今日から訓練 『ブラジオウ』について
「ようやく、兵器の説明ですか。」
「ういうい。今度こそだぞ。あたぁしゃ、プーロリア博士が、おまいさんの武器について、説明するんだぞ。」
やって来たのは、緑色の髪を1本おさげにし、白衣を着た小学生の様だった。勿論、メロンの様な双丘だ。
「その前に、僕の『異世界親和性』を、図って下さい。今すぐに。」
「ん? そんなに、気なるか、ちと待ってるんだぞ。……『異世界親和性測定器』!」
『ピカッ! ピコピコピコン』
アイテムを取り出す際に、効果音が聞こえた様な気がしたが、きっと気のせいだろう。
某猫型ロボットとも無関係に相違ない。
「……その、『非接触型体温計』にしか見えない物で、計測するんですか、博士。」
「こう言う事は、『論より証拠』だぞ。」
『測定器』を、こちらに向け、スイッチを入れる博士。効果音が鳴り、ややあって……
「ほら、ここを見るんだぞ。確かに『20』と、表示されているんだぞ。」
「うわ、本当だ。しかも、地球上の文字ですらないのに、『20』と読めてしまう。十分です。分かりました、博士。」
「ん、素直で宜しいんだぞ。では、この『立体映像』を見るのだぞ。心三。」
「これは、……ロボットですか。まさか、これに搭乗して、闘えと……。」
「ロボットではないのだぞ。『ブラジオウ』と呼ぶのだぞ。心三。」
「……『ブラジオウ』……ですか。で、これに乗って操縦し、闘えと言う訳ですね、博士。」
「そうだぞ。そして、これには最新鋭の装備が、てんこ盛りだぞ。とりわけ、動力源には、何と! 『現志力』を採用しているのだぞ!」
「『ゲンシリョク』……『現志力』……ああ、分かりました。『意志』を、『力』とみなして、『現実』の物にする……ですよね、博士。」
「その通りだぞ。『我思う故に我あり』と言うそうだぞ。己を存在すると、信じる所から始め、『我が辞書に不可能の文字無し』まで、意志を高める、さすれば無敵だぞ。心三。」
「本来の意味からは、逆ですね。『我思う故に我あり』とは、『自分自身』が、『存在』する事を『疑う』事から始めていますよ、博士。」
「例えそうでも、最終的には、『万能無限』を『信じて実行する』のだぞ。心三。」
「意味は、分かりました。例え屑鉄でも、無敵の戦士だと信じるのですね、博士。」
等と言う無駄口を叩かなかった。
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次回予告
第12話 今日から訓練 格闘技
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