あ、あの」ガチャ!!


 当時の私とっても純粋なおバカなので顔をサーと青ざめさせて決意しました。


 机からスッと立ち上がりお仕事を教えてくださった社員さんの元へ


「すみません。もう無理です辞めさせてください」


「あ、うん。お疲れ様」


 早く逃げなければとか良くわからない思考をして急ぎ足で帰りました。

そんな初バイトの思い出話。契約?取れるわけ無いじゃんうさんくさいもん。


 あ、ちなみに数年後ニュースで効果がないって事で集団訴訟受けたってニュース見ました。

だよねー。


_________________________________


 あとがき

 

 さて屑のほぼノンフィクションなお話いかがでしたでしょうか。

文章を書いてみたいなーとは前々から思っていたのですが、体験談なら書けるかもと思い書いてみました。

注:商品名や社名、私の名前などは当然ながら違います。

 文量的にもブログでやれ!と自分で思ったりしますが、練習だから練習!本番に強いタイプだから!


 後書きの仕方がわからなかったggrks?OKググっと屑。


 

投稿しようとしたら後書きの欄があった。ここにあるんかーい。


駄文をお読み頂きありがとうございました。ちゃんとした長編書けたときは何卒ご贔屓に。

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