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幸せに暮らしましたとさ  作者: シーグリーン


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180/216

作戦開始

 



 改めてミナリームの人達が良く見える場所に移動し、狼もどきのパーマ(命名)に手で合図を出す。


 すぐさま聞こえる大音量の遠吠え。



「う……わ……」



 思ったより恐ろしい。こんなの近くで聞いたらすぐ逃げるわ。

 それはミナリームの人達も同じで、一瞬にして静まり返った。


 そして――






「――来たぞ!」


「早過ぎる!!」

「下がれ……!」



 誰かのひと声であたりは大混乱。



「おお~効果抜群」



 木を切っていた人達は斧を持ち集まり、森の様子を緊張の面持ちで探っている。



「あれ? あちらの騎士さん達はこっちに来ないんだね」



 あんなに良い装備をしてるんだから前線を担当しなよ。



「パーマは唸り声を開始してくれる? あと誰かあそこの後方の騎士さん達をこっちに吹っ飛ばせない?」



 あの鎧だし多少の衝撃は大丈夫だろう。



「ボスがやってくれる? じゃあ私はこの辺の木で待機してるから。出来るだけ低空の吹っ飛ばしをお願いします」



 マッチャにおんぶされて近くの木に乗り移る。

 下ではパーマの唸り声が絶好調。地を這う感じが恐ろしい。



「よし、じゃあ――」





「「「――――うわあああ!!」」」



「うわっ」



 視線を森の外に向けると、騎士達が弾丸のように斧を持っていた集団に突っ込んだ。

 斧を持っていた人達は華麗に避けたので騎士達は地面に転がってるけど。避ける気持ちはわかる。



「うわ~痛そう……。でもこれでもう帰ってくれないかなあ。魔物に命を奪われるよりはいいでしょ」



「い、今のはなんだ!?」

「魔物か……!?」



 そうそう。魔物よりもっと怖い存在ですよ。



「隊列を整えろ!!」



 まじか。ほんともう帰ってよ。



「やっぱりボスの尻尾攻撃の出番かあ……でも剥き出しの斧とか持ってて危ないしなあ。とりあえず霧いっとく?」



 どうしたもんかと唸っていると、あたりがさっと暗くなった。



「……お?」



 視線を上に向けると、とんでもない大きさの木が地面から根を引っこ抜きながらミナリームの人達に向かって歩いて行くところだった。



「え、ちょ、なにあれ。ちょっとチカチカさん抱きしめて守ってもらっていいですか。できれば今すぐ」



 もうすでにマッチャに抱き着いているが何人に抱きしめてもらっても構うまい。



「追い返したらただの木に戻る」


「……んん?」



 という事は……。



「あれチカチカさんの仕業?」



 そう聞くとチカチカさんは「そう」とだけかっこよく答えた。



「へえ…………」



 惑星ってほんととんでもないな……。



「なんだ!?」

「化け物だ!!」



 一方ミナリームの人達は混乱の極致にあった。


 勇敢にも木に斧を突き立てようとする人達もいたが、その斧はことごとく枝に絡めとられ上空に運ばれる。



「てっ撤退しろ……!!」



 騎士の悲痛な叫び声をきっかけに、緊張の意図が切れたかのように悲鳴を上げながら森とは反対方向に走り出す人々。





「終わりましたね……」



 ようやくミナリームの人達は森からいなくなった。





 馬、忘れてますよ。




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