『異世界親和性』
「確かに、状況はひっ迫しているな。特に、『原子分解砲』を連打されたら、ひとたまりも無い。で、『原子分解砲』を次に撃つのは、何時なんだ。」
ここで、中央の長い黒髪の女性は、小柄なおさげの美少女に、目くばせをした。
「ういうい。あたぁしゃから説明するぞ。『原子分解砲』は、100%の威力を出す為には、再充填に約1ヶ月だぞ。で、今回の出力なら、1週間程度だぞ。」
「おお! ここに来てようやく、朗報か。後、1週間も時間があるのか。」
「おひおひ……5つの国と地域を同時に、未知の手段で、原子分解可能な兵器に、どうやったら、1週間で太刀打ちできるんだよ。むしろ、地球滅亡まで、後1週間しかないのだ。だろう!」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
某宇宙戦艦とも無関係に相違ない。
ここで、またも説明者同士が、バトンタッチする。今度は、中央の黒髪だ。
「その様な事はありません。まずは、『異世界親和性』の説明をしましょう。」
「ういうい。あたぁしゃから、『説明しよう』! 『異世界親和性』とは、『異世界』の技術産物に対する『親和性』であり、それらを扱う『適性』だぞ。」
ああ……嫌ぁな予感がするな……等と考えていると、円卓モニターの表示が切り替わった。
「まずは、画面を見て欲しいぞ。『異世界親和性』には、『レベル』が存在するぞ。まずは、1レベルだが、これは、1万人に1人いるぞ。が、異世界製品と気づく程度だぞ。」
レベル 頻度 効果
1レベル 1万人に1人 異世界製品と気づく
2レベル 10万人に1人 用途に気づく
3レベル 100万人に1人 ライトユーザー
4レベル 1千万人に1人 ミドルユーザー
5レベル 1億人に1人 ヘビーユーザー
6レベル 10億人に1人 コアユーザー
「つまり、地球上には、6レベルが、6~7人いて、僕はその内の1人だと、言いたいのか。」
「前半は、そうだぞ。が、後半は、違うぞ。」
「勿体着けるな。僕のレベルは、幾つだ。」
8か……9か……10かもな……
「20レベルだぞ。」
「おい! 何だ、その中途半端な数字は! Web小説読者は、100レベルでも驚かんぞ!」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
「と、言う事は何か。僕は、1千垓人に一人の『才能』の持ち主で、その『才能』を使えば、『原子分解砲』も『アウスレーゼ』も恐れるに足らず。と言いたい訳か。」
「ええ。」
「不可能だ。と言うか、如何に『才能』があっても、実際に扱う『異世界製の武器』を手にしなければ、無用で、無能で、無駄だな。」
「問題ありません。こちらで、『必要物資』は、全て用意します。」
「無理だな。その『物資』に見合う『対価』を支払えない。」
「ご安心を、我々は既に日本政府と、『ニガラーダ・コンサルタント契約』を、締結済みです。よって、日本政府が、全て支払って下さいます。」
「なら、日本政府とも話す事があるな。が、その前に、家族と話したい。」
「勿論です。ちなみに、日本政府の方々は、既に待機中ですよ。」
「席を外して欲しい。」
「分かりました。」
5人の『異世界人』達は、承諾し、部屋を後にした。
* * *
次回予告
第7話 家族会議
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