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幸せに暮らしましたとさ  作者: シーグリーン


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自分の立ち位置

 





 ひと通り話は終わったので、船上会談は終了する事にした。




「では、本日はありがとうございました。そちらの希望に関しての返答は……、明日でも構いませんか?」


「もちろんです。あの、ヤマ・ブランケット様、恐れながらお聞きしたいことがあるのですが」


「なんでしょうか」


「我々、特に水の一族がそうなのですが、島におわします神を勝手ながら“ティアマト様”と呼ばせていただいております。このままそうお呼びしてもよろしいでしょうか」




 ……ティアマト様ってどっかで聞いた事があるような? 




 ああ、思い出したボスがそうやって呼ばれてるって言ってたな。



 う~ん、街の人はボスの事を神様だと思ってるのかあ。

 これ、どうしたら良いのかな。

 呼び名なんかは自由にすればいいと思うけど、ボスとチカチカさんは違う存在だし。

 でも、チカチカさんの子供のようなものだから神様といえば神様ではあるのか。



「呼び名に関しても明日でよろしいですか」



 たくさん聞きたい事もできたしまとめて確認をとってしまおう。



「ありがとうございます。それでは明日お待ちしております」


「あ、時間は今日くらいの時間でお願いします」



 忘れずにそう付け加える。



 向こうは了承したが、なんとなくもっと早くから待機してそうな予感がする。

 あまり無理しないで欲しいがまあ神様相手なんだからしょうがないか。


 あれ? 今の私ってまさしく『虎の威を借る狐』そのものなような……。

 ……謙虚な信徒キャラで調子に乗らないようにしよう。







 彼らの船が街に戻って行き、こちらの船も砂浜に戻る間中キイロとロイヤルは彼らの方向を睨みつけていた。



「あの2人になにかあるの?」


「ぴちゅ!」

「キュッ!」



 警戒をしてくれているんだろうが露骨な態度が気になって聞いてみると、「気にくわない」と昭和の不良のような答えが返ってきた。



「そ、そっか~。でも彼らのおかげで欲しいものが楽に手に入るから――、あーー! 出前頼むの忘れた!」



 そろそろ豪華なご飯が食べたいと思っていたのに……!

 自分の忘れっぽさに勝手にめそめそしていると、ボスからあいつら戻そうかという気遣いを受けた。

 が、申し訳ないのでやめておいた。


 それにしてもあいつらって……。結構みんな現地人に対してあたりが強い。

 無理しない程度に友好的にとはお願いしておいた。



 体が大きい組の船と合流し、砂浜に降り立ち海を見ると、書物の乗せられた船がちゃんと到着していた。

 あの大きいのはさすがに無理かと考えていると、布団の入った箱が海水に持ち上げられているような状態で島のビーチに降ろされようとしているのが目に入った。



 ボス、なんでもあり。



「ボス相変わらずすごいね。ありがと~。 ――そういや随分と前に隣国の船を押し流したのってボス?」



 まるでクダヤを守る様な行動で、神の島としてはクダヤを守っているのかと思ったが、ボスからの返答は「たくさん船がきてうっとおしかった」というもの。

 別にクダヤの街が特別どうというわけではないようだった。



「そうなんだ……。ねえ、クダヤを特に守っているわけじゃないなら、みんなが贈り物を受け取っていたのはなんで?」



 もらえるものはもらえの精神からかと思ったが、少し違う気がした。



「ぴちゅ」

「クー」

「フォーン」

「コフッ」

「キュッ」



 一気に答えが返ってきた。

 まったく何も知らないであろうダクスを除く全員から。



「そういうものだと思ってた……ねえ」



 もしかして、もとからある程度の知識があったようだからその辺と関係しているのかもしれない。

 チカチカさんに聞くことが増えたな。




「よしじゃあ、家に帰ろうか。ボス布団の箱持てる? マッチャは本の箱かな」



 まあナチュラルに人に指示するようになったもんだ。

 みんな嫌がりもしないし、どちらかというと嬉しそうに手伝ってくれるものだからついつい。

 しかもみんなハイスペックだから出来ちゃうんだよね


 私も変わったと、何回も感じてきた事をまた考えながら、もらった鞄をすべて体に装着しエンに乗る。

 すっごい格好になったが人間は誰も見ていない。そしてどの鞄もイニシャルが刺繍されているのが確認できた。

 タツフグに挨拶し、ロイヤルとダクスを前に乗せて家に向かった。











「ただいま~。チカチカさん、聞きたい事がたくさん出てきちゃいました」



 私の言葉にチカチカさんは明るく光って出迎えてくれた。

 あの光り方だと……、いいよ! っていうテンションかな。



「ひとまず、街の人にもらった荷物整理してきますね」



 そのまま2階のテラスに向かう。





 テラスには本と布団の箱がすでに運ばれていた。

 お礼を言ってまずは本のチェックをする




「これが地図で……、……これがカセルさんが言ってた大森林ね~」



 その地図には大まかな国の位置が印されていた。

 お隣さんはミナリームという国名だという事もわかった。



「ミナリームねえ。どんな国なんだろう」



 他の書物もパラパラとめくりながら、めんどくさい国じゃないと良いなあと思った。



 本の整理中に、うっかり読み進めてしまい作業がはかどらない現象をしっかり体験しながらも本を部屋の隅に運び入れた。本棚が楽しみ。

 次は大きさからして持て余しそうな布団に取り掛かろうか。



 蓋を開けてもらい中を確認する。


 中には抱き枕のようなものが5つに、綺麗に折りたたまれているシーツが10枚入っていた。

 なぜかそれぞれ同じ5色に染色されている。


 そして1番かさばっているであろう、敷布団のようなもの。マットレスに近いかも。

 1番上のものは白地だったが、めくってみると下は紫の布地でできたものだった。



「これ、わざわざ色を合わせて作ってくれたのかなあ」



 白・黒・茶・紫・水色の布団セットはとにかく目立つ。

 しかもでかい。そして掛布団がうっすいシーツ。寒そうだ。


 全部のマットレスはみんなの部屋に敷き詰められるだろうが、歩くスペースが無くなる。



「枕とマットレスはいつくか私が使わせてもらうね」



 みんなの部屋との境目を中心にマットレスを敷く。ほとんどマッチャの力。

 汚れが目立ちそうな色のものは自分の部屋側に設置し、残りはみんなの部屋に。

 シーツは半分マットレスの上に敷き、残りはみんなの方にくしゃくしゃにして置く。

 枕は私の方を多めに設置した。



「おお~。すっごく富豪っぽい!」



 出来上がったベッドルームを見ると、隣の部屋まで広がる巨大なベッドのように見えた。



「おお~……!」



 靴を脱ぎ、ベッドの上を転がって遊ぶ。



「広い! ふかふか! 広い!」



 こういう大きいベットで寝てみたかったんだ~。

 地球から一緒にきた布団達はこの上に敷けばさらに良さそう。



 みんなと一緒にごろごろして遊ぼうとみんなを見ると、なぜかテラスでびしょ濡れだった。



「どうしたどうした」



 テラスの近くまで転がり、寝転んだままテラスのみんなに話しかける。



「キャン」


「ああ、乾かしてるのかー。なんかごめんね、いつも綺麗好きみたいな行動とっちゃって」



 地球の家は汚くはないが、そこそこ散らかっていたので綺麗好きではないんだ。

 やっぱり、今の家が玄関で靴を脱ぐタイプじゃないから気になるだけなんだよな~。


 みんながテラスの椅子に腰かけて汚れないように体を乾かしているの見ながら、改めて申し訳ないと思った。

 エンはもう毛が乾いていて、布団の隅でまったりしているけど。





 そのままみんなのシーツを体にかけ、寝ながらチカチカさんに質問する。



「チカチカさんチカチカさん。街の人はボスを島の神様だと思ってるみたいで、向こうでは“ティアマト様”って呼ばれてるんです。引き続きティアマト様って呼んで良いですかって聞かれたんですけど」



 …………



「やっぱり、<エスクベル>さんでもあるから“エクスベル様”って呼んでもらいます?」



 ……チカチカッ



「神とティアマト様は別の存在ですよ~って別に説明しなくても良いいとは思うんですけど、みんなはボスの事を神様だと思ってるのがちょっとだましてるような……。――そうそう、街の人が神の使いの私に会って神様への感謝の気持ちを伝えたいってお願いされたんですけど。神の使いって! 名前のインパクト強すぎですよね~」



 私の言葉にチカチカさんは久しぶりのレインボー点滅を披露した。



「え……? 『神の使い』ワードもしかして気に入ってますか?」



 チカチカッ!



 なるほど。チカチカさんはこういう設定が好きなんですね。

 それにしても、チカチカさんの点滅ニュアンスがだんだんと分かってきている不思議。



「チカチカさんへの感謝ならたっぷり伝えさせてもらいますけど~。そういやチカチカさんって、クダヤの街の人に特別に力を与えたりしてます? 街の人から聞いたんですけど、チカチカさんの力なのか、街の人達の中に進化した人種・種族みたいなのが存在するみたいなんですよね~」



 間延びした声でチカチカさんに聞いてみる。

 どうもごろごろしながら質問すると口調もだらだらしてしまうようだ。


 そしてチカチカさんは無反応なので、特別に何かをしているわけではないらしい。



「チカチカさんの意思で分け与えてるわけじゃないなら……、偶然とか」



 チカチカッ



「えっ? まじですか」



 冗談で言ったことが正解だった。




「じゃあ住民の進化はチカチカさんとは関係ない?」



 …………



「チカチカさんの力なんだ。じゃあ、チカチカさんの力が偶然街の人に作用したって事ですか」



 チカチカチカチカッ!



 高速チカチカがでた。

 どうしやらクダヤの人達は運が良かったみたいだ。



「たまたま力が作用するって……、あ! この島に近いから!?」



 そう聞いた途端、レインボー高速点滅が。


 私冴えてる。



「はあ~。近いから影響が出ちゃったんですね~。環境汚染の逆バージョンみたいな感じか~」



 ごろごろ転がりながら、そんな事もあるだな~と思った。

 リラックスしていると良い案が浮かぶというのは本当らしい。



「大昔の街の人はもっとすごい力に目覚めちゃってたみたいなんですけど~。それこそ剣と魔法の世界! みたいな。あれ? チカチカさんの力って昔に比べて弱くなりました?」



 …………



「変わってないのか~。じゃあなんで最近の人は魔法が使えないんだろう?」



 ごろごろしてもこれ以上頭は冴えないみたいだ。



「そのうちわかりますか?」



 チカチカッ!



 なかなかの前のめりタイミングで答えが返ってきた。

 それじゃあ今後の楽しみにしておこう。






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