デブリーフィング(4)
「では、デブリーフィングを始める。一同、準備はいいな。」
いつもの5人全員から、賛同される。そこで、先を進める副長。
「ペーネル、今回の戦闘結果分析を報告しなさい。」
「はっ! 今回も『ナウスレーゼ』の『物量作戦』に対し、心三の『現志力』による『物量作戦』が、たまたま成功したまでの事。実質、心三の戦闘技術向上は、見られません。以上!」
「つまり、『ナウスレーゼ』は、今回も『物量作戦』を使った。そう言いたいのだな。」
「はい。」
「着席しろ。ペーネル。…………博士、どう思います。」
「ういうい。あたぁしゃから説明するんだぞ。『ガウスレーゼ』は、高度な人工知能を有しているんだぞ。が、知識や思考ルーチンに、『傾向』がありえるんだぞ。」
「『傾向』……博士、報告は、具体的に。」
「実は、闘う相手の戦術を『模倣』する『傾向』が、あるんだぞ。『物量作戦』は、あくまで『小手調べ』だぞ。それに対して、相手が取った作戦を『模倣』するんだぞ。」
すると、少し考える副長。
「つまり、『ナウスレーゼ』の『物量作戦』に、心三も『物量作戦』で対抗したから、次以降も『物量作戦』で、返して来た。そう言う事だな。博士。」
「ういうい。その通りなんだぞ。」
「……それについては、特に問題無いな。」
「宜しいでしょうかぁ。副長。」
「報告しなさい。ボリメエ一等書記官。」
「はぁい。では、実は心三くぅんも、同じ事を発言してましたぁ。あくまで、疑問でしたがぁ。」
「……それなら、結論は出たな。では、次の議題だ。心三の『現志力』は、どうなった。博士、報告を。」
「ういうい。では、あたぁしゃから。また、新記録達成なんだぞ。この値なら、長官を除いた4名の合計値と、ほぼ同じになったんだぞ。」
「とは言え、それは『瞬間的』なものでしかない。『恒常的』には、凡庸な地球人と同程度でしかない。間違いないだろうな。博士。」
「ういうい。その通りなんだぞ。」
「では、シメのお言葉をお願い致します。長官。」
「次なる『ガウスレーゼ』の攻撃は、一層の苛烈さも懸念されます。皆様は、今まで通りの職務に専念すると同時に、尚、一層の努力をお願いします。」
* * *
次回予告
第46話 日記(4日目)
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