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とある従魔師の交遊記録  作者: 安芸紅葉
二人目「美しき氷の渡り鳥」
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第7ページ 教会

「さぁ、教会に行くか」


翌日になり、朝食も食べ終えたところで、僕たちはようやく教会へと向かうことになった。

僕も自分の力のことなんかを知りたかったため、その足取りは軽い。


寝起きはひどかったんだ。

久しぶりのベッドで自分の想像以上に疲れが溜まっていたらしく、起きたいけれど身体がベッドから起き上がろうとしなかった。

不思議だ。


教会は町の中心部から少し外れにあるらしい。

創造教会というらしいその教会は、世界で一番布教されているそうで、その本部は人族の大陸にあるらしい。


ここにあるのはあくまで支部であるそうなんだが、それでも獣大陸の首都にあるということでそれなりの規模ではある。

町の中心にある樹ほどではないけどね。


獣都の中心には巨大な樹がそびえ立っている。

聞けばあれが、ライオウッドの名前の由来となっている樹で、あの樹をくり抜き王城の役割を果たしているらしい。


その高さは5階建のマンションくらいだろう。

高さはそれほどでもない。

でも、この樹がすごいのは幅だ。横幅が広い!

千人が手を廻しても回り一周できないのではないだろうか。

上に行くほど幅は狭くなっているようだけど、これはすごい。


ロアベーアさんは中に入ったことがあるそうだ。

樹の匂いがして落ち着くと言っていた。

中に入ることはないと思うけど、入ってみたいなぁ。


---


教会は木造で、三階建てであった。

真ん中が吹き抜けになり、日が入る仕組みになっていて、ここはここで落ち着く雰囲気がある。


出迎えてくれたのは、獣大陸の教会すべての管理を一手にしているというモンテ・チネイル・リビンハイム司教。

そんなすごい人がいいのだろうか?と思ったけど、獣大陸に教会は両手の指で足りるくらいしかないそうだ。

人が住んでいる所が限られるからなんだとか。


「今日は、ステータスカードということでしたが?」

「そうなんです。実は…」


モンテ司教とロアさんは面識があったようで、僕の事情を説明してくれる。


あとで聞いたら、ロアさんが住んでいた里から出たときに色々世話をしてくれたらしい。

モンテ司教も同じエルフだから、気持ちがわかると言ってくれたそうだ。


僕の事情を聞いた司教は、その見た目だけなら50代くらいの整った顔を驚きで覆った。

目を見張りこちらを見てくる。


曖昧に微笑むと、司教は頭を振って笑ってくれた。


「事情はわかりました。私も長く生きていますが異世界人を見たのは初めてです」


エルフの寿命は約400年。

司教は私などまだ200歳の若輩者です、と笑っている。

いやいやいや。


「ではまずステータスカードをお作りしましょう。あなた自身の能力をきちんと把握する必要がありますからね」


司教は一度部屋を出て、戻ってきた時には、ハンドボールサイズの水晶玉と銀色のカードを持ってきてくれた。


「それでは利き手に水晶を、もう一方に手にカードを持ってください」


言われた通りにすると、水晶から光が漏れてきてだんだんと輝き始めた。

それが収まってくると、今度はカードに何やら文字が浮かび上がってくる。


その文字は見たことない形をしており、本当なら読めるはずもないのだが、僕は何故かそれが読める。


「カードに血を一滴垂らしたら完了です」


司教が渡してくれたナイフを受け取り、指を少しだけ刺して血を一滴カードに垂らす。

カードが一瞬強く輝いたかと思うと、完全に文字が書かれていた。


「これで登録が済みました。そのカードはもうあなただけの物であり、他人が触れても情報を見ることはできません。あなたが見たいとき、見せたいときだけ文字は浮かび上がりますが、任意で隠すこともできます。さぁ、まずは確認を」


そう言われたので僕はカードに目を落とす。


―・―・―・―・―・―


入須慧人 12歳 男


HP:3200

MP:170000

魔法属性:―

<スキル>

従魔法、MP回復速度上昇

<ユニークスキル>

親愛なる友人たち(トランセンドフレンドリー)

<称号>

「冥王の寵児」、「友愛の使徒」、「異世界からの来訪者」

<加護>

「冥王の加護」


―・―・―・―・―・―


来週からは投稿をまとめて行うと思います。

木曜18時更新は変わりませんが一気に何話か更新します。

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