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外務副大臣

 話は、昨日に遡る。

 土曜日にも営業している学習塾に通う僕。帰宅後の一家団欒を狙った来襲だった。

 来襲者が、提示すた身分証に、震撼足らしめられた両親だった。

「外務副大臣……。」

 それこそ、来訪者が、提示すた身分証に記載されていた。

 そこで、場所を我が家の居間に移して、改めて用件に移る事となった。

「これから、あなた方には、守秘義務が発生します。これは、本日あなた方に伝えられる情報全てに対して適用されます。」

 そう言いつつ、脇に控える背広姿の壮年男性に、タブレット端末を出させる外務副大臣。

 勿論、タッチパネルで、署名可能になっている。

「守秘義務誓約書ですか。副大臣。」

 タブレット端末の内容を一瞥した所で、報道でしか見た事が無い副大臣へと話しかけた。

「署名して下さい。捺印は、不要です。」

 淡々と、粛々と、洒々と、言葉を紡ぐ副大臣。

「拒否権は、無いのですか。日本国憲法に明記された『基本的人権』に鑑みれば、あって当然ですよね。」

 図らずも両親が、息を飲む音が、BGMになった。

忌士心三きし・しんぞう君、本来なら、慎重かつ丁寧な説明と共に、判断されるべきだろう。『基本的人権』に鑑みれば、だ。が……」

「が?」

「詳しくは言えない。が、今は、危機的状況だ。時間が無いんだ。察してはくれないか。」

「どう見ても、しがない男子高校生にしか見えない奴に、この態度か。」

 等と言う無駄口を叩かなかった。

「そう言う事なら、総理が、出張れば、説得力もあったでしょうに。」

「当然だ。総理には、動かない様、側近が総出で、土下座までして頼み込んだ。さあ、署名したまえ。尚、心三君が未成年者である事に鑑み、親御さんにも同伴して頂きます。」

「すると、拒否したなら、実力行使に移るのか。」

「それ以上言うな!」

 心三の台詞を、怒号で遮った副大臣。

「やむを得ない。」

 等と言う無駄口を叩かなかった。そして、忌士家3人の署名が、集まった。


 * * * 



次回予告

第3話 場所を変える

ご愛読ありがとうございます。

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