反省会(3)
「では、反省会を始める前に……。」
無言で、先を促した。
「素晴らしいぃ! サイコーぉ! ようやく、『ブラジオウ』や『現志力』の使い方にも、慣れてきましたねぇ。心三くぅん。」
「……正直言えば、『名前をつけろ』……そう言われた時、無駄で、無益で、無用な事だと思いました。一等書記官。」
「だぁかぁら、言ったでしょうぅ。『現志力』とは、『意志の力』! 『名前を付ける』事で、『イメージ』しやすくなるんですぅ。心三くぅん。」
「本来なら、『技の名前』を『読み上げ』る『時間』が、惜しまれる。筈なのに、『具現化』までの『時間』を、『短縮』している。それが、結果的な……。」
「『早さに繋がる』。」
二人の声が、唱和した《ハモった》。
「結果的には、上手くいきました。が、過酷な訓練でした。一等書記官。」
「えぇーっ……『楽しかった』でしょうぅ。心三くぅん。」
「しかし、僕が、付けた『名前』を『没』にしましたよ。一等書記官。」
「おひおひ……そんな事やってたのかよ、お前ら……。」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
「愛がある。哀しみがある。しかし、凌辱が無いでしょう!」
一等書記官の「あなたの付けた『名前』には、『愛』がなぁい!」は、「愛がある。哀しみがある。しかし、凌辱が無いでしょう!」と聞こえた様な気がしたが、きっと気のせいだろう。
某、泣き虫とも無関係に相違ない。
「『名前』に『愛』が必要って、それこそ、不明で不要で不急だと思いましたよ。一等書記官。」
確かに、最初はいい加減な、『名前』を付けた。その自覚がある。
結果として、かなりの時間を議論に費やす羽目になった。
「それで、どう見ても『中二病』を、こじらせた様にしか見えない名前になったか。」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
「どわぁーいじょぉーぶむぅわかーして!」
一等書記官の「大丈夫ですぅ。これで、あなたも理解できましたよ。心三くぅん。」は、「どわぁーいじょぉーぶむぅわかーして!」と聞こえた様な気がしたが、きっと気のせいだろう。
某闘うセンパイとも無関係に相違ない。
「では、これで、反省会を終わりまぁす。お休みなさぁい。心三くぅん。」
* * *
次回予告
第35話 デブリーフィング(3)
ご愛読ありがとうございます。
面白ければ、ブックマークと、星をお願いします。
励みになります。




