学生の本文
確かに、僕は、今地球を守る戦いに、身を投じている。
が、それと同時に1人の高校生に過ぎない。いずれ、学業に復帰する。
当然、学生の本文は、勉学だ。だから今は、勉強している。
勿論、授業に出る必要が無いように、政府から、文科省、教育委員を通じて学校に、圧力……もとい、指示してもらった。
但し、中間、期末、学年末の試験だけは、リモートで受ける事ができる様になった。
要は、授業に出なくとも、テストの成績さえよければ、学校も問題ないそうだ。
一応、テストを受ける日時を、後回しにする事もできる。
が、期末試験を後回しにすると、その分夏休みの開始が、遅れる。一長一短だな。
とは言え、世間が夏休みになったとしても、『ガウスレーゼ』を滅ぼさない限り僕には関係ない。不本意だが、僕はやるべき事を、やらなければならない事を、やるだけだ。
* * *
「ふあぁ……やっと、終わった。」
あくびと共に、安堵と疲労を吐き出す。とは言え、依然『ガウスレーゼ』の脅威は、消えていない。これは単に学校行事が、終わったに過ぎない。
「今、大丈夫ですかぁ。心三くぅん。」
インターフォンの越しに流れる声……
「どうぞ、大丈夫ですよ、一等書記官。」
「はぁい。おっ邪魔しまぁす。テスト終わったんでしょぉ。どうだった。心三くぅん。」
「採点結果は、後日です。が、別段問題ありませんでした。一等書記官。」
「そぉ……よかったわぁ。じゃ、試験成功として、お祝いしなくちゃ。心三くぅん。」
「それなら、家族に会いたいですね。リモートでも構いません、一等書記官。」
「ふふ……じゃ、あたしから、話しておくわねぇ。で、『大使館』でもお祝いするんだからぁ、参加するんでしょうぉ。心三くぅん。」
「たかが、中間試験が、終わっただけです。大袈裟でしょう、一等書記官。」
「たかがじゃ、あぁりません! とぉっても、重要でぇす。みんなで、お祝いしなきゃよぉ。心三くぅん。」
「……考えておきます。一等書記官。」
結局、家族とリモートで会う事と、引き換えにされた。
* * *
次回予告
第38話 家族との遠隔会談
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