第6話 思ってたんと違う。
内容があまり良くないかな?
朝食会が終わってオレは一旦自分の部屋に戻ることにした。案の定、部屋には佐藤がいた。
「おい、お前のせいで痛い目にあったんだぞ。」
オレはそう言って、毛布にくるまっている佐藤を引っ張り出した。
「仕方ないじゃないですか先輩。 僕、アレで死んだんですよ。」
「お前は、もう腹下さないじゃないか。食べても平気だよ。」
「そういう問題じゃありません。 とにかく納豆が怖いんですよ。」
そう言って、オレにすがりつく佐藤を引っぺがしながらこれから仕事場に案内してもらうことを伝えた。
「えっじゃあ雇ってもらえたんですか。」
「一応な。」
といっても相手かなり怒ってたし、いい職場環境ではないだろうな。
「え、 絶対クビだと思ったのに。」
いや、原因はお前だからな、
「せめて、黙って出て行けよ。」
「すいません。つい声に出してしまいました。」
ペコペコ謝る佐藤をよそにオレは帰る支度をしていた。 帰り支度が終わって佐藤と話しているとドアがノックされた。 入ってきたのはバトラーだった。
「失礼します。 アキラ様、仕事場にお連れしてもいいでしょうか。」
「はい。お願いします。」
「それは、よかった。ではお連れします。」
彼に連れられて10分ほど経っただろうか。 オレ達は家の前に着いた。
「ここがアキラ様の仕事場兼宿です。」
バトラーは扉の鍵を開けて家の紹介をし始めた。
「一階の奥の部屋に仕事場があります。二階は寝室となっています。家具はそのままありますので使ってください。」
部屋の広さは、元の世界のオレの家よりは狭いが佐藤と2人で暮らすには十分だろう。 家具も充実しているので満足した生活ができそうだ。
「アキラ様。お気に召しましたかな。」
「ええ、大満足です。」
これで、生活する場所も手に入れたしやっと冒険者らしい生活ができそうだ。
「では、私はこれで失礼します。仕事内容と書類は仕事場に置いてますので。」
彼はそう言って屋敷に帰って行った。
「先輩、ベッド一つしかないんですけど。」
佐藤が階段を下りてくるなりオレにそう言った。
「じゃあ、お前外な。」
「なんでですか。先輩。」
「いや、オレの実家では猫を外で飼っていたんだ。 餌も時々来たらあげるだけだったしな。」
「いや、先輩それ野良です。僕は違いますよ。 あれ?でも飼われてるわけでもないし。」
一人で悩む佐藤をほっといてオレは仕事場に向かった。 部屋に入ってみるとかなりの量の紙が机を占領していた。たぶん、これが仕事なんだろう。仕事内容が書かれた紙を見ると、どうやら今年の村の穀物の収穫高を整理して今後の課題を見つけるのがオレの仕事らしい。 内容も大したことでは無さそうなので、すぐに始めることにした。
「じゃあ、始めるか。」
仕事を開始してたぶん8時間ほど経った思う。窓の外は暗闇が広がっていた。しかし、不思議と疲れはなく仕事をすればするほど頭が冴えていった。 恐らく3日間働きますのおかげだろう。
二日目に突入するといきなり佐藤が部屋にやってきた。
「先輩、大丈夫ですか。どんだけ働いてるんですか。」
オレの顔を覗き込むと小さい叫び声を上げた
「ひっ、先輩顔やばいすよ。社畜ゾンビですよ。」
「うるせーよ。」
確かに佐藤の言う通りオレの顔は生力を失っている。しかし、疲れた感じはない。
「さすがに休んだらどうですか。」
「いや、大丈夫。まだ大丈夫。 あと少しだし。」
手を動かしながら佐藤に言った。 すると、佐藤は隣の机に乗ってオレが仕上げた書類を分けはじめた。 その光景に深夜会社で二人で仕事をしていたのが思い出された。よく、こいつは自分の仕事が終わってもよく仕事を手伝ってくれた。 なかなか憎めないやつだ。
「先輩、これ割合おかしくないですか。大豆の生産量が90%超えてるんですけど。」
「いや、それは本当だ。ここでは大豆の生産を推奨しているらしい。」
実際、オレも書類を見た時は驚いたのだ。 中でも生産者の声は酷かった。「領主様はイカれてる。」
「大豆の腐り方が尋常じゃない。」 「発酵ッテナンデスカ。」などが書類の裏にびっしり書かれていた。
二人で黙々と仕事をしていると、外が明るくなっていた。 3日目の朝を迎えたらしい。
「先輩。とりあえず書類はまとめたので今後の課題を考えましょう。」
「そうだな。とりあえず肝心なのは大豆だな。収穫高の大半を占めいる割に、値段も安いので周りの村との取引では使えない。別のものを育てた方がいいだろう。」
「ですよね。他の面では、それといった損失は出てないので大豆の生産量を減らすしかないですよね。」
佐藤は書類にそう書いた。
「これで、やっと終わりました。」
「だな。報告は後で行こう。とりあえず休憩。」
オレ達二人は二階の寝室で休むことにした。
冒険者って思ってたんと違う。
疲れた。