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幸せに暮らしましたとさ  作者: シーグリーン


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そこそこの計画

視点戻ります。

連続更新最終回になっておりますのでご注意ください。




 街の人達を見送り、島の内部に入った途端こらえきれなくなった。



「あー!! 勘違いした恥ずかし!」



 恥ずかしいしなんだか可笑しい。

 みんなも布を取りながらハハハと笑っている。



 キイロとロイヤルだけは「あいつ気絶したぜ。根性ないな」とばかりにアルバートさんを笑っていたが。

 悪い顔してるなー。




「キイロとロイヤルさあ~、もうちょっと攻撃レベル下げられない? 限りなくゼロでいいんだけど」


 そうお願いすると鼻で笑われた。

 鼻で笑えるのね……。ハイスペックだわ。




「今度会う時気まずいかな~。いや、あっちが気まずいだろうけど……まあいっか!」



 みんなありがとね~と、出前も届くことだし食っちゃ寝でもするかと砂浜に降り立つ。


 その瞬間、シャララとレベルアップの音が聞こえた。




「レベルアップは空気読めるはずなんだけどな……」



 なぜあの時あの場所で光ったのか。光る御使いキャラになってしまう。

 ちょうど思い出したので髪の毛を確認する事に。




「おお……! 3センチくらい白くなってる」



 一気にエネルギーが集まったみたいだ。だからあそこではじけ飛んだように光っちゃったのかな?

 でも今度は1人の時にお願い。



「この感じだとあのオブジェにお参りしてくれたらたくさん集まりそうだね」


 そう話しながらエンに乘る。



「エン、さっきの鼻から火花は何だったの? あれ威嚇だよね?」


「クー」


「そんな事も出来たんだね。すごいね~。まあアルバートさんは全く危険じゃないけどね」



 私がエンにすごいと言ったのを聞いていたのか、ダクスが見て見てとばかりに唸り始めた。



「……うん。ダクスも唸り声が強そう。でも街の人は危険じゃなかったけどね」



 むしろみんなの事ものすごく崇めてたよ。



「何ナナ? ……ああ。ナナも爪すごいね。凄く切れ味良さそう」



 そこからみんなの威嚇の仕方をひと通り見せられた。

 それぞれすごいと褒めておいた。さすがもりやくさまだわ~。


 でもほどほどにお願い、と伝えるのは忘れなかった。













「チカチカさんただいま~」



 挨拶をしながら健康水をぐいっと飲む。

 喉が渇くから今度から水と食べ物持参でも良いかもしれない。

 むしゃむしゃしてたら神の信徒・御使い感が薄れちゃうかな。



 キッチンの椅子に座ってチカチカさんに話しかける。



「他の街の人に会ったんですけど、キャラが濃かったです」



 チッカチカ



 私の言葉に軽快な点滅をみせるチカチカさん。

 ハハハって感じかな。




「泣かれたり謝られたり感謝されたり、感情が大忙しでしたよ~。あっ! ドワーフとか獣人ぽい人がいたんですけど! 本物ですか?」



 …………



「あれ、違うんだ。でも似てたよなあ~。……もしかして<地球>さんの後輩だから少し影響受けてたりとか?」



 チカチカ



「やっぱり! 創作物の影響もあるんだ。ボスだってドラゴンだもんね~。他に地球の創作物の影響を受けてる生き物はいますか?」


 あの空想上の生き物達に出会えるかもしれないと、ワクワクしながら質問する。


 しかしチカチカさんは反応なし。



「そっかあ。ボス達だけかあ。妖精とか見たかったなあ~」


 残念そうに呟くとチカチカさんは点滅した。



「ん? 妖精いるんですか?」



 チカチカ



「あれ、他の創作生き物はいないんですよね?」



 チカチカ



「えっどういう事?」




 少し考える。

 創作生き物いない。妖精いる。ここでまずイコールじゃなくなる。

 なんだなんなんだ。

 謎かけ問題を解いている気分で唸る。唸りまくる。



「私の頭じゃわかんないんですけど……」



 落ち込みながらデーブルにばたんと伏せる。


 するとチカチカさんは部屋を薄暗くし、矢印点滅を発動した。



「お。久しぶりの……ボス?」



 矢印点滅の先には窓からこちらを覗き込んでいるボスの姿があった。



「さっきの質問に関係あるんですか?」



 チカチカ



「え~。なんだろ~?」



 ボスの口元をべたべた触りながら考える。あ、牙はしまってていいよ。



「ボスと創作生き物、ボスは創作生き物、妖精いる。ボス創作ボス創作――」



 呪いの言葉の様にブツブツ呟く。


 みんなが心配そうに寄り添ってきた。大丈夫おかしくなってないから。



「――ボス創作、創作妖精、あ! ボス創作じゃない!」



 チカチカチカチカ!



 やった! 正解した。しかもレインボー点滅。



「ボス創作じゃない。妖精創作じゃない。つまりボスと妖精は実在の生き物である」



 チカチカ!



「おお~正解した~。ん? あれでもどういう事だ? そりゃあボスは実在の生き物ですけど……」



 そこまで考えてぞっとした。



「あの……、地球の影響を受けてるって、生き物の影響も……」



 チカチカ



「ボスと妖精が実在の生き物って事は……。地球にもいる?」



 ……ぼわぼわ



 ……なんだろうはっきりとしない。

 しかし、そこで珍しく閃いた。




「地球に……いた……?」



 チカチカチカチカ!






 予期せぬ時に予期せぬ事実が発覚してしまった。

 あまりの衝撃に言葉が出ず、ボスにもたれかかる。




「いたっ。うん、大丈夫」



 キイロに頬を優しくつつかれて少し落ち着いた。




「チカチカさん。じゃあドラゴンも妖精もエルフもドワーフも獣人も地球にいたんですか」



 チカチカ



「で、今はいない」



 …………チカチカ




 少しあった間はなんだ。

 でもこれ以上知ると自分の精神衛生上良くない気がするので深くは追及すまい。




「そっかあ~。じゃあチカチカさんお風呂入ってきます……」



 何がじゃあなのかは分からないがふらりと露天風呂に向かう。

 チカチカさんは優しく点滅してくれた。





 その後は、みんなが気を使って色々と世話を焼いてくれたので好意に甘えてだらけきった。


 ボスの背中滑り台で温泉に突っ込んだり、着替えを持ってきてもらったり、髪を乾かしてもらったり、本棚を設置してもらったり。

 で、テラスで昼寝した。

 ふふふ。幸せだ。


















「……っくしゅ! あ゛ー」



 鼻がむずむずして目が覚めた。

 目を開けるとロイヤルが羽で私の顔をふぁさあとしていた。



「鼻が……。おはよ」



 そっと羽をどけて起き上がる。



「まだ明るいね」



 ロイヤルを撫でながら辺りを見渡すと、マッチャがテラスのテーブルに食事の用意をしていた。



「あ! ご飯だ! もう届いたんだね~。運んでくれてありがとう!」



 いそいそと席に着く。私が手伝える事はもうなさそうだしね。手伝おうという意思はあるんだけどね。

 それにお昼ご飯を食べていないのでお腹が空いている。




「今日の盛り付けすごいね」



 いつものコース料理より地球のコース料理に近い。花をあしらっていたりソースをオシャレ風にかけてみたりと魅せる感じの盛り付けだ。



「料理楽しみ~なんて言っちゃったからなー」



 こちらとしては美味しくもりもり食べられればそれでいいんだけどな。

 でも綺麗に盛り付けされてるのを見るのは楽しい。



「フォーン」


「ありがとね! いただきま~す」



 食事の用意が整ったのでさっそく料理に手を付ける。



「あー。お肉美味しい」


 焼いたお肉にソースがかかっているシンプルなものだが美味しい。

 食べる順番なんて気にしない。他の料理は後回しでお肉をがつがつ食べる。

 こっちって塩コショウあるのかな。お肉だけなら延々と食べられそう。あー焼き肉のたれ欲しい。



「そういやお肉今日はカットされてるね」



 いつもはデカいお肉がどんとお皿に乗っているのだが今日は食べやすい大きさになっている。

 周りからの至れり尽くせりがどんどん進化し、そのうち介護に近付きそうで少し心配ではある。



 みんなとわいわい楽しくデザートやメロンキウイまでしっかりと食べ終わり、ひと息つく。



「炭酸飲料飲みたいな~。……そうだ、街潜入方法をメモしとかないと」



 少し慌てて紙とペンを取りに行く。

 せっかくサンリエルさんが教えてくれたのに……。寝る前にメモしておけばよかった。



「よし。じゃあまず他国から訪れる場合――」



 サンリエルさんとのやり取りを思い出しながら書き出していく。







 **********





「――特殊な染料とは?」


「クダヤの一族しか製造方法を知らないもので、ある方法以外では決して消えません。他国からの間者対策で重要な場所に他国の者を近づけさせない為です。街から出る際にその印は消します」


「それで目につく場所ですか。……その染料は複製される心配は?」


「この件に関しては一族のみが対応にあたっています。一族は街の不利益になる事は出来ません。また、万が一複製されてもこちらは定期的に配合を変えていますので……」


「それなら秘密が漏れる心配はなさそうですね。――では染料の印が無い者は住民という事でしょうか」


「住民はそれとは別に、目立たない箇所にクダヤの印を別の染料でつけています。入れ墨のようなものとお考えいただければ……。この体の印と、特殊な配合の金属でできた身分証2つが揃ってクダヤの住民とみなされます。身分証だけを盗んで手に入れても無駄という事です。しかし、一族の者は外見で判断できますので印だけ体につけています」


「他国の方が住民になりたい場合はどうするのですか」


「そういった者達はクダヤでも住める場所が限られています。そして、そこに長年住んで問題が無ければ領主――今は私ですが――が許可を出し、身分証などの住民としての手続きを進めます」


「……長年の居住実績が必要なんですね。――話は戻りますが、他国の身分証を持っていない者はどうなるのでしょうか」


「そのような場合は、裏面に名前と国名を特殊な染料で記した板を首から下げるようになります。クダヤを訪れる者はすべて台帳に記録されますので、街を去る際はその記録を照合する事に――」






 **********




「しっかりと入国管理されてるんだよね~」


 街に入る方法を書き出して見直すと、なかなかセキュリティーがしっかりしているのが分かる。


 サンリエルさんにはクダヤの身分証はお願いしてあるので、他国の者、住民どちらの立場でも臨機応変に対応できるだろう。

 むしろ彼らは頼んだクダヤの身分証に意識を向けているはずなので、他国民として街を訪れる事でいい目くらましになると思う。


 住民しか近付けないエリアに行きたくなったら住民の振りをすればいい。

 切り替えがめんどくさそうだからもしかしたら使わないかもしれないが……、保険は必要だ。


 まあ、困ったらサンリエルさんの権力で色々と揉み消してもらうけど。




「……みんな、私が悪の道に進もうとしたら全力で止めてね。もちろん痛いのは無しで」



『権力で揉み消す』というワードがさらっと出てきた事に驚いたので、みんなにお願いをしておいた。

 神の威を借りすぎなのかもしれない。



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