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雨のとびら  作者: 紫村スミ
1/2

1.鹿出村(しかでむら)への引っ越し

今日は雨。静かな雨。まるで本当に僕のためだけに用意されたような雨だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺は、笹島(ささしま) 晴樹(はるき)中学3年生だ。


今、一度も見たことない景色を車で見ながら、公立中の鹿加嶋(しかかしま)中学校に向かっている最中だ。


今は紅葉した葉で、歩道が埋め尽くされている。


そう、俺は中学3年の秋という中途半端な時期に、この鹿出(しかで)村に引っ越してきたのだ。



俺は元々、何回か親の転勤で引越しを経験していて、転校にも慣れっこだった。


だけど、今回だけは嫌だった。


どうしても引っ越しはしたくなかった。


別に、前にいた学校から離れたくなかったわけじゃない。


ただ、何故かわからないけれど俺はこの街に引っ越したくなかった。



………………………………………………………………………



あ、もう見えてきた。


すごくでっかい学校だ。


やっぱり田舎だからかもな。


………………………………………………………………………


鹿加嶋中学校で…


ざわざわ ざわざわ


「おーいみんな、席につけー。今日からこの学校、クラスに仲間入りする生徒の紹介だ。」


シーン


なんだ。


俺が入ってきた途端、このクラスの全員が一気に静かになったぞ。


驚いているようにも見えない。


ただ、気の毒そうな目で見られてる。


「こんにちは。昨日この街に引っ越してきた、笹島晴樹です。よろしくお願いします。」


パチパチ パチパチ


一瞬遅れて拍手の鳴る音がする。


「よし。じゃあホームルームを始めるぞ〜」


………………………………………………………………………



キーンコーンカーンコーン



シーン


おかしい。


チャイムが鳴ったのに誰一人として俺に話しかけてこない。


それに誰も喋らない。


俺はかっこいいイケメンでもないが、今まで


「どこから来たの?」

「何部に入ってたの?」


とか、

必ず誰か一人は挨拶した後に聞かれてた。


だが、今はそれが一切ない。


まあ、俺としてもこのままの方が楽だからいいけど。


………………………………………………………………………


放課後…


キーンコーンカーンコーン


俺は部活に入部することは3年の後半だからもうない。


それに、もうすぐ高校受験本番だ。


「はぁー。」


ついついため息が出てしまう。


両親は共働きだから、家に帰っても楽しくないしどうしようか。


勉強をするとしても教室でやるのは気が引けるし、図書室に行きたいと思ってもまず、学校のどこに何があるのか一度も聞いてない。


普通はクラスの委員長がそうゆうのやるんだけどな。



鹿加嶋中学校は1学年に1クラスで、


1ーA、2ーA、3ーA


だけしかない。


そして、俺のいる3ーAは俺も含めて24人だ。


男子13人、女子11人、


男子の方が人数が多い。


そして、この学校には委員長というものがそもそもなかったらしい。



思い違いではない。


やっぱりこの村は何かがおかしい。


少なくともこの学校は…

初投稿です。


よろしくお願いします。

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