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『砂』と『騎士』

「先手必勝! 『夢現傀牢ドリーム・シアター』!」

「怒怒怒怒っ鬼ぃーん!」

「そう言えば、前回の『ナウスレーゼ』は、何も台詞が無かったぞ。」

 などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。

「そりゃ、『空母』には、『口』が無かったからだろ。」

 などと言う無意味な指摘に事実を被せる者などこの世界に存在しない。

「『砂』!」

 急いで、空中に退避する。『夢現傀牢ドリーム・シアター』に、『ナウスレーゼ』共々『砂』が、『存在』すると言う事は……

「この『砂』も、『ナウスレーゼ』! 恐らく、『ナノマシン』が、砂粒大になるまで組み合わさった物……そんな所だ。」

 すると、『砂』が、うねり、流れ、形を作る。鎌首をもたげ、空……『ブラジオウ』を見る。そして……

「『蛇』か! まったく、『ガウスレーゼ』は、地球上の兵器や、生物を真似るの好きだな……『鏡面結界イン・ザ・ミラー』!」

 空へ空へと身体を伸ばしつつ、襲い掛からんとする『蛇型ナウスレーゼ』……略して『蛇』。そんな『蛇』が、鎌首を2つに分けた。川が、岩を避けて流れるようにだ。

「その方法で、『鏡面結界イン・ザ・ミラー』を無効化するのか。その程度なら、全て僕の『予想シナリオ通り』だ。……『鏡面結界イン・ザ・ミラー』!」

 『鏡面結界イン・ザ・ミラー』で、全身を包む。消耗が、大きいが、仕方ない。全ては、僕の『予想シナリオ通り』に持ち込む為だ。

「さっきから、『剣と盾を装備した方』……略して、『騎士』が、動いていない。つまり、こいつが『本命』だと言う事だ。さあ! 来い!」

 ガラスが割れるかのような、音を立てて『鏡面結界イン・ザ・ミラー』が、1枚だけ、粉々になった。

「発明はともかく『分析』と『模倣』は、僕を上回っているな。だが、お前が、『鏡面結界イン・ザ・ミラー』を『模倣』する事も、全て僕の『予想シナリオ通り』だ!」

 要は、『ガウスレーゼ』が、『模倣』した『鏡面結界イン・ザ・ミラー』同士を、ぶつけたに過ぎない。互いが、自らにダメージを『反射』した結果と言える。

 結果として、『盾』を失った『騎士』。が、あの『剣』は、『初陣』で見せられた『高熱を発する剣』だ。それで、腹部を串刺しにされた『ブラジオウ』だった。


 * * * 



次回予告

第42話 『砂』と『騎士』~『無限ループ』

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