第5話 恐ろしい朝食会
急いで書いたので、間違いが多いかもしれません。
「お客様、おはようございます。」
目を開けると、目の前に黒づくめの男が立っていた。確か彼は領主の執事をつとめているバトラーさんだ。
「おはようございます。バトラーさん。」
「はい、おはようございます。お客様。ご主人様が朝食を一緒にどうかとおしゃっております。」
領主はオレのこれからの雇い主になるかもしれない。ここで断ってはいけないだろう。
「はい、喜んで。」
「そうですか。それはよかったです。準備が出来次第、私が呼びに行きます。」
「あ、はい。分かりました。」
彼は会釈して部屋を出て行った。オレは、いまだベッドで寝ている佐藤を起こすことにした。
「おい、起きろ佐藤。もう朝だぞ。」
オレはそう言いながら、佐藤の頭をペシペシ叩いた。
「バッチリ起きてますよ。先輩。」
と言いながら、目が半分も開いていない佐藤を洗面所まで運んでやった。
「いいか佐藤。これから大切な朝食会がある。 相手に失礼ないようにしないといけない。ちょっとはその癖っ毛をなおせ。」
と言いながら、オレはクシを渡した。しかし、佐藤はわけがわからない顔をしている。
「先輩、僕のこの手ではクシを持てませんよ。先輩が僕の毛をといてください。」
なんて偉そうな奴だ。というか、お前昨日器用にナイフとフォーク使っていたろう。 しかし、時間がない。自分の身支度もしないといけないので、これ以上言い合っている時間もない。
「ハァ、仕方ない。今回だけだぞ。」
オレが毛をといてやると、佐藤はニコニコしていた。 3分程度で毛をときおわった。
服は、バトラーさんが用意してくれた物を着た。久しぶりのスーツを着て余韻に浸っていると奥にあと1着掛かってるのが見えた。どう見ても佐藤サイズだ。
「おい、佐藤お前にも服があるぞ。」
オレがそう言うと、嬉しそうに服をとった。しかし、すぐに不機嫌になってしまった。
「オレ、男なんですけど。これどう見ても女性ものじゃないですか。」
確かにそうだが、今のお前の見た目には合っている。あとお前、オスな。
「相手のご好意なんだから、着るんだ。」
オレが佐藤に無理やり服を着せると、丁度扉のノックの音が聞こえた。
「失礼します。お客様」
「あ、どうぞ。」
「あ、お似合いですよお客様。特にお客様の使い魔さん。 よく似合っていらっしゃる。 やはり、私の目に狂いはなかった。」
佐藤の衣装 あんたの好みかよ。
「先輩、こいつ殴っていいですか。」
佐藤がオレにだけ聞こえる声で言った。
「いや待て、早まるな。」
オレは今にも殴りかかろうとする佐藤をおさえた。
「では、いきましょう。」
バトラーさんについて行くと朝食が用意されている部屋に案内された。奥に誰か座っているようだ。
「ご主人様、アキラ様がいらっしゃいました。」
彼は、そう言うと奥の席に向かってお辞儀をした。
「挨拶が遅くなりましたね。申し訳ありません。私はこの村の領主のハイド・クラスフォーンです。どうぞ、よろしく。」
そう言って俺と握手をした。
そして、食事がスタートした。
彼は食事中、オレの書類に目を通していた。
「君は、かなりの能力を持っているらしいですね。素晴らしいです。私のところで働きませんか。」
やったー。やっと冒険者として活躍できる。
「はい。是非。喜んで。」
オレの返した答えに彼は喜んでいた。
「本当に良かったです。あなたとは上手くいきそうだ。では、お祝いをしましょう。おい、バトラー持ってきなさい。」
すると奥からバトラーは何やら樽を持ってきた。
「私達の村の名産である大豆で作った納豆です。どうぞご賞味ください。」
あ、やべー。どうしよう。佐藤の死因が出てきたよ。オレが隣の佐藤を見ると、固まってしまっていた。
「おい大丈夫か佐藤。」
「やばいです。先輩流石に納豆はやばいです。」
完全に怯えきってしまっている。
「どうぞどうぞ遠慮なく頂いてください。」
ハイドさん自ら持って来てくれた。
「美味しそうですね。」
オレはそう言うと、口に納豆を運んだ。 味はなんとも言えない。腐ってんのか生きてんのかわかんねー味だ。
隣にいた佐藤はもう耐え切れない様子だ。
「もう無理です先輩。すいません。」
佐藤はそう言うと、走って逃げてしまった。
「納豆なんか大嫌いだーーー。」
黙って逃げれよ。頼むから。
ふりむくと、ハイドさんと目があった。
「すいません。本当にすいません。怒ってますか。」
「大丈夫ですよ。気にしていませんよ。」
さすが、領主なだけある。心が広いようだ。
「では、後でバトラーに仕事場を案内させます。」
そう言う彼は別れの握手を求めてきた。オレは彼の手を握り返した。
いててててて握力強いよ。
顔が笑ってねえよ。
やっぱ怒ってんじゃん。
私は納豆が好きです。