打ち合わせ
話は、昨日に遡る。
「失礼します、博士。」
「ういうい。入っていいんだぞ。心三。」
博士の、研究室に足を踏み入れた。
「意外だな。『腐海』とは言わなくとも、もっと 雑然と渾然と混然とした部屋を想像していた。ここまで、機能美に特化した場所だとは……」
等と言う無駄口を叩かなかった。
「うい? なんか、言ったか。心三。」
「いいえ、きっと気のせいでしょう。それより、申請を持ってきました。確認お願いします、博士。」
「ういうい。……『パワーアップ・アタッチメント』……随分、大掛かりなんだぞ。これじゃ、『ブラジオウ』が、10倍になっちまうんだぞ。心三。」
「ええ、むしろ、それが、それこそが、狙いです。博士。」
「どういうことなんだぞ。心三。」
「僕の見立てでは、『ガウスレーゼ』の次回作戦は、『合体ロボット』だと思います。」
「『合体ロボット』って、『アニメ』で、お馴染みの奴なんだぞ。心三。」
「僕に言わせれば、『ブラジオウ』が、既に『アニメ』と大差ない。」
等と言う無駄口を叩かなかった。
「気付いているんでしょう。『ガウスレーゼ』は、2つの法則で動いていると、博士。」
「何の事なんだぞ。心三。」
「1つは、『物量作戦』です。2つは、『物真似』とりわけ、僕のと、地球由来品の『物真似』ですね、博士。」
「よく気付いたな。確かに、そうなんだぞ。だが、必ずしも『合体ロボット』になると限らないんだぞ。心三。」
「それが、あります。例えば、このロボットアニメでは、6機のロボットが、合体する事で、『相乗効果』込みで、6倍以上の力を発揮します。これこそ、最大の『物量作戦』です。」
「うーーーーん、あたぁしゃも、そのアニメは、見たんだぞ。確かに、論理飛躍こそあったが、いいアニメだったんだぞ。『合体ロボット』は、浪漫なんだぞ。心三。」
「どうでしょう『合体ロボット』の、作成許可をお願いします。博士。」
「まぁ、いっかぁ、なんだぞ。あたぁしゃから、長官に話しを通しとくんだぞ。心三。」
「ありがとうございます。博士。」
* * *
次回予告
第52話 反省会(5)
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