カツアゲ
家は代々続くお寺。
爺ちゃんが住職で父ちゃんが副住職。
それで僕が小坊主。
髪が伸びる人形や夜な夜な動き回るヌイグルミ、それと心霊写真とかが持ち込まれ供養をお願いされる事が多い。
爺ちゃんも父ちゃんも結構名の知れた徐霊師だからね。
今僕は供養してくれと持ち込まれた写真を選り分けしている。
アレ? この写真、心霊写真じゃ無いよな。
ラブラブそうなカップルが階段に座り缶コーヒーを飲んでるだけの写真。
なんでこんな写真が混じってたんだろ?
「オイ、写真の選り分けは済んだか?
で、ヤバい写真はどれだ?」
父ちゃんが供養する写真を取りに来た。
だから僕はカップルが写っている写真を渡す。
「ん? これは心霊写真では無いだろう」
「一見無害に見えるけど、この写真が一番たちが悪い。
眺めていたら(主に女の子のスカートの中をだけど)カップルに罵声を浴びせられ、お小遣いをカツアゲされたんだよ」