夢にまで見たアレ
本日更新2回目
結論、軍師達はお忙しいようで。
仕方がないのでチカチカさんいわく「ありきたり」な方法を選んだ。
「――――じゃあまとめると、まずは木を切ってる人達を驚かせて国に帰ってもらう作戦のメンバーはボスね」
「ぴー!」
「キュッ!」
「キャン!」
「キイロとロイヤルは人間相手はまだ今度。ほら、ボスだと尻尾のふわふわで衝撃が吸収されるでしょ? あとダクスはマッチャと待機ね。唸り声は相手に聞こえないと思うし」
まずはボスの尻尾で木を切っている人達を薙ぎ払ってもらう。
彼等も望んでやっているわけではないと思うし、驚かせたらすぐに撤退してくれると思う。
白い霧なんか出せばいちころのはず。
「はい、そしてその報告を聞いたミナリームの権力者達が集まるであろう会議の場に御使いである私の登場です」
「クー」
「フォーン」
「コフッ」
「ありがとうありがとう。警護はお願いね」
島のみんなからの「かっこいい」「すごい」と更に私を調子づかせる声援が。
ありがとう、思う存分調子に乗るね。
「チカチカさんの能力で突然会議の場に現れ宙に浮く私――チカチカさんため息聞こえてますよ――えー、そして虹色杖を持ち空中を歩きながら国王に近付く私。あ、国王は誰かボス教えてね」
顔知らないからさ。
「それでなんやかんや言った後に神の武器の登場! 虹色杖が変形して威圧感のある形状になってそれをひと振り。そこで白フワの金粉登場。――白フワはここのタイミングを後で練習しようね。で、『お前達をいつも見ているぞ』的なセリフばーん! でミナリームの人が『ははあ~』ってなって終了」
ここまで全力の中学2年生もそうそういないだろう。ふふふ。
「なのでチカチカさんには神の武器の作成と瞬間移動に力を貸して欲しいな~なんて」
首をかしげながら目をぱちぱちしてみる。
が、すぐさま頬を指で突かれた。
「そのポーズ」
そうだった。首をかしげるのは似合わないって言われてたんだった。失敗した。
「えーとチカチカさんが好きなのは……情けない顔でしたっけ? どうやったら――」
「もう十分情けない」
このっ……! 点滅時代のチカチカさんはもっとノリの良い感じだったのに……!
しかしその後、眉間にしわを寄せて近距離でうろついていたらけっこう早めに助けを承諾してくれた。
優しい。
「はい、それでは次は衣装の案をみんなに出してもらおうと思います。拠点のヴァーちゃん達にお願いして急いで作ってもらいますので。布は洞窟にあるのを適当に拝借します」
「キャン」
「はいはい、とにかく眩しいやつね」
どんな衣装だ。
「ぴちゅ」
「着物? キイロ知ってるんだ~。でも作り方とか知らないし布地とかないし……」
着物ってちょっと恥ずかしいかも。
ハリウッドが考えるジャパニーズEDOみたいな要素あるよね。
黒髪だけど前髪は切り揃えたくないし。
「ではとりあえず、洞窟にある布でそれっぽくキラキラしい着物っぽい何かを作ってもらいましょう! 次は――」
みんなと盛り上がりながら、御使い降臨シーンの為の小道具の案をまとめる。
神の武器に関しては意見交換が5時間ほど必要だと思われる。




