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反省会(4)

「『たいへんよくできました』ぁ。心三くぅん。」

「何だ! その小学生の提出物に押印するかの様な評価は!」

 などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。

「それにしても、よく思いつきましたよねぇ。『ガウスレーゼ』が、『ナノマシン』を使って来るって、何故ですぅ。心三くぅん。」

「初歩的な問題です。……そもそも、『ナウスレーゼ』の制作、とりわけ、細部の構成には、『ナノマシン』を使っていました。いずれ使うだろう。それだけの事です。一等書記官。」

「すんごいですねぇ……それは、それとして、超かっこよかったわよぉ。新技の名前は、あれがいいって言ったでしょ。心三くぅん。」

「何処のコメディアンだてぇの……つか、古過ぎだろ。」

 などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。

「しかし、この名前を決めるのに、何度も『没』や、何時間もの『議論』を通過する必要があるのか。今回も疑問でした。そもそも『可変式集合体』は『イズ・オーヴァー』では無い……」

 台詞を遮ったのは、一等書記官が、机を叩く音だった。

「『現志力』とは、『意志の力』ですぅ! 心三くぅんが、『想う心』に『化学反応』するのぉ! 『ナノマシン』を『積み上げる』んだから、『イズ・オーヴァー』でいいのよぉ!」

 熱弁で乱れた息を整える一等書記官。

「……やっぱり、『中二病』をこじらせた『ネーミング』の原因は、一等書記官だったのか。」

 などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。

「子供に『着せたい服』を選んで買って来る親と、何も変わらないな。要は、自分の『エゴ』でしかない。」

 等と言う無駄口を叩かなかった。

「……何か、言いましたかぁ。心三くぅん。」

「……いいえ。それより、名前の件ですが、良案も無いようなので、『当面』これを採用しましょう。一等書記官。」

「『当面』ではありませんよぉ。正式採用でしょうぅ。心三くぅん。」

「それは、それとして、1つ気になる事があります。一等書記官。」

「何かしらぁ。心三くぅん。」

「『ガウスレーゼ』は、『物量作戦』に拘泥する傾向でもあるのでしょうか。一等書記官。」

「……そう言われて見れば、そうよねぇ。……博士に聞いてみましょう。心三くぅん。」

「宜しくお願いします。一等書記官。」


 * * * 



次回予告

第45話 デブリーフィング(4)

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